［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……先輩は、もしもすべてが信じられなくなった時に。
　自分が誰よりも無事でいて欲しい人を傷つけてしまいそうな存在だと知った時に。
　……先輩なら、どうしますか……？」











――ハザマにて通信で、
俺に対して犬噛白百合が問うてきた言葉だ。

まあ、ハザマのこの環境だ。気持ちはよく分かる。
何もかもに不安になる方が人として正常だし、
こんな環境で平然としている奴の方がどうかしてる。

返事をする前に、少しだけ考えた。
多分、
自分のすべてが理解できなくなるときはきっと、
周りのすべてが理解できなくなるときだ。

何一つ確かな物がなくなって、
今まで基準としていた柱さえもあやふやで、
正しいのか、正しくないのかすらわからなくなることで、
自分の足元もおぼつかなくなる。

しっかりと立つには揺れ動くことのない地面が必要で、
揺れ動く地面に立つには捕まる場所が必要で、
そういったものが一つずつ崩れていくような場所では、
きっと一秒だって立っていられないのだと思う。

アンジニティ。
このハザマという世界に堕とされてから、
そう呼ばれる存在に出会った。
俺たちが生きる現実世界では姿を変えて正体を隠し、
最初からそこに存在していたかのように振舞って、
侵略の機会を今か今かと待ち続けていた存在。

そんな隣人の存在が明らかになったときに、
自分という存在が果たして自分自身なのかどうかは真っ先に疑うべきことだと思った。
多分、犬噛はそういうことを言いたいんだろうと思う。

幸い、そして不幸なことに、アンジニティという存在の例をいくつか見てきた。
皆現実の記憶を俺たちと同じように持っているが、正体はこちらの世界の姿が本当の姿だという。
それぞれに目的があって、それぞれの目的のために姿を変えて、潜伏している。

これは戦争だと誰かが言った。
侵略戦争であるのだと、誰かが言った。
彼らが彼らの居場所を獲得するための、
俺たちと、アンジニティの戦争なのだと、誰かが言っていた。

だからいつかはきっと。
もう一度、この手を汚さないといけない日が来るんじゃないかということも。

実は、誰にも言っていないけれど、覚悟をしていた。



☆　　　★　　　☆　　　★　　　☆　　　



そいつは。
呆れるほど唐突に目の前に現れた。

背の丈は見下ろす程度。
細い、少女のように見えた。
余りにも存在感のない佇まいに、非現実性を感じる。
久しぶりに会った友人に言うように、軽く手を挙げて小さく微笑み、

「やあ」

と挨拶をした。


眉根を寄せる。
こんな知り合いはいない。
その俺の表情から内心を読み取ったのか、
何かに気づいたように少女は顎に手をやった。

「あ、わからないかな？」
「………」
「まあそうだよね。
　知り合いを騙る相手にはそういう目を向けるのがあなただもんね。
　私は、ファルカっていうんだけど。これからは覚えておいてね」

口調は、ずっと前から知っているような口ぶりだ。
でも、こんな知り合いはいない。
現実世界でも、こっちでも、一度も見た記憶がない。
自分が忘れているわけでもなく、本当に初めて会う相手だと確信すらある。

少女はくすりと笑い。

「――でも、じゃあ。
　これで少しは分かってもらえるかな？」












「ねえ、『若宮くん』」


その顔は。
その声は。
その呼び方は。

ああ。なるほど。

俺たちが生きる現実世界では姿を変えて正体を隠し、
最初からそこに存在していたかのように振舞って、
侵略の機会を今か今かと待ち続けていた存在。

身体が、事実を受け止めて力を抜いた。
虚脱感とも呼べるそれが重くのしかかってきて、膝が笑う。
大きく息を吸って。

吐いた。


「………。
　……へぇ。
　意外だなー……」

そいつは。
ファルカと名乗ったそいつは。
恐らく、イバラシティで秋山ハルカとして存在していたはずのそいつは。
アンジニティの住民は、そんな言葉を口にした。













「もう少し、ショックを受けてくれると思ってたんだけど。
　それに、そんな怖い顔できるんだね、若宮くん。
　一度も、見たことなかったよ。
　……まるで、本物の悪い人みたいだね？」


言いながらファルカは、口の端を持ち上げる。
それはそれで興味深いと言いたげな、
こちらを嘲笑うかのようなその笑みは、秋山ハルの物とは似ても似つかない。

ただ、それでも。
恐らく目の前の存在が秋山ハルカの名を名乗る以上、
完全に相手が秋山ハルカと無関係でないことも言外に理解できた。
乾く口を開いて、言葉を返す。


「……十分、ショック受けてるよ」

膝は笑っているし。
嘘だろ、と認めきれない自分もいる。
秋山ハルカの存在と本当に繋がりがあるのか問いただしたくもあったし、
秋山ハルカが存在しないのだとしたら、それを信じたくない気持ちだってある。
ただ。


