［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　僕は、村の祈祷師の家に生まれました。
　父と、母と、双子の妹。それが僕の家族でした。
　家の者は全員が神子、あるいは巫女になります。僕達も例外ではなく、僕は神子に、妹は巫女になりました。
　僕と妹は双子でしたが、あまり似ていないようでした。そして、僕達には決定的な違いがありました。
　父と母は黒髪で、妹も漆黒の髪をしていましたが、僕は生まれつき白髪でした。
　そのせいでしょうか。僕は幼い頃より、人から避けられる存在でした。
　あからさまな虐待は受けませんでしたが、冷遇されていたのは感じていました。「忌み子」「祟り子」などと、大人の人達が陰で云っていたのを覚えています。
　妹は将来を有望視されていて、舞や祈祷の練習に、日々の修行にと大忙しでした。
　僕はというと、殆ど表には出されず、神子の修行もあまりさせてもらえず。妹の舞に添える琴にだけ、熱心な指導が入りました。
　将来、家を継ぐのは妹なのだろうなと、子供ながらに確信していました。異質な存在である僕は、大人達にとって妹の添え物でしかなかったのです。
　そんな僕に唯一優しくしてくれたのが、他ならぬ妹でした。
　彼女は祈祷の仕方や舞などを、こっそりと教えてくれました。村の人々から貰ったお菓子を分けてくれたこともありました。
　大人達に期待され、村人から慕われ、僕のような存在にすら優しくしてくれる妹は、きっと立派な巫女になるのだと思いました。

　月日は流れ、僕達が十五歳になった年。
　村では不作が続き、飢饉寸前にまで追い込まれました。
　村の生活を支えているのは、山でした。村人は、薬草や山菜などの山の幸や、山に棲む獣を捕って生活していました。
　その山の恵みがぱたりと途絶えてしまったのだと、村の長は嘆いていました。
　こういった事態に陥る事は、村の歴史の中で何度もあったようです。
　不作になるのは、何らかの事情で山に住まう鬼が怒っているからだと言い伝えられていました。村では昔から、山を畏れ、鬼を恐れていました。
　鬼は山に瘴気を撒き、無害な草花を毒草に変え、川を氾濫させたり地滑りを起こしたりと、村に災いを齎すのです。
　鬼を怒らせることは、村の滅亡を意味していました。ですから、鬼の怒りを鎮めるための儀式が必要でした。
　儀式の内容は、鬼へ生贄を差し出し、怒りを鎮めてくれるようにお願いするものでした。
　この村では災厄に見舞われる度に、生贄を払って凌ぐのです。昔から、綿連と受け継がれてきた方法でした。
　生贄に選ばれるのは、多くの場合若者でした。鬼が娶る、或は食べるならば若い方が喜ばれるだろう、という考えからです。
　今回は、祈祷師の子という事もあり、僕達双子に白羽の矢が立ちました。
　父から「お前達のどちらが生贄になるか、よく話し合いなさい」と云われた時、僕は驚きませんでした。そうなるだろうなと予想できていたからです。
　そして、生贄は僕に決まるであろうことも。
　話し合いなさいと云ったのは、「僕が自分の意思で生贄になったのだ」という事実が欲しかったからでしょう。見殺しの免罪符として。
　僕は碌に話すことも無く、生贄になると言いました。「忌むべき厄介者が、自ら生贄となり村を救う」。それが村の総意であるからです。
　薄々勘付いていたのでしょう妹は、とても悲しい目をしていました。

