相良伊橋高校2-4所属。部活には未所属だが、興味はあるようで、見学してみようかなと思っているようだ。
できれば、自分が迷惑にならないようなところでと。
能力は【触れた物質の耐久力を損耗させる】ものだが、コントロールがド下手なのかたまに暴発させてはこんな能力いらない、と嘆いている。
ちなみに生物と自身の着用しているものは対象外。手に持っているものはアウト。着用しているものまで対象だったら間違いなくもっと悲惨なことになっていた。
能力で壊れる可能性があるため能力の緩衝材目的のハンカチを大量に持ち歩いている。他にも、大切なものの予備は常に持ち歩くようにしているのと、椅子の破壊などによる転落などがあることから見た目の割には少しだけ力持ちで打たれ強く、受け身などには慣れている。
かけている眼鏡は伊達で、度は入っていない。
眼鏡をかけているのは別にファッションでもなんでもなく、落ち着くからという理由であり、落ち着くゆえに能力の暴発も少なくなるのだとか。
それゆえに彼女は眼鏡の予備も結構持っている。
性格的には割と大人しく常識的。不機嫌そうにしているように見られることこそ多いが、実際はそんなことは一切なかったりする。
以上がイバラシティ内の仮の彼女であり、本当の彼女のことは以下に記す。
性格面などの内面においてはほぼ変化は見られないが、外見においては目が赤く変化している。
能力【不具合(バグ)】を扱う。扱うと言っても彼女自身の意思で発動することはできないという恐ろしいほどに不安定な力。
その能力とは、【範囲内の自身以外のあらゆる物質、生物、能力に何らかの不具合を生じさせる】というもので、どういった不具合がどこにどの程度のレベルで発生するのか、全てが不確定要素になっている。
その能力は戦闘面では確かに強力だが、不安定すぎる故に実生活面では彼女を大いに苦しめている。
この能力のせいで、家族はみんな死んだ。友人も、みんな死んだ。大きな事故が起きたことだってある、それに巻き込まれかけて死にそうな目にあったことだって何度もある。
――おまけに、この能力のせいでこんな世界にまで押し込められる羽目になってしまったのだから。
イバラシティの時と同じく着用しているものは対象外なのは、救いではある。何故ならば、気休めではあるが能力の制御装置となるような装飾品を後付けで装着できたのだから。――そう、眼鏡である。
ある研究者が作成した、能力の抑制機構を備えたその眼鏡は、少しだが彼女の負担を和らげてくれた。
しかし、今回のハザマでの戦いにおいて彼女はそれを外すことを選択した。
侵略する相手が死んでしまったとしてもかまわない。絶対に勝ちたいと。
元の世界に戻ることで、あの平穏な日々を取り戻せるかもしれない。この忌まわしい能力にも何か変化があるかもしれない。
故に藁にもすがる思いで彼女は全力で戦うのだ。
――ちなみにイバラシティでの彼女の能力のダウングレード版が耐久力の損耗という物質を朽ちさせるものになった理由は、彼女の能力の本質が、自分以外を破滅へと導くという性質のものであるからであり、それが物の命を削るという形で破滅を表す物になっているのである。