［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　　　　　　　　『英雄：2』


その球状の”何か”から身を隠すのは不可能だった。若干濡れたような肌の表面のどこで彼を感じ取っていたのかは分からないが、どの物陰にいても、それは男に向けて声をかけ続けていた。
言葉の意味が分からない男にも、何故か言葉の意味が伝わってくる。それが余計に恐怖を呼ぶ。

「才気、遣る方無しだねえ」

優しい、優しい声。穏やかに響く、初めて知る”同情”の意識。それが一体何をもってそうなのかというのがわからないので、ただ只管に怖いだけの温かさ。
耳を塞ぎながら瓦礫に男が身を隠すと、それは、荷台からガラガラと新たなゴミを山の端に落とし、再び馬車の上に戻っていく。そんな様子は男には勿論見えてもなければ分かる余地もなく、数刻後、薄暗くなった周辺の景色に紛れて様子を伺いに出て初めて、それがもう居なくなった事に気付かされたのだった。

翌日も、その翌日も、それは沢山のゴミと共に瓦礫の山へと現れた。その度に一言二言の声を男に向けてきてはいたのだが、恐怖だけしかない男はその声を全て聞き流した。

それが持ってくる新しいゴミを後から漁ると、男が今までに見たこともないような、それはそれは素晴らしいものが大量に紛れていたため、日を跨ぐにつれて彼の者の来訪は男にとって楽しみの一つとなっていったのだった。真新しいふわふわとした毛布、なんだか少し甘くて柔らかい食べ物、これまでに見たこともないピカピカに輝いた何かの道具などもあって、次第に男はそれらに夢中になり、更にはそれらを齎す存在への興味へと変わっていった。
それに、決定的にその球体の何かからは敵意を感じないのであった。ずっと優しい言葉と感情を男に向けて来る存在などそれまでに知らず、男は段々と、しかし着実に、好意的な他者に対しての筆舌に尽くしがたい何らかを抱き始めていたのである。

数週間も経った頃。半獣の男はその姿をとうとう、それの前に示した。
本当に何気ない瞬間だった。計画的にというのでも、衝動的にというのでも、どちらでもなく、ごく自然に、足が動いたような。言葉を持たない男は声をかける事も出来なかったが、その球状の何かはそんな男に対して、何も声をかける事はなく、ただ黙々とゴミを追加して荷台から下ろし。
そして最後にゆったりと、男の頭の中へと直接、いつもの温かい声で告げたのだった。

「また明日ねえ」

本当に不思議なことだが、言葉の意味は分からないのに、その意思と意味だけは毎回必ず伝わってくるのだ。

また、明日。

それを聞いた時に　―――　男は両目からぽろぽろと温いものが零れるのを初めて経験した。

明日なんてない。ただ逃げて、ただ隠れて、それでも生きていく今日という日がただ続いていく。
同じ日の繰り返しの中には他者の存在などはなく、持っているものは少しずつ失っていくだけ。
それが当たり前だった。当たり前すぎて、悲しみも無かった。絶望というのは希望を持つものしか知り得ない。だから、この初めての涙が、果たして憎しみなのか喜びなのかも、定かではないのであるが、でも男にとっては次の太陽が上るまでの時間が無限にも感じられるほどの夜となった。

夜も白み始めた頃、男は寝不足のまま瓦礫の山の前に茫然と立っていた。漫然と立っていた。あれほど警戒を是とする男が、初めて何も周囲に気を配ることなく、荒野の向こうをじっと眺めていた。
朝を過ぎ、昼となり。やがてそろそろ世界に茜差す頃、果たして、それはまたいつもと同じように、荷馬車のガラガラとした音を響かせて、やってきた。砂埃が地平の向こうに見え始めると、男はその場にしゃがみこんで、そのまま、緩やかに意識を失っていったのだった。