　儀式はその日の夜に開かれました。
　禊ぎの後に白装束を纏った僕は、両親と妹を含めた数人の祈祷師達に連れられ、山に入りました。
　手に持つ神楽鈴が、歩調に合わせてしゃん、しゃん、と鳴りました。
　山の中腹まで進むと、紅い鳥居が見えました。鳥居から奥は鬼の領域とされ、村人が立ち入る事は固く禁じられていました。
　鳥居の前で、僕を送る葬列は止まりました。ここからは、一人で行かねばなりません。
　悲しくないわけではありませんでした。怖くないわけではありませんでした。それでも、僕は振り返る事も、声を出すこともせず、鳥居をくぐりました。
　獣道を進みながら、前だけを見ていました。先の見えない真っ暗な木々の中を、ひたすらに歩き続けました。静かすぎて、寒くて、時間の感覚が曖昧になりました。
　夜の静寂の中に、自分の呼吸音と、足音と、鈴の音だけが響いていました。
　歴代の生贄となった人達は、どんな思いでこの道を歩いたのだろう。自分と同じように覚悟していたのか、それとも逃げ出したくて仕方なかったのか。そんな事をまるで他人事のように、ぼんやり考えました。
　
　鳥居をくぐってから、どれ程経ったのでしょうか。暗い世界に木漏れ日が差し込み始め、僕は少し開けた場所に辿り着きました。
　小さな広場になっているそこには霞が漂い、周囲に桜の木が沢山生えていました。広場の真ん中には、小屋の様な大きさの祠がありました。
　嗚呼、辿り着いたんだ――と思った刹那。祠の格子扉に、白く細い何かが引っかかっているのに気付きました。
　それは、指でした。指は扉の格子を握り、無数のお札が貼られたそれを押し開いてきました。
　鬼だ。そう直感しました。
　祠の扉がゆっくりと開かれ、恐ろしく尖った爪をした手が、その主が出てくるのを、僕は瞬きもできずに凝視しました。体は金縛りに遭ったかのように動きませんでした。
　心臓が早鐘を打ち、鈴を握った手が小刻みに震えました。生贄に選ばれた時よりも、暗い山道を歩いていた時よりも、ずっと強い恐怖を覚えました。
　扉が完全に開かれた瞬間、かつてない程の悪寒が僕を襲いました。出てこないでくれと、心が叫んでいました。
　そして、鬼は僕の前にその姿を現しました。



いつものように赤い空の世界。
急に語り出した文人を、メサジェは怪訝そうな顔で見た。


すっと工具を取り出す。愉快そうな笑みを貼りつけて。


ハザマの空に、暫し作業音が響き渡った……。

百薬LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）
武器LV を 5 UP！（LV15⇒20、-5CP）

アガスティア(830) の持つ ItemNo.8 石英 から射程1の武器『乖離せし光』を作製しました！

アガスティア(830) により ItemNo.17 羽 から法衣『白妙桜の幻想』を作製してもらいました！
　⇒ 白妙桜の幻想／法衣：強さ20／［効果1］風柳10 ［効果2］－ ［効果3］幸運6

雄一(427) により ItemNo.5 魔女のフライパン に ItemNo.6 雑木 を付加してもらいました！
　⇒ 魔女のフライパン／武器：強さ15／［効果1］回復10 ［効果2］回復10 ［効果3］－【射程3】／特殊アイテム

メリル/ミノリ(107) とカードを交換しました！

白黒の朝の身だしなみ （クライオセラピー）


リザレクション を研究しました！（深度0⇒1）
リザレクション を研究しました！（深度1⇒2）
リザレクション を研究しました！（深度2⇒3）

インフェクシャスキュア を習得！
美酒佳肴 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

文人(346) は 桜 を入手！
雄一(427) は 古雑誌 を入手！
アガスティア(830) は 桜 を入手！
雄一(427) は 不思議な食材 を入手！
アガスティア(830) は 不思議な牙 を入手！
アガスティア(830) は 皮 を入手！

チナミ区 J-20（道路）に移動！（体調11⇒10）
カミセイ区 J-1（道路）に移動！（体調10⇒9）
カミセイ区 J-2（道路）に移動！（体調9⇒8）
カミセイ区 J-3（道路）に移動！（体調8⇒7）
カミセイ区 J-4（草原）に移動！（体調7⇒6）

［770 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［336 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［145 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［31 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　








チャット画面に映し出されるふたり。

　










　

　

　











　







チャットから消えるふたり。

　

　

　





チャットが閉じられる――