
焼け野の鴉
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オオキタ終わってる連盟
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紫明 「芽吹け、芽吹け、芽吹いたなら伸びろ、伸びたなら蕾つけて、 さっさと咲いて散りやがれ」 |

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遠目には、周囲と変わりない建造物があった。電柱。看板。標識。街灯。ミラー。人影。 1つは歪に組み合わさって。 1つは液体から再生成されるように。 それらは……気づかれない内に、"敵"を取り囲んだ。 |
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見ている。 見ている。 見ている。見ている。 見ている。見ている。見ている。 街中が、入り込んだ"異物"を見ている。 街中が、それを排除しようとしている。 |
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その街は生きている。その街は街ではない。 あらゆる街を取り込んで自身の一部へと変えた、生物兵器だ。 |

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チカギ 「イバラシティの皆さーん、無価値で無意味で無駄に頑張ってますかー」 |

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早乙女ちえり 「あ、……他に誰か、いる?」 |
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早乙女ちえり 「え、ええっと……はじめましてっ!あの、早乙女ちえりです!パパみませんでしたかっ?あと、れっくん──十日夜レキくんとかっ!幼馴染なんです!」 |
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早乙女ちえり 「よかった、ずっとここにきてから不安で…」 |
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早乙女ちえり 「……?」 |
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早乙女ちえり 「あ、あの、どうしてそんな目で見てるんですか……?みんなも、どうして……」 |

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ソーラー 「……此度、オレたちと相対するのは。 お前たちか」 |
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ソーラー 「来るなら来い。 来ないなら、来なくていい…… 引き返すのも、また一つの手だろうな。」 |
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ソーラー 「なぜかって? それはな、お前たちが……」 |
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ソーラー 「オレたちに勝てる保証なんて、 どこにもないからだッ!!」 |

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クロウ 「見逃しちゃくれんか?ダメか?ダメだよなァ……。」 |
マゼンタ色の棘が突き出し、分かれ、青年の腕を切り開く。 |
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――深呼吸をする。それだけでいい。 |
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麻生田 「譲歩と妥協ができないのなら、排除します」 |
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麻生田 「もちろん、そちらも容赦しなくて結構です」 |
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麻生田 「気にする必要はありません」 |
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麻生田 「取るか取られるか……そんなこと、 状況が違えばイバラシティ同士だって起こりうることですから」 |
体内の泡立つ音が漏れ出す。 |



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ぽたり ぽたり |

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裂かれた左腕から血が香る。きらきらと舞うようにひかりがこぼれる。 |

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この力は、早乙女ちえりの為にあって、早乙女ちえりの為にあるものではない。 |

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指先から漏れる光が強くなるごとに、その赤も流れて落ちていく。その名前は、 |



| 棗 「ひどい、こと、したくない、けど」 |
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ソーラー 「当たれッ」 |
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カンカンカンカンカンカンカン |
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早乙女ちえり 「うう……」 |

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クロウ 「おっとスマン助かるぜ。危うく死ぬトコだった!」 |
| 棗 「ごめん、なさい。少し、わけて、ください」 |
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ソーラー 「よし、まだいけるッ!」 |
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ソーラー 「踏み込むッ」 |
| 棗 「やめて、ください」 |
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見ている。見ている。見ている。 見ている。見ている。見ている。 見ている。あなた達が何をするのかを、じっと。 |
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早乙女ちえり 「うう……」 |

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クロウ 「おっとスマン助かるぜ。危うく死ぬトコだった!」 |
| 棗 「いっぱい、かけ、ます。 びっくり、しないで、ください、ね」 |
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早乙女ちえり 「みんなにひどいことしないで!」 |
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ソーラー 「当たれッ」 |
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チカギ 「オラオラ。」 |
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カンカンカンカンカンカンカン |
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早乙女ちえり 「うう……」 |
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早乙女ちえり 「あ、い、嫌だぁっ……!!」 |
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早乙女ちえり 「あ、い、嫌だぁっ……!!」 |
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ソーラー 「!?!?!? ピ、ガ ゴゴ、ッ オレが…… オマエ達に、負ける……!?」 |
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クロウ 「ゴホッ……!スマン、一旦退かせてもらう……!」 |

| チカギのカード発動! |
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百香 「大丈夫ですか?」 |
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カンカンカンカンカンカンカン |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |

| 棗 「これで、マシに、なる、はず、です」 |
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チカギ 「よいせっと。」 |
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チカギ 「あ!避けんじゃねえぞ!」 |
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カンカンカンカンカンカンカン |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |

| 椿鬼のカード発動! |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |

| 棗 「ケガ、治し、ます」 |
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カンカンカンカンカンカンカン |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |

| 棗 「ケガ、治し、ます」 |
| 棗 「ごめん、なさい。少し、わけて、ください」 |
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チカギ 「よいせっと。」 |
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『こら!勝手に入っちゃダメって言ったのに、あんたは……』 人の姿はどこにもない。スピーカーから声が流れている。 |
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早乙女ちえり 「泣いてちゃダメだ……立ち止まっちゃダメなんだ……」 |


| 棗 「ケガ、治し、ます」 |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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鉄線が切り裂くように飛び出す。 |
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『おかえり!』 |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |
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早乙女ちえり 「ごめんなさいっ、ごめんなさい!!」 |
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早乙女ちえり 「あ、い、嫌だぁっ……!!」 |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 1 0 0 0 |
0 0 1 3 0 1 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 2 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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紫明 「こんなとこで邪魔されるわけにはいかねぇのよ、俺も」 |
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「おはようございます。本日は燃えるゴミの収集日です。ごみは朝8時までに出してください」 |
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突き立ったスピーカーからぶつ切りの、合成したような音声が流れた直後、 溶けるようにスピーカーが消える。 周囲の建物も、いくつかが同じように『収納』されたのち、 |
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半端に人の形をした"中心"が、建物を引き連れながら移動を始めた。 |
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チカギ 「アーンジ アンジ 高収入〜」 |
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早乙女ちえり 「……、……。」 |
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彼女の足元から、鉄錆が濃く香った。 |
