［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……誰？」

森の中の広けた場所に、ターゲットである沢野玲子の声が響いた。
気付かれないように近付いたつもりだが、少女が持っているという"危険感知"の異能によるものか、接近に近づかれてしまった。
だが、こちらは既に周囲を武装した１０人で固めている。
どうやっても逃げられない。

「車に乗ってもらおう。手荒なことはしない」

背後にあるバンを後ろ手に示しながら、隊長が静かに、しかし威圧感のある声で告げる。
その手には銃。俺や他の隊員達も武器を手に取って、じりじりと包囲の輪を狭めていく。俺と隊長以外の隊員が持っているのはスタンガンだが、見た目は銃なので与えるプレッシャーはかなりのものだろう。
少女は動きも喋りもせず、ただ茫然とこちらの接近を見ている。
人の侵入のないはずの山で、武装した男に囲まれている状況が理解できないのだろう。
俺はそう思っていたし、他の連中もそうだったろう。
後3mほどという距離まで迫ったところで

「レーコ、どうしよう。狩る？　見逃す？」

唐突に呟いた。
だが、それ自体は驚きに値しない。
少女は困った時に異能によるもう一つの人格に相談するのは度々ある事だったし、想定済みだ。
だが。この少女は今、狩る、と尋ねたのか？
……こちらを？　この状況で？

嫌な予感がして、足を止める。
隊長がそれを不審に思って立ち止まり、こちらに向かって何かを言おうとした。次の瞬間。

骨の砕ける音と共に、
隊長の首が飛んだ

「は？」

何が起こった。護衛が隠れてた？　もしかして待ち伏せされていたのか？　逃げなければ。しかし隊長なしでどうやって？
突然の隊長の死に固まる。体感時間としては１分程だったが、現実の時間はほぼ一瞬だったのだろう。
俺は部下がスタンガンのバヂッ、という音で正気に戻り、音の方角を見た。
少女がいない。代わりに視界に入ったのは、今まさに首が胴体と泣き別れしたばかりの隊員。

２人やられた！
ようやくそれを認識した俺は、敵の位置を確認するために部下達が何かを叫びながら銃口を移動させる方向へと銃を向ける。
視界の端に映った黒い影は、車の影に飛び込んだ。

「左右から回り込め！」

指示を飛ばしながら駆け出した俺の横を、巨大な何かが横切る。
振り返ると同時に、轟音。
見慣れた車が木に激突したのか、運転席の部分を大きく凹ませながら横倒しになっている。
そこからじわじわと広がる赤い液体は、運転席にいた隊員のものか、はたまた巻き込まれて車と木の間に押し潰された隊員のものか。
残り７人。車があった場所に銃を向けると。

そこに、獣がいた。

いや、それはかつて少女だったのだろう。
だが、今は右腕から鋭利な湾曲した刃物を生やし、左手をデコボコした球体に覆わせて、背中の衣服を突き破って鋭い棘を生やし、顔の皮膚を仮面のようなもので覆う異形の獣としか形容しようがなく、事実、四肢をつき、低く構えてこちらに唸り声を上げるそれは獣としか言いようがなかった。

「……冗談だろ」

悪夢のような光景に呻きつつ、ハンドサインで撃て、と合図する。
瞬く間に隊長を含む４人を殺されながらも、隊員も大したもので、合図とともに一斉射撃を開始する。
しかし、電撃が放たれるよりも一瞬早く獣が弾丸じみた速度で跳んでくる。

万が一のために待機していた俺は、すかさず射撃。
9mmの弾丸は吸い込まれるように獣の肩に命中し――弾かれる。

「な、なんだあっ！？」

驚く声を上げるよりも早く、突進を正面から受けた隊員が仰向けに倒れる。
隊員達が銃口を向けた頃には獣は森の中へと逃げ込んでいた。

「おい、大丈夫か！！」

森の中を警戒させながら、倒れた隊員へと近づこうとして、額に開いた1㎝程の穴を見て止めた。
どう見ても致命傷だった。

「…………」

無言のハンドサイン。
優秀な兵隊である彼等はすぐに背中合わせに密集し、円陣を作る。
獣が逃げたという可能性は考えなかった。逃げるだけなら最初に隊長を殺った時に逃げられたのだから、今更逃げるはずもない。

「…確認するが、ターゲットの異能は？」

「肉体を共有する第二の人格を持つ《並列人格》と自身に迫る危険を事前に察知する《危険察知》です」

「だよな。三つめの異能があったのか、それとも元から人間じゃねえのかはわかんねえが、伏せられてたってワケか、クソが」

小学生のお嬢様が護衛なしで、熊も出るような人気のない山に入って遊ぶのを呑気に看過していた理由。
都会に住んでいながら、わざわざ山の中で遊ぶ理由。
そして獣がうろつくようなロクに整備されていない山の中で何をして遊んでいたのか。
調査時点で頭にあったいくつかの疑問の答えをようやく理解した。

