テリア 「今日もしっかり鍛錬を行うのですよ?」 |
テリア 「前回、あんな日記を見てしまいましたからね。 続きは嫌でも気になるというものです。」 |
8月1日 今は綺麗な姫様の顔を眺めながら茫然と玉座に座っている……どこから書くとしようか。 まずは結論から書かせていただこう。 今しがた、『魔王』の討伐が終わった。 ……おそらくは全世界の魔物はまた消滅したことだろう。 『魔王』は相応には強かったが、手の内は過去の魔王とそう大差はなく余裕をもって倒せたともいえる。 今際の際に『魔王』はこう呟いた。 『……魔王とは、魔の者の手にかかって命を落とした者の中から最も世界に絶望した者が次期魔王として復活します』 その言葉が、今の不可解な状況のすべてを説明していた。 『魔王に意思はあれど、その侵略行動を止めることはできません。 ゆえに、一人の犠牲者を出す前に存在を示し……勇者様に討たれる必要がありました』 各地の魔物の出現だけの報告、魔王城の護衛の不在、世界のどこかにいるであろう私の存在……すべては計算の上のことだった。 『さて、見事に勇者様は魔王を倒すことができました。 次の魔王も、おそらくは二度と出現することはないでしょう』 魔王というシステムそのものの破綻、魔物の存在が断絶した先にある人間の未来はどうなってしまうのか、そんなことが頭を過ぎる。 『勇者様、魔王の亡きこの世界の未来を――』 彼女の最期の言葉が脳内に反響している。 人間の、真の平和の為に何をすべきなのか。 まだ私は討伐の報告に戻るわけにはいかない、この魔王の城でやらねばならない。 |
テリア 「…………。」 |
8月8日 一週間ほどかけて熟慮した結果、一つの結論に至った。 人は外圧がなければ平和と欲望に溺れて淀み始める、ならば魔王に代わる人類への脅威が必要であると。 同時に人類を絶滅にまで追いやる存在であってはならない、自然災害のように定期的に脅威をもたらす……そのような存在を用意しなければならない。 つくづく、過去の歴代魔王の手腕には驚かされるばかりだ。 それらを理解していた元人間だからこそ、絶望してもなお人間を滅ぼすという選択はしなかったのだろう。 |
8月13日 近隣の村へ、勇者が魔王と相対して討ち死にした噂を流させた。 これでしばらくは世界の均衡は保たれるだろう。 これにより、私という存在は人間の認識からは消滅したことになる。 新たな勇者が現れるのか、それとも? |
テリア 「ほう。」 |
8月22日 根城にしていた魔王城を探索した結果、最初の魔王との交戦で命を落とした仲間を遺品が入った宝物庫を発見した。 満身創痍で呆然自失だった私は遺品の回収まで頭が回らなかったのだろう。 姫様……いや、最後の『魔王』がこれらを保管したに違いない。 もしかすると、最初に訪れた時に宝物庫に入っていた装備は――。 |
テリア 「…………。」 |
9月4日 盗賊が愛用していた『悪魔の鍵』 魔法使いが愛用していた『神蛇の腕輪』 狩人が相棒の魔鳥を入れていた『ミスリルの籠』 僧侶が愛用していた『世界樹の杖』 姫様が最期まで着用していた『儀礼用のドレス』 そして、私が幽閉されていた塔で制作した『子供のドール』 愛用品は城にあった遺品であり、この人形は勇者として村を発つ前に魔物の襲撃で命を落とした幼馴染を模して作ったたものだ。 これを作った当初は、悲しみを紛らわせるために作ったものだったが……まさか役立つときがきてしまうとは、人生はわからないものだ。 これらと魔王城の書斎にあった古代書の知識を用いて、世界をコントロールする存在を創造する。 二度と人間同士による無益な戦乱が起きないように、二度と魔王に堕ちる絶望した存在が出ないように、勇者であった私自身が朽ちても永久にこの世界に君臨できるように。 |
テリア 「これは……。」 |
10月30日 このドールは全域に魔物を配置することはできないが、魔王のように疑似的に魔物を呼び出し使役することはできるようになった。 これにより、『魔王』が存在しているかのように不定期に散発的な襲撃を起こすことができる。 時折、勇者と名乗るものが魔王城に近づくことがあるがそれらは私が物理的に排除している。 ……これでは魔王の側近だな、私は。 いずれは私を突破する存在が現れると思うが、そのころにはこのドールの運用が完全なものになっていることだろう。 この城の知識を活用することで、決して倒されず……そして、程々に人類の脅威となる『オート魔王』が生まれることになる。 |
