［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

　伊柳俊也は日々悩んでいた。ため息をつき、人のいない本屋で小説を開いては閉じ、開いては閉じ。

　己の中に眠る前世の記憶、それが彼の悩みの種であった。目を瞑り、記憶が映すのはいずれも凄惨たる光景。古めかしい和鎧を身にまとった人間が、物言わぬ『なにか』にただただ切り伏せられていく。勇敢に立ち向かう正面、恐れ逃げていく背中。必死に馬上から号令を出す将、慌てて弾を込める歩兵。老若も貴賤も無意味、すべてが平等に薙がれてゆく。

　カウンターで頬杖をつき、のんびりと表の通りを眺める。いつの間にやら下校の時間だ、学生が数人店の前を横切っていく。賑やかな声に一瞬顔が綻ぶ。だが、その次の瞬間には、もう一度ため息をついていた。

　その『なにか』こそが、自らの前世であった。その記憶はどこのものだかいつのものだか、正確にはわからなかったが、それだけははっきりとわかった。ありありと、手に握った刀の感覚が伝わる。一人を横凪ぎにし、二人を切っ先で突き。迫る銃弾を煩わしげに切り払い、射手を叩き伏せ、三人。苦しみもがく兵に、刀を突きさす。一度、地に伏せる兵と染む血潮を眺める。口元に浮かんだのは、陰惨とした愉楽の笑みだった。四人、不意を突こうとした者を片手間に捩じ伏せる。事切れたのを確認し、再びのんびりと、散歩でもするように戦場を闊歩する。

　店のシャッターを閉じようと、立ち上がる。記憶の中の自分が、否定しようもないほどに笑っていたのを思い出す。人を切って、笑っていたのだ。

　伊柳は恐れた。かつての自分をではない。今存在している己もまた、あの凄惨たる光景を楽しんでいた、という事実を恐れたのだ。あの光景を恐ろしいと思えず、続きが見たい、続きをこの手で、などと考えてしまう己を、恐れたのである。

　がらがらとシャッターが降りる。学生の頃からずっとこうだった。ずっと人を切りたいと思っていた。親にも相談できなかった。この歳になっても治らなかった。治るどころか、欲求は増すばかりだった。でも、人は切ってはいけない。そう教えられているからだ。そう決められているからだ。決まりを破れば、罰が待っている。親にも友達にも、迷惑がかかる。そんなことは駄目だ、恐ろしいことだ。

　つくづくかつての自分が羨ましかった。戦場なら人を切っても罰せられない。親にも友達にもきっと、迷惑がかからない。本当に、羨ましかった。


　一度でいい。戦場に立てる、人を切れる機会がほしかった。だが、それも叶わず自分は死んでいくのだろう。本当に、口惜しい。


　ピシャリ、と店のシャッターが閉まった。もう一度、深くため息をついた。

特に何もしませんでした。

武術LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
具現LV を 5 UP！（LV0⇒5、-5CP）
使役LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）

わこ(341) とカードを交換しました！

働け野郎ドモ （ヒール）


ストライク を習得！
クリエイト：タライ を習得！
サステイン を習得！
クリエイト：シールド を習得！
ヴィジランス を習得！
アシスト を習得！
魅惑 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

伊柳(1089) は 不思議な食材 を入手！

次元タクシーに乗り チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》 に転送されました！


チナミ区 E-6（道路）に移動！（体調30⇒29）
チナミ区 E-7（道路）に移動！（体調29⇒28）
チナミ区 E-8（道路）に移動！（体調28⇒27）
チナミ区 E-9（草原）に移動！（体調27⇒26）
チナミ区 D-9（草原）に移動！（体調26⇒25）

採集はできませんでした。
　　 - 伊柳(1089) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》（ベースキャンプ外のため無効）

―― ハザマ時間が紡がれる。

　





チャットで時間が伝えられる。





エディアンの前に１台のタクシーが止まり、窓が開く。






帽子を少し頭から離し、ほんのちょっと頭を下げる。






窓が閉められ、タクシーが走り去っていく。





エディアンからのチャットが閉じられる――