［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「ね〜エリちゃん。エリちゃんエリちゃんエリちゃんエリちゃん」

「……」

　正午過ぎ、とある大型ショッピングモールのフードコート。神実はふりと金糸エリは、机を挟んで向かい合って座っていた。
行き交う人々の喧騒に負けないように、身体を思い切り机の上へ乗り出し、友人の名を連呼するはふり。
呼ばれている側のエリといえば、そんな先輩などどこ吹く風という涼しげな様子で、新品のスマートフォンを操作している。

「エリちゃんエリちゃん。寂しいんですけど〜ねえ〜エリちゃん〜」

「……いい加減喧しいですよ、先輩。誰のスマホの設定をしてると思ってるんですか」

　そう言いつつ、エリははふりの顔面へと手に持っていたスマートフォンを押し付ける。
はふりは『おうっ』とすっとんきょうな声をひとつ上げてから、それを両手で受け取った。
それから、見慣れた壁紙のホーム画面が表示されたのを見て、感動の表情を浮かべる。

「ありがとう〜〜〜〜エリちゃん！！ さすが！！ 天才美少女！！
いや〜もうこれは命の恩人と言っても過言ではないですなあ〜」

「はいはい。ま、ほとんどのデータは移せたはずだから、そう違和感無く使えるんじゃないかしら。
……というか、早いところお昼ご飯に手をつけましょ。冷めてしまうと美味しくないわ」

　そう言いつつ、エリは紙おしぼりで手を拭き、目の前のハンバーガーとポテトに『いただきます』と頭を下げる。
それに倣うようにして、はふりもスマホを机の上に置くと、手を合わせてナゲットをつまみ始めた。

「いや〜、私の用事にばっかり付き合わせてて悪いね、エリちゃん。
別に寄りたい場所があったら言ってくれてもいいんだぜ〜？」

「ん、まあ……今回は先輩の付き添いだもの。何なら先輩のスマホ変えようって言い出したのは私だから。
それに春から大学なんだから、なにかと入用なのは先輩のほうなんじゃないかしら？」

「……ねえエリちゃん、絶対ダメな男とかに捕まったらいけないからね。先輩との約束だぞ」

「何が」

「別に〜」

　そんなことを言いつつ、サイドメニューのポテトに手を伸ばしたはふりだったが。
ふと、それを一本つまんだまま、何かをじいっと考え込んで。それから、『あっ』と。

「買いたいもの、思いだしちゃった」

「あら。何かしら。上着とか？」

　視線を空中に泳がせ、今日はふりが買ったものを順に思い出すエリ。
しかしはふりはそれに首を振ると、つまんでいたポテトを口許へと持っていって。

「煙草」

「……。は？」

　戯けた様子の先輩を見て、エリは彼女が言ったことが全く理解できないという表情を浮かべる。
それから、こほん、とひとつ咳払いをして。じとりとした視線を向けながら、口を開いた。

「何割本気で言ってるか知りませんけれど。煙草は二十歳になってから、といいますよ、先輩」

「え〜！？ 私の地元じゃ中学生とかでももう吸ってる人いたんだけど……？
ほらもう私春から大学生だし？ ちょっと新しいこと試してみてもいいかなみたいな〜？」

　何故か反論をしてきた先輩に、『こいつ本気で言っているのか』という驚きを見せるエリ。
それから一度首を振って、実にめんどくさそうに口許へと手をやった。

「地元は地元、他の人は他の人です。捨て置いてください。吸ってたら通報しますよ」

「何さ〜〜〜。エリちゃんのケチんぼ！！ いいじゃんちょっとくらい！！ 若気の至りでしょ〜？」

「それは現在進行形で若い人間が使う言葉ではないので……。
そもそも私はあなたの保護者では無いんですけど……？」

「ママ〜〜〜〜〜買って買って〜〜〜〜〜〜〜」

「死んで下さい」

　ギャーギャーと騒ぐはふりと、実に冷たい表情をしながらそれを眺めるエリ。
女子高生と元女子高生のやり合いなど、フードコートに居る誰も気に留めることはなかった。

……ちなみにその日は結局、エリがはふりにココアシガレットを奢って宥めすかしたのだとか。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「んっ、……けほ、っ。ごほ……。うえ」

