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レスター 「………………」 |
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“ ” 「……ねえ。今は、あなたが纏め役なんだから。 何か言わないと締まらないよ」 |
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レスター 「……手加減の仕方は知らんが、死んだ相手なら殺す心配もない。 そちらも殺す気で来い。以上」 |
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“ ” 「……えっと。みんな、がんばってね」 |
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祐善 「えっと……うん、がんばろうね」 |
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祐善 「…………」 |
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祐善 「……殺す気でくるのは、やめてね?」 |
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怨霊 高国藤久 「全員揃ってるな」 |
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怨霊 高国藤久 「よーっし。じゃあ、始めるか。演習! ……けど、改めて。凄い組み合わせだな。 この戦争は協力が要だ。手は抜いてくれんなよ」 |
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怨霊 高国藤久 「死んだ人間ひとり倒せなきゃ、あの街の人間は倒せねえ。 全力で行くぜ」 |

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杉乃 遼馬 「……………負けるわけにはいかなくてな」 |
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雛菊 「もう、ふたりとも」 |
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雛菊 「……人数が変わっちゃうと、 普段の動きとはちょっと違ってくるとは思うけど」 |
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雛菊 「互いを知る大切な機会だもの。 よろしくね、みんな」 |
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刀を抜いて、鞘を放る。 対岸に立つ面々はいずれも知らぬ顔ではない。 再戦を除けば、見知った相手と戦うのは今回が初めてだ。 |
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刃を向ける前に、少しだけ思索に耽る。 もし、これから先あの街で出会った人間と敵として相見える事があれば。自分はどうするべきか? 決まっている。殺すのだ。 彼らが望む人間はここにいないと。全て幻に過ぎないのだと、差し伸べられる手を切り払い名を呼ぶ声を否定する。 きっとそうするべきなのだ。 |
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——たかが演習とはいえ、刃を向ける相手が少年達であった事に少し安堵した。 もしも、『彼女』が対岸にいたならば。自分はきっと刃を向けるのを躊躇ったはずだから。 |
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怨霊 高国藤久 「さあ、よーいどんだ」 |
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セーラー服の襟がひらめいていた。 黒いシャツから覗く首筋に滲む汗。 着物に赤黒い染みが広がっていた。 |
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紫色の髪の毛が揺らいだ。 緑色のマントが翻った。 |
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——いつだって、後ろ姿ばかりだ。 |
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ゆっくりと、歩を進める。 踏みしめるように歩かないと、足が震えてしまいそうだったから。 |
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高国藤久と、雛菊と、杉乃遼馬の正面に。 タタリガミに、背中を見せて。 会津仁弥か、あるいはアイネがやってくるのを待ちながら。 |
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少女は、そこに立った。 |
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「……よろしくね、レスターくん」 |


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雛菊 「華組、ふぁいとー」 |
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怨霊 高国藤久 「……ありがと」 |
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レスター 「全力で行くぞ。どうせ死にはしないのだろう?」 |
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怨霊 高国藤久 「良い一手じゃん。さすが。 ──けど、あと一歩……だ!」 |
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レスター 「…………」 |
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怨霊 高国藤久 「教えてくれよ。 お前らの戦争のやりかたを!」 |

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雛菊 「怪我はしないようにね?」 |
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怨霊 高国藤久 「……ありがと」 |
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怨霊 高国藤久 「まずは一発! 容赦はしねえぜ、避けてみろよ!」 |
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祐善 「……痛いのは、ちょっと」 |
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怨霊 高国藤久 「あっ……! くそッ、避けんじゃねえ!」 |

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雛菊 「ふふ。ふたりが楽しそうで良かった」 |
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怨霊 高国藤久 「……まあ、助かったよ」 |
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“ ” 「お願い、アイネ」 |
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アイネ 「出番か?いいぜ、やってやらァ」 |
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怨霊 高国藤久 「まずは一発! 容赦はしねえぜ、避けてみろよ!」 |

