
……まぁ、結論。
ハザマでの変化はなかったんだけど。
かのんと、それからかのんの知り合いらしい人たちと一緒に
ハザマとかいう世界を歩き回って、何時間か経った。
それでもやっぱり、あたしはあたしのままだ。
自分がアンジニティとかいう側じゃないことには、正直安心した。
それを、本来の日常にいる自分に伝えることができないのが、もどかしいけれど。
でも、じゃあ、さ。
日に日に強くなるこの記憶は…?
この感覚は、何?
あたしの中にいるのは、いったい誰なの?
『―――』
声がする。
自分の声とは別の、声。
『あの子はますみくん。
可愛いけど男の子なんだよ。ゲームが得意で、色々な種類持ってるの。
一緒に遊んだ時は楽しかったなぁ』
『あっちは、つぼみちゃん。笑顔が可愛い素敵な女の子だよ。
霞月にお泊りした時は、つぼみちゃんのお部屋で寝たっけ。また遊びに行きたいなぁ』
『あのちょっと怖そうな人はファビリア先輩。運動神経がすごいんだ。
裏表がなくていい人だから、あんまり苦手に思わないでね』
……うるさいな。
思わず黙って、と声に出しそうになり、慌ててポケットに手を突っ込んだ。
…が、最近そこに入れてあるはずの薬は、当たり前だけど今ここにはない。
「……はぁ」
ここのところ、ずっとこの調子だ。
ひとりで考え事をしているとよくこうなるが、
こちら側では常時こんな感じで正直精神的にキツい。
……………
………
…
「せんせい……あたし、なおらないの?」
不安に揺れるあたしの瞳は、きっと青白い色をしているのだろう。
ちら、と顔色を窺おうとして、慌てて視線を下げた。
異能の制御が出来ていない今、目を合わせることは危険だ。
精神科の先生は、あたしの異能の暴発防止のためにサングラスをしている。
けれど絶対安全とはいえない。
だから視線は床に落としたままで、じぃっと先生の反応を待つ。
「きっとよくなるよ。ほら、少しずつだけど薬の量も減ってる。大丈夫さ」
先生が優しく頭を撫でた。
「きみの力は、今は少しコントロールが難しくなっているんだ。
嫌だな、とか怖いな、とか…ネガティブな感情をずっと持ってしまっていると、
その感情をどこかに吐き出したくて力が出てしまうのかもしれないね」
楽しいことを考えてごらん、と先生は言う。
楽しいこと…楽しいこと…と考えて、昨日読んだ漫画の話をした。
先生は全然知らない漫画の話をとても楽しそうに聞いてくれて、
あたしはいつの間にか不安な気持ちがどこかへいってしまうのだ。
そうして瞳の色が元に戻ったころ、薬をもらって帰る。
処方された薬は、いつもの精神安定剤。抗うつ剤、ともいうらしい。
とにかく、心を落ち着ける為の薬だ。
「残念ながら、飲めば治るというものでもない。
でも不安で怖くて仕方がなくなった時は、これを飲めば落ち着くはずだ」
…
………
……………
「姉さん、大丈夫?」
かのんの声にハッと顔を上げる。
「大、丈夫…」
へにゃり、と無理やりな笑顔を作った。
弟の前で不安そうな顔をするもんじゃない。
あたしが、頑張らないと。
薬が無くても――
「あれ…、姉さん…それ……」
え?
目と目が合いそうになって、慌てて視線を逸らす弟を見て。
自分が今、どういう状態なのか解ってしまった。
時空LV を
5 UP!(LV15⇒
20、-5CP)
合成LV を
5 UP!(LV45⇒
50、-5CP)
ItemNo.9 何か柔らかい物体 に
ItemNo.10 何か柔らかい物体 を合成し、
駄物 に変化させました!
⇒ 駄物/素材:強さ10/[武器]攻撃10(LV50)[防具]活力10(LV50)[装飾]体力10(LV50)
ItemNo.15 花びら に
ItemNo.17 花びら を合成し、
駄物 に変化させました!
