
10時。
だからどうしたって話よね、実際。
別に10時だからどうこう、って事も何も無いんだけどさ。
10時だから?
ま、いいや。
いつまで10時に拘ってるんだろうね。
10時なんて、大抵の店が開店する時間でしか無いだろうに。
毎度毎度言ってる気はするんだけどさ。
多数相手は反則だって。いや反則じゃないんだけど。
このお姉さん、サシ以外で人を相手にするの、すごーく苦手だからね。
まあそもそもサシで相手にするのも苦手だけど。
本当はズルして後ろからこっそりぶっ刺すのが大得意なんだけどね。
得意かどうかって言われると、実はそんなでもない気はするんだけど。
でも実際、得意とか以前に、そうでもしないと戦えないんだよね基本的に。
真正面から殴り合うの、好きじゃないもの。
まあしょうがないから今は半ば真正面から殴り合いしてるんだけど。
めんどいね。
対戦相手の予告あるわけだし、こっそり相手を爆破したりとか、出来ない?
出来ない。そう。
それにしてもまあ。
あっちの"私"もそう思ってたみたいだけど、随分とアウトドア派ね。
そんなに外なんか歩き回らなくても良いのに。
日焼けするよ。まして肌白いんだから。
真っ赤になるよ。たぶん。
……どうだっけ?
昔むかしの事だから、随分と記憶が曖昧なんだけど。
まだこのお姉さんが美少女だった頃は、もうちょっと健康的な肌色だった気もするんだよね。
どうだっけ。
ま、いいや。今は病人の白だよ。知ってるわ。
おっと。これは差別的用語って奴かな。
肌白いのを馬鹿にしてると肌白い人から差別主義って怒られるよ。
肌白いけど。
さてと。……目的は何だっけ。
なんかサボってるとあかーいぐちゃぐちゃになるって話を、何か聞いた覚えがあるんだよね。
めんどいしもうサボって赤ぐちゃなって終わりでも良い気はするけど。
実は何やかんや、快適だったりしてね?
少なくとも、亡霊に構わなくて済む――あるいは、亡霊を認識出来なくなるなら。
それでも良い気はするね。
でもヤだね。
こんな美人のお姉さんをあんなグチャグチャにする?
特殊な性癖の類いだと思うよ、私は。
そういうのって。
で、残念ながらそういう特殊な性癖を、特に自分自身に適用する気は無いわけ。
私はね。
だからま、しょうがないから少しは仕事でもしようかしらね。
アンジニティ? だっけ。未だ自分がどっちにいるんだか、よくわかんないけどね。
まあいいや。
仕方ないから、ちょっとは仕事しよ。

[842 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[382 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[420 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[127 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[233 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[43 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[27 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
 |
白南海 「・・・・・おや、どうしました?まだ恐怖心が拭えねぇんすか?」 |
 |
エディアン 「・・・何を澄ました顔で。窓に勧誘したの、貴方ですよね。」 |
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
落ち着きなくウロウロと歩き回っている白南海。
 |
白南海 「・・・・・・・・・あああぁぁワカァァ!! 俺これ嫌っすよぉぉ!!最初は世界を救うカッケー役割とか思ってたっすけどッ!!」 |
 |
エディアン 「わかわかわかわか・・・・・何を今更なっさけない。 そんなにワカが恋しいんです?そんなに頼もしいんです?」 |
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
ゆらりと顔を上げ、微笑を浮かべる。
 |
白南海 「それはもう!若はとんでもねぇ器の持ち主でねぇッ!!」 |
 |
エディアン 「突然元気になった・・・・・」 |
 |
白南海 「俺が頼んだラーメンに若は、若のチャーシューメンのチャーシューを1枚分けてくれたんすよッ!!」 |
 |
エディアン 「・・・・・。・・・・他には?」 |
 |
白南海 「俺が501円のを1000円で買おうとしたとき、そっと1円足してくれたんすよ!!そっとッ!!」 |
 |
エディアン 「・・・・・あとは?」 |
 |
白南海 「俺が車道側歩いてたら、そっと車道側と代わってくれたんすよ!!そっとッ!!」 |
 |
エディアン 「・・・うーん。他の、あります?」 |
 |
白南海 「俺がアイスをシングルかダブルかで悩ん――」 |
 |
エディアン 「――あー、もういいです。いいでーす。」 |
 |
白南海 「・・・お分かりいただけましたか?若の素晴らしさ。」 |
 |
エディアン 「えぇぇーとってもーーー。」 |
 |
白南海 「いやー若の話をすると気分が良くなりますァ!」 |
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
白南海 「・・・・・・・・・あああぁぁワカァァ!!!!!!」 |
 |
エディアン 「・・・あーうるさい。帰りますよ?帰りますからねー。」 |
チャットが閉じられる――