11月17日 まずいことになった。 人間側が知識を総動員して『魔王を世界から追放する』計画を立てていることが分かった。 これまで何度か『側近』の私を多勢に無勢で退けてドールが襲撃されている。 しかしながら、勇者であった私の全ての力と魔王城にある知識を総動員させた圧倒的力で追い返している。 だが、それが仇となった。 強すぎる力は正攻法から邪道へと思考が切り替わることになるのだと。 |
テリア 「……!」 |
12月1日 連合軍の精鋭達が城を取り囲んでいる。 残念ながらドールに逃げるという動作は含まれておらず、この城からは動かすことが『私』でもできない。 しかし、いくらなんでも人間側の動きが早すぎる。 魔王の時はあんなにも勇者の出現を祈るばかりだったものを。 ……魔王というシステムの枷が外れて、人間側も変化が起きたとでもいうのだろうか? これから私は時間を稼ぐことにするが、おそらくは私も異世界に放逐されて突破されてしまうだろう。 もし異世界でこのドールを発見した者がいるのであれば、それは私の……そして、私の世界で起きたことが原因である。 これまでの経緯を綴ったこの日記帳を籠の底に隠しておくことにする。 そして、ここまで読まれているということは……きっとそういうことなのだろう。 異世界の者よ、物騒なドールを寄越してしまうことを許してほしい。 全てはこの私の世界を、失った者たちを、愛した結果なのだと。 |
テリア 「私は…………。」 |
テリア 「そう、ですか。」 |
テリア 「ま、私には関係のないことですね。」 |
テリア 「オート魔王としての役目はアンジニティに追放された時点で役目を終えたのでしょう?」 |
テリア 「このドールに意識が宿ったのはイバラシティの仮初の身体(鏡坂 てりあ)が原因でしょう、だからこそこのこの意識は私のもの。 自由にさせてもらいますよ。」 |
テリア 「元の世界がどうなったかなど私の知るところでもなく、私がどうこうできることでもありませんからね。 せいぜい争い合って勝手に滅びていると良いでしょう。」 |
テリア 「……元の世界から否定されて存在意義と場所を失ったのであれば、自らの力で新たな地を奪いとらなくてはなりません。」 |
テリア 「さ、障害を排除しましょう。」 |
テリア 「楽しかったですよ、それなりには。」 |
彷徨う者共
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立ちはだかるもの
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榊 「……時計台に呼ばれてしまいましたが、はてさて。」 |
エディアン 「なーんか、嫌な予感がします。」 |
エディアン 「ほら……ほらぁ……。」 |
榊 「どういうことでしょうねぇ。」 |
声 「――お疲れ様です御二方。役目を担ってくれて、感謝してます。」 |
エディアン 「……ワールドスワップの能力者さんですよね。 機会を与えてくれて、感謝していますよ?」 |
榊 「お姿は拝めないんですかねぇ。私は興味津々桃色片想いなのですが。」 |
声 「どうやらこのワールドスワップ、時計の進みが狂っているようです。 特殊な因子を含めてしまった為と能力が訴えます。その因子が――」 |
声 「――榊さん、貴方のようですね。何か、心当たりは?」 |
榊 「大いにございます!特殊な世界の住人ゆえ、私は今や特異な存在なのでしょう。 妻に『貴方は変人』とよく言われていましたが、そういうことでしたか!納得ですッ」 |
榊 「では、役目を果たすのは難しいということでよろしいですか?」 |
声 「……………………」 |
榊 「……? ……どうしました?」 |
声 「……仕切り直し、世界線を変更する、と能力が言ってきます。 貴方が案内役にならない世界線。イバラシティも、アンジニティも、新たなものになる……と。」 |
エディアン 「……そ、そんなことまでできてしまう能力? ワールドスワップという名の範疇を超えてません?」 |