――ただ単純に。


「……そういうこともあるのが、
　『そういうのこそ』現実だっていうのも、他の奴よりは知ってるだけだよ」


それは、少年が古傷を自慢するような言葉であったけれど、
俺にとっては紛れもない本心で。
年相応の子供に言い聞かせるような声色で、
静かに、感情を押し殺して言った。

その裏切りや寝返りや失望や絶望が、
ハザマという世界に来てから初めて受けるものであったなら、
きっと期待に副えるくらいの表情も出来たかもしれないけれど。
少しだけ、そういうのには慣れていた。
強く手を掴んででもいなければ
明日も当たり前にいると思ってた相手が、
居なくなる可能性もあるのが、人生だってことは。


その俺の言葉に、視線に、
心底期待外れだというため息を隠さずに、ファルカは言う。

「……なーんだ。
　もっと苦しんだり悲しんだりしてくれるのかと思って、
　満を持して登場したのに、本当つまんない」

だったら、少なくともハザマという世界で、
せめて誰より早く自分の存在がアンジニティだと示しにくるんだったな。
そういうのも、もうこっちには間に合ってるんだよ。
そん時も、まあ結構ショックではあったけれど。
先を促すために小さくため息を吐いた。

「……いいから用件を言えよ」
「んー？」

こっちが求めると、焦らすようにファルカは首を傾げた。
その仕草は、少しだけ秋山ハルカを思わせて虫唾が走った。
その俺の苛立ちすら面白いのか、ファルカはくすくすと笑う。

「せっかちだね。
　もしかして、若宮くん、ファルカのこと嫌い？」

わざとだろう。
現実でハルちゃんが問うてきたその言葉に重ねるように疑問を投げてくる。
大きくため息を吐いた。少しだけ、胸の内に蟠る怒りを逃がすように。

「……用件を聞いてから、
　好きになってもいいか決めてもいいか？」


その言葉に、面白そうにファルカが笑った。
俺は、全く笑えなかった。


静かに。
ファルカの口から用件が――本題が紡がれていく――。

ENo.85 りりぃ とのやりとり


ENo.188 清春 とのやりとり

特に何もしませんでした。

武術LV を 10 DOWN。（LV35⇒25、+10CP、-10FP）
制約LV を 10 DOWN。（LV35⇒25、+10CP、-10FP）

響鳴LV を 25 UP！（LV0⇒25、-25CP）

マナカ(507) により ItemNo.4 点線 に ItemNo.5 制服 を合成してもらおうとしましたが、LVが足りないようです。

ゼロ(742) とカードを交換しました！

Ω.DG:フェイタルストライク （ミゼラブルメモリー）


アルヒェ を研究しました！（深度0⇒1）
アルヒェ を研究しました！（深度1⇒2）
アルヒェ を研究しました！（深度2⇒3）

エチュード を習得！
マーチ を習得！
アラベスク を習得！
ビブラート を習得！
ブレイブハート を習得！
祝福の詩 を習得！
ヒーリングソング を習得！
チェインリアクト を習得！
トリッピングトラップ を習得！
エファヴェセント を習得！
巧技 を習得！
魅了耐性 を習得！
ノクターン を習得！
ソウルビート を習得！
トラップステップ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

線引(506) は ペットボトル を入手！
マナカ(507) は ペットボトル を入手！
線引(506) は 翠小石 を入手！
マナカ(507) は 紅小石 を入手！

マナカ(507) に移動を委ねました。

ウシ区 E-13（森林）に移動！（体調5⇒4）
ウシ区 F-13（森林）に移動！（体調4⇒3）
ウシ区 F-12（森林）に移動！（体調3⇒2）
ウシ区 F-11（森林）に移動！（体調2⇒1）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - マナカ(507) の選択は カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》

MISSION!!
チナミ区 O-16：梅楽園 を選択！
　　 - マナカ(507) の選択は チナミ区 O-16：梅楽園

［843 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［396 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［440 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［138 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［272 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［125 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［125 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［24 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　






　





　





ロストのふたりがチャットに入り込んできた。

　

　

　





　





　







軽蔑の眼差しを向けるエディアン。

　








ミヨチンを制止する。





　







フレディオの胸倉をつかみ強く睨みつける！

　

　

　




　

　

　　　――ザザッ

　

　

　

　

チャットが閉じられる――

ハザマのなか、咲き乱れる梅の木たち。

梅林にはほんのりと良い香りが漂う。

その景色は美しく見えるが、同時に異様にも映る。

　

園内を進んでいくと、周囲の梅の木がざわめく･･･






木が不自然に捻れ、音を立てる。

ボコッと地面から根が飛び出し、木が"歩き"はじめる･･･