　ハザマの片隅。異形やアンジニティ人の襲撃が無さそうなことを確認し、かぎから少し離れたはふりは。
ひとり初めての煙草に火を点けてみて、案の定というべきか、すぐさま煙にむせて咳をしていた。

　あの時のショッピングモールでは、法律だとか、二人とも子供だから売ってもらえないだとか、そんな話をしたけれど。
ハザマでは何のことはない、法律なんて誰も気にしないし、落ちていたコートに煙草とライターが入っていることだってある。
せっかくだから『向こう』の私の興味に従って吸ってみようと、思い立ったはいいものの。

「……これは……っ、頭痛薬の代わりには、ならなさそうだね」

　いつか喫煙者に聞いた、『吸うと頭がスッキリする』という言葉。ひとまず額面通りに受け取れば、頭痛にも効きそうなものだが。
どうやら自分にとってはそのような薬効はないらしいと、まさしく苦々しい笑みを浮かべながら、はふりは煙を吐く煙草を見つめていた。

　そういえば。そんな話をしたということは、もうイバラシティにいるはふりは大学生なのだと、彼女は改めて理解する。
大学に通って、新しい友達ができて。そういう記憶も頭の中にはあるのだけれど、どうにも積極的に掘り起こそうという気にはならない。

　なぜなら、ここにいる『私』は、あの日のハレ高に通う女子高生の神実はふりであって。
たとえば、煙草を吸ってみても、大学生になった自分のことをつぶさに思い出してみても。
私は、どれだけ時間が経っても、大人になんてなれっこないのだから。

「……いいや。気にしたって仕方ない」

　吐き捨てると、はふりは地面へ煙草を落とし、それから靴で踏みつけて、燃えていたかすかな火を絶やした。
それから、一度パーカーの袖口で目尻に浮かんでいた涙を拭くと、その場に背を向け、行動を共にする彼のもとへ歩むのだった。

かぎ(170) から 藍鉄鉱 を手渡しされました。

かぎ(170) に ItemNo.6 平石 を送付しました。
かぎ(170) に ItemNo.8 ねばねば を送付しました。

かぎ(170) から 牙 を受け取りました。

かぎ(170) から 爪 を受け取りました。

魔術LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）
具現LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

時空LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
制約LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
装飾LV を 5 UP！（LV45⇒50、-5CP）

ItemNo.12 藍鉄鉱 から装飾『白眼視』を作製しました！
　⇒ 白眼視／装飾：強さ120／［効果1］舞凍15 ［効果2］－ ［効果3］－


かぎ(170) により ItemNo.11 たけのこ から料理『炊き込みごはん』をつくってもらいました！
　⇒ 炊き込みごはん／料理：強さ120／［効果1］貫撃10 ［効果2］器用10 ［効果3］深手20

麻生田(988) とカードを交換しました！

カフェオレ （ラッシュ）


インパクト を研究しました！（深度0⇒1）
インパクト を研究しました！（深度1⇒2）
インパクト を研究しました！（深度2⇒3）

ウィンドカッター を習得！
アサルト を習得！
エアブレイド を習得！
デアデビル を習得！
キュアブリーズ を習得！
アイシング を習得！
幸星 を習得！
タッチダウンライズ を習得！
キャプチャートラップ を習得！
アゲンスト を習得！
ペナルティ を習得！
パリィ を習得！
スピアトラップ を習得！
コールドイミッター を習得！
エナジーウォール を習得！
インパクト を習得！
アドバースウィンド を習得！
ジャックポット を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

はふり(42) は 石英 を入手！
かぎ(170) は 雑木 を入手！
はふり(42) は 毛 を入手！
はふり(42) は 羽 を入手！

ヒノデ区 F-10（道路）に移動！（体調20⇒19）
ヒノデ区 G-10（道路）に移動！（体調19⇒18）
ヒノデ区 H-10（道路）に移動！（体調18⇒17）
ヒノデ区 I-10（沼地）に移動！（体調17⇒16）
ヒノデ区 J-10（沼地）に移動！（体調16⇒15）

［770 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［336 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［145 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［31 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　








チャット画面に映し出されるふたり。

　










　

　

　











　







チャットから消えるふたり。

　

　

　





チャットが閉じられる――