「アイツはここで狩りをしてたんだ。鹿とか熊とかを、狩り殺してたんだ！！」

「そして、俺達はそんな野獣の狩場にノコノコ現れた獲物ってワケだ」

部下の怒りと恐怖混じりの叫び。
それに答える自分の口調はひどく落ち着いていて、数時間前までの自分ではないようだった。

「…どうかしてるぜ」

自嘲する。
簡単な誘拐のはずが、隊長が殺られ、部下が殺られ、車は壊され、人気のない森の中でこちらが狩られる立場になってしまった。
だというのに、俺は誘拐する時以上に興奮していた。
かつて俺の祖先は獣の領分である森を征服し、獣達を害獣として排除してきたという。
獣をと死力を尽くして戦うという状況に、昔を思い出した血が騒いでいるのかもしれない。

「ど、どうします？　このままじゃいずれ狩られます」

「わかってる。……こうなりゃ向こうから出てきてもらうしかねえな」

眼を凝らし、耳を澄ませながら頭を回転させてこれからの作戦を練る。

「まず、襲撃が止んだ以上。この陣形は効果があるんだろう。
　でもって、多分あっちは近づかないと攻撃できねえ。
　となりゃあ。誘き寄せて、集団で攻撃する。それっきゃねえだろう」

「相手が夜になってこちらの疲労を待つ可能性はありませんか…？」

「あるかもな。だが、それならそれで良い。
　だが、夜になっても帰らなきゃ、さすがにお嬢様を探しに捜索隊は出て来るだろう。
　人質にゃ向いてねえが、デコイにはもってこいだ。
　捜索隊が近付いたら、森の中にバラバラに逃げ込む。
　あっちは俺達なのか捜索隊なのかすぐには判別がつかねえだろうから、運が良いヤツは逃げ切れる。
　……この作戦でいいな？」

この期に及んで、残った全員無事に逃げ帰れるなんて思うような夢見る馬鹿は幸いいなかったらしく、部下の全員が了承の返事を返す。

「よし。……そんなら、獣狩りと洒落込もうじゃねえか」

焚き付けながら、心の中で部下に詫びる。
生き残ろうと声をかけながら、俺はもはや自分の生存などハナから考えていなかった。
ここで逃げたところで、沢野家を敵に回し、前金を受け取っておきながら大失敗をした俺に待つのはゴミのような人生か、あるいはクソのような死だけだろう。

なら俺は、あの獣を狩る。
奴を狩って、ささやかな誇りと共に満足しながら死んでやろう。

獣を狩るのは、人の誉れだ。


（2/3）

ENo.122 悪夢の苗床 とのやりとり


ENo.194 リンネ とのやりとり


ENo.545 東堂玄樹 とのやりとり


ENo.1440 コハル とのやりとり

特に何もしませんでした。

ハナ(1345) に 70 PS 送付しました。
ネタミちゃん(1583) に 40 PS 送付しました。

すごい木材（400 PS）を購入しました。
すごい木材（400 PS）を購入しました。
すごい木材（400 PS）を購入しました。

魔術LV を 10 DOWN。（LV25⇒15、+10CP、-10FP）

命術LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
制約LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
装飾LV を 5 UP！（LV70⇒75、-5CP）

ItemNo.19 ダンボール から装飾『新品のドッグタグ』を作製しました！
　⇒ 新品のドッグタグ／装飾：強さ170／［効果1］守護15 ［効果2］－ ［効果3］－


ハナ(1345) により ItemNo.16 古雑誌 から法衣『熊の剛皮』を作製してもらいました！
　⇒ 熊の剛皮／法衣：強さ85／［効果1］鎮痛15 ［効果2］－ ［効果3］幸運15

おおとり(125) とカードを交換しました！

ほっこりお熱 （グリモワール）


イディオータ を研究しました！（深度1⇒2）
イディオータ を研究しました！（深度2⇒3）
フィジカルブースター を研究しました！（深度1⇒2）

ペナルティ を習得！
スピアトラップ を習得！
ボムトラップ を習得！
エナジーウォール を習得！
キーンフォーム を習得！
水の祝福 を習得！
チャクラグラント を習得！
セイクリットファイア を習得！
グレイシア を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『ヒノデ区 B-16：チェックポイント《白い岬》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - シルバーキャット(748) の選択は ヒノデ区 B-16：チェックポイント《白い岬》

MISSION!!
カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》 を選択！
　　 - シルバーキャット(748) の選択は カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》

［843 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［396 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［440 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［138 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［272 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［125 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［125 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［24 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　






　





　





ロストのふたりがチャットに入り込んできた。

　

　

　





　





　







軽蔑の眼差しを向けるエディアン。

　








ミヨチンを制止する。





　







フレディオの胸倉をつかみ強く睨みつける！

　

　

　




　

　

　　　――ザザッ

　

　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！