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雛菊 「怪我はしないようにね?」 |
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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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レスター 「…………」 |
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杉乃 遼馬 「狙いが甘い」 |
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レスター 「…………」 |
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怨霊 高国藤久 「──あッは。こっからが”全力”だ!」 |
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祐善 「…………」 |

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祐善 「聞こえてる、よ」 |
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杉乃 遼馬 「これくらいは反応してくる、か」 |
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祐善 「聞こえてる、よ」 |
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怨霊 高国藤久 「あっ……! くそッ、避けんじゃねえ!」 |
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祐善 「痛く、するよ」 |

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雛菊 「さん」 |
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レスター 「二発目だ。耐えられるか?」 |
| 杉乃のカード発動! |
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怨霊 高国藤久 「くそ、すぐに追いついてやる!」 |
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祐善 「痛く、するよ」 |


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祐善 「聞こえてる、よ」 |
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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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怨霊 高国藤久 「まだまだヒト並だな」 |
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杉乃 遼馬 「くそ、次は当てる」 |
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雛菊 「にぃ」 |
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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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レスター 「…………」 |
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怨霊 高国藤久 「おれに合わせろ、人間!」 |

| レスターのカード発動! |
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怨霊 高国藤久 「あッは! もう一回……。 ──海の底に叩き落としてやる!」 |

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怨霊 高国藤久 「お前の動き、良かったぜ」 |
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怨霊 高国藤久 「教えてくれよ。 お前らの戦争のやりかたを!」 |

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“ ” 「ありがとう。 ……お姉ちゃん」 |
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祐善 「こう、かな」 |
| レスターのカード発動! |
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“ ” 「無理しちゃだめ。下がらないと」 |
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レスター 「…………」 |
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祐善 「……お疲れさま。休んでて」 |
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アイネ 「オレより先にぶっ倒れてんじゃねえよ。ったく……」 |


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雛菊 「いち」 |
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雛菊 「ぜろ。ふふ、いっくよー?」 |

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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
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怨霊 高国藤久 「よく狙って……」 |

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祐善 「痛くない、痛くない……」 |

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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
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怨霊 高国藤久 「ちっ、流石ってワケか……!」 |
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祐善 「……痛いのは、ちょっと」 |
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杉乃 遼馬 「………全力で行くんじゃなかったのか?」 |
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怨霊 高国藤久 「ちッ。次は当てる!」 |
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祐善 「……まだ、動けるよ」 |

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杉乃 遼馬 「………ッ無茶を言う、なッ!」 |

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杉乃 遼馬 「狙いが甘い」 |
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アイネ 「一丁前にやるじゃねえか……」 |
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…… 水音が 響く |

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祐善 「…………」 |
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祐善 「……まだ、動けるよ」 |

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雛菊 「痛いの痛いのとんでけー」 |
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雛菊 「なんてね」 |
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怨霊 高国藤久 「あッは。ここだぜ」 動かぬ心臓を指差す。 |
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アイネ 「一丁前にやるじゃねえか……」 |
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怨霊 高国藤久 「よく狙って……」 |

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祐善 「痛くない、痛くない……」 |


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雛菊 「ふふ。頑張ってるね」 |
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杉乃 遼馬 「……惜しいな」 |
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アイネ 「一丁前にやるじゃねえか……」 |
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怨霊 高国藤久 「くそ、すぐに追いついてやる!」 |
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祐善 「…………」 |

| 杉乃のカード発動! |
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『もも』 「優しいのは子供だから」 |

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杉乃 遼馬 「………ッ」 |
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アイネ 「おいおい、空気読めっての」 |
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怨霊 高国藤久 「やるじゃん。そのまま突き刺してみろよ、あは」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
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怨霊 高国藤久 「よく狙って……」 |

