
──やっぱり
僕たち、遊ばれてるんだよ。
ねえ。
聞いたかな。
聞こえたかな。
君にも。
みいんな、きっと、驚いたろうね。
流行りの話題て奴だよねえ。
だって、こうして僕も、そうだもの。
ワールドスワップ。
そう言った。
あっちの世界とこっちの世界。
両方側からひっくり返して
頼んでないのに、望んでないのに。
勝手、勝手にかき混ぜられて。
向こうの世界が手に入るって
ロバにニンジン下げるみたいにさ。
今の世界が崩れてゆくって
囃して煽ってからかうみたいにさ。
そうして、煽って、炊きつけて。
互いに傷つけ踏みつけて、奪って生こうとするように。
そんなふうにして言っていた。
だけど、正直。興味なくって。
迷惑だなあてそう言う風にさ。
そう言う風に、想っていたら。
戦わなければ崩れてゆくって。
今度はそうして言うんだものさあ。
つまりさ
つまりね
それっていうのは
どうにか
どうにか
どうにかしてさ
ここに居るもの、全員、みんな。
そうして、醜く、争わせたいんだ。
そうして、眺めて、笑ってるんだ。
きっと。きっとね。きっとそう。
誰かにそうして、遊ばれている。
……嫌だなあ。
なんだか本当に、あの時みたい。
嫌だなあ。
嫌だなあ……。
──ねえ。
ねえ。
君はさ、君は。どう思う。
きっと、君もさ、嫌だよね。
僕も同じ。おんなじなんだ。
争うなんて、ばかみたいって。
そうして君も、思うよねえ。
ねえ。
どろどろ、ぐちゃぐちゃ、体が崩れて
もしも、ここから帰れなかったら
君はさ。君は、どう思う。
僕はね、なんだか、どうでもないや。
君の形が崩れて行く事。
それはね、確かに悲しいよ。
悲しい、けどさ。
君とそれでも一緒なら
そうして残されその後もここに、もしもだあれも居なくなるなら。
ほんのちょっぴり
ほんのちょっぴり、だけれどさ。
それは、それで、それでも
だけど良いかなって、想ってしまうんだ。
だって
君が。君さえいてくれたなら。
君と僕だけ一緒なら
僕はね、それで、何にも要らないんだからさあ。
けどね。
もしかしてだよ。ひょっとしてだよ。
そうして、そうして、ひとつだけ。
ひとつ、ひとつ、ひとつだけ。
どうしても。どうしても、どうしても、どうしても。
凍えてしまいそうなほどにひとつきり。
焦がれてしまいそうなほどひとつきり。
考えるだけも、嫌な事があるんだ。
唯一、とっても、怖い事。
とっても、とっても、怖い事。
もしか。もしかそうして、ああなって。
もしか。もしかそうして、その時に。
もしか。
君とはぐれてしまう事だけ、僕は怖いよ。
……怖いよ。
怖い。怖いんだ。
悲しくて、寂しくて、不安で。震えてしまいそうなほど。
僕は、それだけ、たまらなくって怖いんだ。
……あぁ、あ。
はあ。
嫌だなあ。とっても。厭だなあ。
ワールドスワップ。
そう言った。
ねえ。だけど
それじゃあ、僕たちどうしようっか。
君はさ、君は。どう思う。
僕って弱虫だって思うかな。
……ふふ。
ごめんね。またさ
不安になっちゃった。
やっぱり、僕って
弱虫だよねえ。
ねえ。
君も、そうと想って笑うんでしょう。
……瀧本……。

[816 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[370 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[367 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[104 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[147 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・」 |
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
チャット画面にふたりの姿が映る。
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・」 |
 |
白南海 「・・・怖いだろうがよ。」 |
 |
エディアン 「・・・勘弁してくれませんか。」 |
 |
白南海 「ナレハテってあの!アレだろォッ!!?ドッロドロしてんじゃねーっすか!! なんすかあれキッモいのッ!!うげぇぇぇぇうげえええぇぇぇ!!!!!!」 |
 |
エディアン 「私だって嫌ですよあんなの・・・・・ ・・・え、案内役って影響力どういう扱いに・・・??私達は関係ないですよね・・・????」 |
 |
白南海 「あんたアンジニティならそーゆーの平気じゃねーんすか? 何かアンジニティってそういう、変な、キモいの多いんじゃ?」 |
 |
エディアン 「こんな麗しき乙女を前に、ド偏見を撒き散らさないでくれます? 貴方こそ、アレな業界の人間なら似たようなの見慣れてるでしょうに。」 |
 |
白南海 「あいにくウチはキレイなお仕事しかしてないもんで。えぇ、本当にキレイなもんで。」 |
ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。
 |
白南海 「・・・っつーか、あれ本当にドライバーのオヤジっすか?何か雰囲気違くねぇ・・・??」 |
 |
エディアン 「まぁ別の何か、でしょうね。 雰囲気も言ってることも別人みたいでしたし。普通に、スワップ発動者さん?・・・うーん。」 |
ザザッ――
チャットに雑音が混じる・・・
 |
エディアン 「・・・・・?なんでしょう、何か変な雑音が。」 |
ザザッ――
 |
白南海 「ただの故障じゃねーっすか。」 |
ザザッ――
 |
声 「――・・・レーション、ヒノデコーポレーション。 襲撃に・・・・・・・・いる・・・ 大量・・・・・こ・・・・・・死体・・・・・・ゾ・・・・・・」 |
 |
声 「・・・・・ゾンビだッ!!!!助け――」 |
ザザッ――
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・・」 |
 |
白南海 「ホラーはぁぁ――ッ!!!!
やぁぁめろォォ―――ッ!!!!」 |
 |
エディアン 「勘弁してください勘弁してくださいマジ勘弁してください。 ホラーはプレイしないんですコメ付き実況でしか見れないんですやめてください。」 |
チャットが閉じられる――