嘘ではなかった。本当に、”明日”があったのだ。もうそれだけで良かった。世界の全てが変わるような出来事だ。
ここまでの事を口に出して伝えようとすれば数分とかからぬほど、些細な事ばかりだが、男にとっては灰被り煤こけた風景に色彩が宿るような、歴史の転換の瞬間であり、今なお消えぬ篝火の最初の一つとなっているのである。男はここで、誰かを好きになるという原始的な感情の入り口を知ったのだから。

男が目を覚ますと、いつもと違い、それは彼の横で闇と共に在った。
その日は十日ほどぶりに星が見えている夜で、球状のそれはぼんやりと鈍く青い光を発しながら、



「本当に、今日は星がきれいだねえ、ジャン」




間違いなく男に対して、そう告げたのだった。

ぺちか(34) から 紫色のコサージュ を手渡しされました。

ぺちか(34) に ItemNo.15 β:Pollux を手渡ししました。

ぺちか(34) に ItemNo.2 真紅の外套 を送付しました。

響鳴LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
武器LV を 5 UP！（LV57⇒62、-5CP）

ぺちか(34) の持つ ItemNo.4 赤いリボン に ItemNo.5 ふわふわのわた を合成しようとしましたが、LVが足りないようです。
ぺちか(34) の持つ ItemNo.9 くまリボン に ItemNo.22 何か柔らかい物体 を合成し、駄物 に変化させました！
雫玖(210) の持つ ItemNo.4 試製武装β【炎武】 に ItemNo.9 フロックスモチーフチャーム を合成し、駄物 に変化させました！

悪意の魔女(103) により ItemNo.16 紫色のコサージュ に ItemNo.1 駄物 を付加してもらいました！
　⇒ 紫色のコサージュ／装飾：強さ108／［効果1］魔力15 ［効果2］体力10 ［効果3］－

ヴェイナス(1262) とカードを交換しました！

仮初の活力 （フィジカルブースター）


大爆発 を研究しました！（深度0⇒1）
インフェクシャスキュア を研究しました！（深度0⇒1）
インフェクシャスキュア を研究しました！（深度1⇒2）

ヒーリングソング を習得！
チェインリアクト を習得！
アクアレゾナンス を習得！
サモン：ハーピー を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ぺちか(34) は 毒鉄鉱 を入手！
悪意の魔女(103) は 轟石 を入手！
ジアン(740) は 燐灰石 を入手！
ダーシャ(1232) は 燐灰石 を入手！
ダーシャ(1232) は 毛 を入手！
ぺちか(34) は 牙 を入手！
ぺちか(34) は 毛 を入手！
ジアン(740) は 何か柔らかい物体 を入手！

▼エイド化候補（基本行動にてエイド化可能）
ぺちか(34) のもとに 夜雀 が泣きながら近づいてきます。
ぺちか(34) のもとに 長い犬 が恥ずかしそうに近づいてきます。
悪意の魔女(103) のもとに 夜雀 がゆっくりと近づいてきます。
悪意の魔女(103) のもとに ローリングタイヤ がゆっくりと近づいてきます。

ぺちか(34) がパーティから離脱しました！

悪意の魔女(103) がパーティから離脱しました！

現在のパーティから離脱しました！

ウシ区 B-2（山岳）に移動！（体調7⇒6）
ウシ区 B-3（山岳）に移動！（体調6⇒5）
ウシ区 B-4（森林）に移動！（体調5⇒4）
ウシ区 B-5（森林）に移動！（体調4⇒3）
チナミ区 B-4（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

泥被る造花(36) からパーティに勧誘されました！

『チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - ぺちか(34) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》
　　 - 泥被る造花(36) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》
　　 - Shannon(164) の選択は チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》

MISSION!!
カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》 が発生！
　　 - 泥被る造花(36) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》

［822 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［375 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［396 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［117 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［185 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　










　





チャット画面に映る、４人の姿。

　

　






　







少しの間、無音となる。

　






くんくんと匂いを嗅ぐふたり。
















　

　

　

３人の様子を遠目に眺める白南海。





　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）