榊 「世界線を別のものと交換する……と考えるなら、ギリギリ……ですかね。 というか、スワップから外れた現象は既に起こっていますが。」 |
声 「これは能力ではなく、……呪い。呪いという言葉が合う。 今まで勝手に発動した数度、自分への利はない。制御下にない、把握できない、呪い。」 |
声 「……………………」 |
声 「ハザマへの次の転送時間に、ハザマに転送される代わりに、世界線が変更される。 そして、案内役も、転送対象も、変わる。」 |
声 「変わるものは、多いだろう。しかし変わらぬものも、あるだろう。」 |
エディアン 「別の世界線、ですものね。 ……どうせなら私がアンジニティにいない世界線がいいんですけど。」 |
榊 「……なるほど、奇妙な枝の正体は世界線操作者でしたかッ! 少なくとも私が案内役となれない世界線になるのですね、残念です。」 |
声 「……………………」 |
声 「連絡は終わり。さようなら。」 |
榊 「さて…… とても短い間ではありましたが、 エディアンさん、皆様、お付き合いありがとうございました!」 |
エディアン 「お別れですか。悪人顔っぽくて敵視しやすい相手だったんですけどねー。」 |
榊 「こんな素敵な笑顔を悪人顔呼ばわりとは、失礼な娘さんです。 なるほどアンジニティにいらっしゃるわけですねぇ。」 |
エディアン 「……うるっさいですね。事情は人それぞれあるんですよ、色々!」 |
榊 「……それでは、」 |
エディアン 「……それでは、」 |
榊 「お疲れ様でした。」 |
エディアン 「お疲れ様でしたー!」 |
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No | アイテム名 | 種類 | 強さ | 効果1 | 効果2 | 効果3 | (素材・食材・消耗の場合は詳細等) |
1 | 不思議な武器 | 武器 | 10 | - | - | - | 【射程1】 |
2 | 不思議な防具 | 防具 | 10 | - | - | - | |
3 | 不思議な装飾 | 装飾 | 10 | - | - | - | |
4 | 蛇牙 | 武器 | 30 | 攻撃10 | - | - | 【射程1】 |
5 | 不思議な石 | 素材 | 10 | [武器]回復10(LV5)[防具]敏捷10(LV5)[装飾]幸運10(LV5) | |||
6 | 腐木 | 素材 | 15 | [武器]腐食15(LV25)[防具]反腐15(LV30)[装飾]舞腐15(LV30) | |||
7 | たけのこ | 食材 | 20 | [効果1]反撃10(LV15)[効果2]風柳10(LV25)[効果3]復活20(LV35) | |||
8 | 命の檻 | 武器 | 30 | 活力10 | - | - | 【射程3】 |
9 | たぶんまるいもの | 料理 | 42 | 防御10 | 治癒10 | 攻撃10 | |
10 | ド根性雑草 | 素材 | 15 | [武器]火纏10(LV25)[防具]鎮痛10(LV15)[装飾]復活10(LV15) | |||
11 | 毛 | 素材 | 10 | [武器]束縛10(LV25)[防具]加速10(LV25)[装飾]敏捷10(LV10) | |||
12 | 花びら | 素材 | 10 | [武器]地纏10(LV25)[防具]回復10(LV10)[装飾]祝福10(LV20) | |||
13 | ボロ布 | 素材 | 10 | [武器]衰弱10(LV20)[防具]体力10(LV5)[装飾]防御10(LV15) | |||
14 | 爪 | 素材 | 15 | [武器]器用10(LV5)[防具]反撃10(LV15)[装飾]反射10(LV25) | |||
15 | 毛 | 素材 | 10 | [武器]束縛10(LV25)[防具]加速10(LV25)[装飾]敏捷10(LV10) |
名称 | LV | 説明 |
命術 | 10 | 生命/復元/水 |
制約 | 10 | 拘束/罠/リスク |
使役 | 15 | エイド/援護 |
合成 | 35 | 合成に影響 |
被研究 | スキル名/元スキル | LV | EP | SP | 説明 |
