進行先にある壁も生き物も、避けずに進む。 ただ街中が、その『異物』を注視していた。 |
レッド 「ねこはいます。そこにいます。」 |
深谷 「おうおう、よくもまぁ、わらわらと湧いて来やがる」 |
清 「ここに住んでいるんでしょう。部外者はわたし達の方、仕方ないよ」 |
深谷 「つっても、こうやって押し通るんだもんなァ」 |
モコ 「それじゃあ始めましょうか」 |
少年の周りを色とりどりの厚みの無い蝶が群れ飛んでいる |
大黒猫 「にゃ・・・」 |
大黒猫 「にゃ・・・」 |
清 「かく聞こしめしては、罪と言ふ罪は在らじと、 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く……」 |
深谷 「ああ、何度聞いても良い詞だ。おれ達にゃ勿体ねェなあ」 |
清 「…………」 |
清 「勿体なかろうが何だろうが、使えるものは使うべきでしょう?」 |
深谷 「お前もたまには良い事言うな。 そうとも、悪党。お前は何だって使うべきだ」 |
大黒猫 「にゃ・・・!!」 |
大黒猫 「にゃ・・・!!」 |
レッド 「深く息を吸って~吐いて~、すぅ~~~~はぁ~~~~」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
周囲の看板が、自動販売機が、電柱が一斉に倒れ込む。 |
痛むのは何処? |
清 「さあ、始めよう。誰も、何も、わたし達の邪魔はさせない」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
レッド 「足を開いて斜め下~!いちにっ!さんしっ!」 |
モコ 「わ、びっくり」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
周囲の看板が、自動販売機が、電柱が一斉に倒れ込む。 |
痛むのは何処? |
体当たり。 |
大黒猫 「にゃにゃにゃ・・・・・」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
大黒猫 「にゃ!」 |
レッド 「さて、戦闘の前に準備運動だ!はい、大きく腕を振って~、いちにっ!さんしっ!」 |
周囲の看板が、自動販売機が、電柱が一斉に倒れ込む。 |
紙が焼けるような音がする。 |
薙ぎ払う。 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
大黒猫 「にゃにゃにゃ・・・・・」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
レッド 「深く息を吸って~吐いて~、すぅ~~~~はぁ~~~~」 |
周囲の看板が、自動販売機が、電柱が一斉に倒れ込む。 |
紙が焼けるような音がする。 |
迫る異形の体。 |
大黒猫 「にゃ!」 |
大黒猫 「にゃ!」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
レッド 「深く息を吸って~吐いて~、すぅ~~~~はぁ~~~~」 |
路面を白い線が走る。何本も、何本も、何本も、何本も、 |
理解できるのは後のことになるだろう。それは全て導火線だった。 |
紙が焼けるような音がする。 |
迫る異形の体。 |
大黒猫 「にゃ!」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
ばらばらと、千切れた紙が落ちていく。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
待ち受けるものは何? |
体当たり。 |
大黒猫 「にゃ!」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
レッド 「さて……準備運動は終わりだ!悪は全て俺の手で挫く!」 |
レッド 「さぁ……かかってこい!」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
モコ 「わ、びっくり」 |
街の動きが遅くなる。代わりに建物の一つが、高く持ち上がりーー |
痛むのは何処? |
清 「少しくらいは、助けになると思う」 |
モコ 「もう少しもちそうです」 |
大黒猫 「にゃ・・・」 |
大黒猫 「にゃ・・・」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
大黒猫 「にゃにゃ!!」 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
あらゆる滅びは意味を為さない。 |
薙ぎ払う。 |
大黒猫 「にゃぁ・・・」 |
大黒猫 「にゃぁ・・・」 |
レッド 「言っておくが俺はそう甘くはない。邪魔をするやつを全員消し飛ばしてでも、俺は!救いあげてみせると決めたっ!」 |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
黒焦げのなにかが押し寄せる。 それらから発せられるのは圧倒的な熱だ。 |
待ち受けるものは何? |
清 「少しくらいは、助けになると思う」 |
痛むのは何処? |
清 「少しくらいは、助けになると思う」 |
モコ 「もう少しもちそうです」 |
説明しよう! アンジレッドは頑張れば全体への攻撃ができるのだ!それが何かは私にもわからない! 以上だ! |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
紙が焼けるような音がする。 |
迫る異形の体。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
待ち受けるものは何? |
薙ぎ払う。 |
レッド 「クソッ、ちょろちょろしやがって!喰らいやがれッ!」 |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
モコ 「それではごきげんよう」 |
あらゆる滅びは意味を為さない。 |
清 「少しくらいは、助けになると思う」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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そこら中にあった視線が次々に消え…… |
目的地を見つけたかのように、一方向へ向けて進行を早める。 |
レッド 「理不尽に追いやられた人を助けたい、ただそれだけだ。」 |
清 「……切り抜けたみたいだね。 先に進もう。チェックポイントはもうすぐだよ」 |
モコ 「野望に一歩前進なのです」 |
少年の周りを飛んでいた蝶達は次第にその姿を薄れさせて消えていった |