［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……で、経過はどうなんだ」

　イバモールウラド内店舗の一つである《Monato Papilio》。CLOSE、という看板を入り口にかけながら──商売としてそれで良いのかという疑問がわかないではない──店主であるラグナは訪れた人物へと声をかけた。


「一時期の様な異様な高熱で寝込む、ってのは減ってきたよ。まだ完全に回復している、とは言い切れないが」


　ため息混じりに答えるのはウィルヘルムである。仕事帰りに寄った、という風体だった。夏も近く梅雨らしい気温と湿度に辟易してか、上着を脱いで受付兼待合室にある適当な椅子へと腰掛ける姿には、わかりやすく疲労感がこびりついている。


「あんなぬいぐるみで正直どうなるものかと思ってたんだが……本当に上手くいくもんなんだな」

「それに関しては俺も同意だよ」


　天井を仰ぎつつぼやくウィルヘルムへと、ラグナもまた苦い笑みで返した。ついでに、茶など差し出してやる。


「てっきり何らかの特殊な術具なり魔導具なりを預かるものだと思っていたらぬいぐるみ……だからな。あの店主は変わり者だと理解はしていたが、流石に想定外ではあった」

「同感だよ。でもまあ、実際、効果は確かだから恐ろしいものさ」


　差し出された茶──冷えた麦茶だった──を受け取り口をつけながら、肩を竦めるウィルヘルム。
　その口調こそ軽いものだが、眼差しは真面目そのものであった。





　クリスが『マーネ』と名付けたあの竜のぬいぐるみと過ごすようになって、一週間以上が経つ。その間の経過観察は、仕事がある中でもウィルヘルムが変わらず行っていた。何せ、家主のイマでは魔術関係の知識も技術も無いのは当然として、使い魔メランであっても猫という身体の関係上、出来ることには限界があるからだ。

　それまでのクリスは、ここ一ヶ月以上は微熱と気怠さが慢性的に続き、時折高熱になって寝込む……という症状を繰り返していた。しかし竜ぐるみを受け取った日の夜から高熱はなりを潜め、体の怠さも楽になり、微熱と平熱の中間程をいきつもどりつしている、という具合にまで改善されている。

　試しに一日、クリスや竜ぐるみの様子を魔術的な観点で観測してみると確かに何らかの力の流れが循環している事だけは判明した。その中身が何であるのかまでは流石に解析できていないが、クライカリオスの言が正しいならばそれはクリスの中で処理しきれないものを引き受けている処理の流れなのだろう。
　その流れは、同じ部屋の中に居る時ならば大体出来ていたし、特に眠っているときが顕著な様だった。クリスが寝ている分、そういった処理がやりやすいのかもしれない。そして、そういう時は熱はかなり下がって平熱程にまで落ち着くのだった。


「ちなみにあのぬいぐるみから離れてても平気なものなのかね」

「その辺りは俺も気になってて色々試してみたカンジダが、多少の距離は平気な感じだったよ。少なくとも、同じ室内にいれば効果はあるのは確認したし。……が、長時間学校とかになると心配だな……確認を頼めるか？」

「嗚呼、構わんよ。確認程度で位相を繋いで赴くのも一苦労だ。こちらで確認の上、また連絡しよう」


　じゃあ連絡先の交換を、とローブの中をゴソゴソし始めるラグナ。何らかの魔導具でも出てくるかと思いきや、出てきた最新のスマートフォンにウィルヘルムは思わず真顔になる。


「………………」

「どうした」

「いや……何だか……ものすごくシュールだな、と」

「嗚呼、意外だったか？」


　問いにウィルヘルムが頷いて返した。


「ヴィズは、全然そういった機械類を使おうとしなかったものだから」

「ははは……あの人は、こういった文明の機器の類はどうも苦手らしいからな。昔からそうなんだ」

「苦手、か。長いこと生きていれば、慣れてしまいそうな気もするんだが」


　長命な存在であるというのは知っているし、様々な環境に適応する手腕からしても機械類の克服も簡単そうに思えたのだが。正直、その点は前々から意外だったからこそ、問う。ヴィーズィーの息子だという彼は、苦笑を深めながらも答えた。


「純粋に相性が悪い……というやつさ。それだけの話でね。で、IBARINEの登録をしても？」

「嗚呼……構わない」


　多少腑に落ちないものを感じつつも連絡先を交換するウィルヘルム。スーツ姿の青年と仮面にローブ姿という占い師が、最新鋭の機械を互いに弄っている光景は傍目からしても妙におかしいものだろう。そんな事を思いつつも、席を立つ。
　汗も程よく引いたし、人心地もついた。陽も長くなってきたとはいえもう夕刻から夜へと時は移ろいかけている。そろそろ帰らねば、きっとあの子供が心配しているだろう。


「今日はそろそろ帰るよ。用も済んだしな」

「そうか。例の子によろしく」

「申し訳ないがアンタの事は話してないんだ。上手く説明できる気がしなくてね」

「それならそれでも構わんよ」


　笑う店主の声を背に、ウィルヘルムは店を後にする。
　シャラン、と涼やかなウィンドベルの音を後に残して。

ウィル(72) から 風神刀 を手渡しされました。

ハナ(1345) から 桜 を受け取りました。

変化LV を 5 UP！（LV10⇒15、-5CP）
装飾LV を 5 UP！（LV60⇒65、-5CP）

ウィル(72) により ItemNo.3 不思議な装飾 に ItemNo.5 紫蝶の御守 を合成してもらい、駄物 に変化させました！
　⇒ 駄物／素材：強さ10／［武器］攻撃10(LV50)［防具］活力10(LV50)［装飾］体力10(LV50)／特殊アイテム

ItemNo.1 頭蓋骨 から装飾『古の御守』を作製しました！
　⇒ 古の御守／装飾：強さ187／［効果1］体力20 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.13 桜 から装飾『桜色の組紐』を作製しました！
　⇒ 桜色の組紐／装飾：強さ187／［効果1］舞護15 ［効果2］－ ［効果3］－

ウィル(72) の持つ ItemNo.4 頭蓋骨 から装飾『Bone Cantera』を作製しました！

カゲ(443) とカードを交換しました！

闇の化身：守護 （サモン：サーヴァント）


クリエイト：モンスター を研究しました！（深度0⇒1）
クリエイト：モンスター を研究しました！（深度1⇒2）
クリエイト：モンスター を研究しました！（深度2⇒3）

アブソーブ を習得！
ミラージュ を習得！
ハオマ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

クリス(62) は 浮草 を入手！
ウィル(72) は 黒い貝 を入手！
ウィル(72) は ねばねば を入手！
ウィル(72) は 不思議な雫 を入手！
ウィル(72) は 魔石の欠片 を入手！

ウィル(72) に移動を委ねました。

カミセイ区 S-11（沼地）に移動！（体調6⇒5）
カミセイ区 S-12（道路）に移動！（体調5⇒4）
カミセイ区 S-13（チェックポイント）に移動！（体調4⇒3）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

『カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - らび(713) の選択は カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》

MISSION!!
カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》 が発生！
　　 - クリス(62) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》
　　 - ウィル(72) が経由した カミセイ区 S-13：チェックポイント《鰻屋》

［822 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［375 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［396 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［117 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［185 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　










　





チャット画面に映る、４人の姿。

　

　






　







少しの間、無音となる。

　






くんくんと匂いを嗅ぐふたり。
















　

　

　

３人の様子を遠目に眺める白南海。





　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）