⇒ 駄物/素材:強さ10/[武器]攻撃10(LV50)[防具]活力10(LV50)[装飾]体力10(LV50)
ItemNo.18 皮 に
ItemNo.19 皮 を合成し、
黒い塊 に変化させました!
⇒ 黒い塊/素材:強さ20/[武器]疫病10(LV20)[防具]耐闇10(LV20)[装飾]放衰10(LV10)
つぼみ(901) により
ItemNo.20 皮 から装飾『
紺色のカチューシャ』を作製してもらいました!
⇒ 紺色のカチューシャ/装飾:強さ90/[効果1]舞祝15 [効果2]- [効果3]-
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つぼみ 「なんとなくどこかで見たようなもの作っちゃったな…ま、いいか。はいどうぞ!」 |
ファビリア(982) により
ItemNo.16 羽 から射程1の武器『
羽剣』を作製してもらいました!
⇒ 羽剣/武器:強さ60/[効果1]風撃10 [効果2]- [効果3]-【射程1】
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ファビリア 「よく分かんねえけど強そうなのできたぞ」 |
ウチモ(315) とカードを交換しました!
海賊くずれの船
(ハードブレイク)
ショックウェイブ を習得!
衝撃波 を習得!
超絶合成 を習得!
◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!

[770 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[336 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[145 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[31 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
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白南海 「うんうん、順調じゃねーっすか。 あとやっぱうるせーのは居ねぇほうが断然いいっすね。」 |
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白南海 「いいから早くこれ終わって若に会いたいっすねぇまったく。 もう世界がどうなろうと一緒に歩んでいきやしょうワカァァ――」 |
カオリ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、橙色の着物の少女。
カグハと瓜二つの顔をしている。
カグハ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、桃色の着物の少女。
カオリと瓜二つの顔をしている。
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カグハ 「・・・わ、変なひとだ。」 |
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カオリ 「ちぃーっす!!」 |
チャット画面に映し出されるふたり。
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白南海 「――ん、んんッ・・・・・ ・・・なんすか。 お前らは・・・あぁ、梅楽園の団子むすめっこか。」 |
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カオリ 「チャットにいたからお邪魔してみようかなって!ごあいさつ!!」 |
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カグハ 「ちぃーっす。」 |
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白南海 「勝手に人の部屋に入るもんじゃねぇぞ、ガキンチョ。」 |
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カオリ 「勝手って、みんなに発信してるじゃんこのチャット。」 |
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カグハ 「・・・寂しがりや?」 |
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白南海 「・・・そ、操作ミスってたのか。クソ。・・・クソ。」 |
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白南海 「そういや、お前らは・・・・・ロストじゃねぇんよなぁ?」 |
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カグハ 「違うよー。」 |
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カオリ 「私はイバラシティ生まれのイバラシティ育ち!」 |
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白南海 「・・・・・は?なんだこっち側かよ。 だったらアンジニティ側に団子渡すなっての。イバラシティがどうなってもいいのか?」 |
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カオリ 「あ、・・・・・んー、・・・それがそれが。カグハちゃんは、アンジニティ側なの。」 |
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カグハ 「・・・・・」 |
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白南海 「なんだそりゃ。ガキのくせに、破滅願望でもあんのか?」 |
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カグハ 「・・・・・その・・・」 |
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カオリ 「うーあーやめやめ!帰ろうカグハちゃん!!」 |
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カオリ 「とにかく私たちは能力を使ってお団子を作ることにしたの! ロストのことは偶然そうなっただけだしっ!!」 |
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カグハ 「・・・カオリちゃん、やっぱり私――」 |
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カオリ 「そ、それじゃーね!バイビーン!!」 |
チャットから消えるふたり。
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白南海 「・・・・・ま、別にいいんすけどね。事情はそれぞれ、あるわな。」 |
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白南海 「でも何も、あんな子供を巻き込むことぁねぇだろ。なぁ主催者さんよ・・・」 |
チャットが閉じられる――