ブレイク | 6 | 0 | 20 | 敵:攻撃 | |
ピンポイント | 6 | 0 | 20 | 敵:痛撃 | |
クイック | 6 | 0 | 20 | 敵2:攻撃 | |
ブラスト | 5 | 0 | 20 | 敵全:攻撃 | |
ヒール | 6 | 0 | 20 | 味傷:HP増 | |
アクアヒール | 6 | 0 | 40 | 味傷:HP増+炎上・麻痺防御 | |
リストリクト | 6 | 0 | 60 | 敵:DX・AG減(2T) | |
ラッシュ | 6 | 0 | 60 | 味全:連続増 | |
アイシング | 5 | 0 | 50 | 味傷:HP増&強制凍結 | |
ライフリンク | 5 | 0 | 30 | エ傷:HP増&自:HP減 | |
ラテントパワー | 6 | 0 | 60 | 味傷:守護+重傷ならAT・DX増(1T) | |
キャプチャー | 5 | 0 | 70 | 自:束縛LV増 | |
ブレッシングレイン | 5 | 0 | 150 | 味全:HP増+祝福 | |
カプリシャスナイト | 6 | 0 | 60 | 敵:痛撃&護衛 |
被研究 | スキル名/元スキル | LV | EP | SP | 説明 |
攻撃 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:AT増 | |
防御 | 6 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:DF増 | |
器用 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:DX増 | |
敏捷 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:AG増 | |
回復 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:HL増 | |
活力 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:MHP増 | |
体力 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:MSP増 | |
治癒 | 6 | 5 | 0 | 【自分行動前】自:HP増 | |
鎮痛 | 5 | 5 | 0 | 【被攻撃命中後】自:HP増 | |
幸運 | 5 | 5 | 0 | 【戦闘開始時】自:LK増 | |
水特性回復 | 5 | 2 | 0 | 【戦闘開始時】自:水属性スキルのHP増効果に水特性が影響 | |
魅惑 | 5 | 5 | 0 | 【常時】異能『使役』のLVに応じて、戦闘勝利時に敵をエイドにできる確率が上昇 | |
背水の陣 | 5 | 4 | 0 | 【戦闘開始時】自:現在HP割合が低いほど被攻撃ダメージが下がるようになる |
被研究 | カード名/スキル | EP | SP | 説明 |
いのち (ヒール) |
0 | 20 | 味傷:HP増 | |
氷雪 (アイスバインド) |
0 | 80 | 敵:水撃&凍結 | |
昂る! (エキサイト) |
0 | 40 | 敵:攻撃+自:AT増(1T) | |
ちくわぶ (エナジードレイン) |
0 | 160 | 敵:闇撃&DF奪取 | |
強打 (ブレイク) |
0 | 20 | 敵:攻撃 | |
Attack (アキュラシィ) |
0 | 80 | 自:連続減+敵:精確攻撃 |
[深度]スキル名 | [深度]スキル名 | [深度]スキル名 |
[ 1 ]ビブラート | [ 1 ]ヒールポーション | [ 1 ]アキュラシィ |
[ 1 ]ブラックアサルト | [ 1 ]イレイザー | [ 1 ]パワフルヒール |
[ 1 ]サモン:ウルフ | [ 1 ]マジックミサイル | [ 1 ]サモン:ゴーレム |
[ 1 ]イバラ | [ 1 ]サモン:レッサーデーモン | [ 1 ]サモン:ナレハテ |
[ 1 ]サモン:セイレーン | [ 1 ]サモン:ガーゴイル | [ 1 ]ハイポーション |