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…… 水音が 響く |

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怨霊 高国藤久 「お前の動き、良かったぜ」 |
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怨霊 高国藤久 「教えてくれよ。 お前らの戦争のやりかたを!」 |
| 『高国藤久』のカード発動! |
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リク 「 掃除屋はこの窓から、敵と貴方を見据えている。 そして、掃除屋の後ろには掃除のおばちゃんが窓を掃除できなくて怒っているところだ。」 |
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祐善 「……ね、もう、痛くない。……ほら、きっと、」 |
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祐善 「『だいじょうぶ』」 |
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祐善 「……まだ、動けるよ」 |
| 祐善のカード発動! |
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* 何処からか歌声が聴こえてくる。 * |
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祐善 「……まだ、動けるよ」 |

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杉乃 遼馬 「……惜しいな」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
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怨霊 高国藤久 「くそ、すぐに追いついてやる!」 |
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祐善 「…………」 |
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怨霊 高国藤久 「良い一手じゃん。さすが。 ──けど、あと一歩……だ!」 |
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祐善 「……次は、当てるから」 |

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雛菊 「痛いの痛いのとんでけー」 |
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雛菊 「なんてね」 |
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怨霊 高国藤久 「いや、あはは。 何か、改めてこうされると、変な感じだな」 |
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杉乃 遼馬 「狙いが甘い」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
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…… だれかの足音が 聴こえる |

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怨霊 高国藤久 「痛かったか? ごめんな」 |
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祐善 「痛くない、痛くない……」 |
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祐善 「……降参、していい?」 |
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アイネ 「オレより先にぶっ倒れてんじゃねえよ。ったく……」 |

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雛菊 「痛いの痛いのとんでけー」 |
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雛菊 「なんてね」 |
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怨霊 高国藤久 「いや、あはは。 何か、改めてこうされると、変な感じだな」 |
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怨霊 高国藤久 「良い一手じゃん。さすが。 ──けど、あと一歩……だ!」 |
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アイネ 「一丁前にやるじゃねえか……」 |
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怨霊 高国藤久 「まずッ、……!」 咄嗟に後退する。 |


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怨霊 高国藤久 「良い一手じゃん。さすが。 ──けど、あと一歩……だ!」 |
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アイネ 「一丁前にやるじゃねえか……」 |
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…… 幾重にも重なる声が ささやく |


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雛菊 「ふふ。頑張ってるね」 |
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怨霊 高国藤久 「……まあ、助かったよ」 |
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怨霊 高国藤久 「良い一手じゃん。さすが。 ──けど、あと一歩……だ!」 |
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アイネ 「ふぅん。今のを避けるたぁたいしたもんだな」 |
![]() |
…… 幾重にも重なる声が ささやく |

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怨霊 高国藤久 「教えてくれよ。 お前らの戦争のやりかたを!」 |
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怨霊 高国藤久 「お前の動き、良かったぜ」 |
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アイネ 「この辺で終わりか。しょうがねえ、先に休んでるぜ」 |
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0 1 0 0 0 9 |
火 水 風 地 光 闇 |
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0 2 0 0 0 4 |
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怨霊 高国藤久 「──よっしゃ! 今回はおれ達の勝ちか!」 肩の力を抜く。 普段隣に並び立つものと戦うのは、 実力が分かっている分恐ろしい。 |
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怨霊 高国藤久 前線に立つ生者に視線を寄せた。 「……ふん。やっぱ結構やるじゃねえか、お前。 まあ、でも。ジャッジは雛菊次第だからな!」 演習開始前に話した、罰ゲームの件である。 勝手に審判役にしていた! |
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杉乃 遼馬 「………さて、吠え面かくのはどっちだろうな?」 額を伝う汗を拭い、勝鬨を上げる青年を見遣った。 |
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雛菊 「ふふ、任せて。 そうくるかなー? って思って、ちゃんと数えていたの。 結果発表は、また後でね?」 |
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雛菊 「みんなもお疲れ様。 たまには、こういうのも楽しくて良いね」 |
