Take it easy!
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通り雨
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征莉乃 仁実 「はーい、よーいスタート」 |
友谷 「侵略者め、相手に子どもがいても容赦はしないよ。」 |
遠目には、そこに人が立っているように見えただろう。 |
しかし人影の頭部、目があるはずのそこは切れ目が入ったように割れている。 割れ目に収まっているのは大きなレンズ。周囲を監視するためのものだ。 黒い街は形を得て、収まっている内のほんの一端を現す。 |
その街は生きている。その街は街ではない。そこにあるのはーー遺棄された兵器だ。 |
レッド 「俺たちは正当な扱いを要求しているだけだ!お前らになんの正義があってそれを挫く!」 |
清 「あなた達はわたしの敵。 加減はしないよ」 |
あなたがそれなりにTVや映画を、或いは子供服のカタログ等に目を通していれば、どこかで見た事のある少年の姿がそこにある |
それじゃ、よろしくお願いしますね? |
少年はそれらのメディアで目にする時と何ら変わらぬ表情で微笑んだ |
清 「かく聞こしめしては、罪と言ふ罪は在らじと、 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く……」 |
清 「――罪はここに在り。 わたしは罪人。 否定され、吹き祓われ、放逐されたまつろわぬ民」 |
深谷 「……ああ、わりぃな。長々と…… つまんなかったろ?今からちょっとは、マシな事してやっからよ」 |
深谷 「何を言ったって、やることは変わんねぇ。 いつだってそうさ。いつだって、な」 |
ひらひらと思い思いに舞っていた蝶たちが少年の肩で羽根を休めている |
レッド 「悪はこの俺の手で挫く!さぁかかってこい!」 |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
桃の実も、千引の岩も、櫛の歯も 背く願いの障にならねば |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
黒い塀の後ろに回る。 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
清 「……踏ん張りどころだよ。わたしたちは、まだ負けてない」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
黒い街の路地に隠れる。 |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
あらゆる滅びの否定。 |
清 「わたしを阻むものはなにもない。 なにものも、わたしの足を止められやしない……」 |
呼び出す声をかき消すように、突き立ったスピーカーからノイズが発される。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
あらゆる滅びの否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
やさしげな声 「ここに隠れていれば、大丈夫だからね」 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
絶のカード発動! |
焦げた塊の群れが、周囲を焼き焦がしながら迫る。 |
レッド 「ふう、ちょっと休憩するか。その辺で拾った水でも飲んで……んぐ、こ、これは……体が……熱い!」 |
レッドのカード発動! |
あらゆる滅びの否定。 |
清 「さあ、前を向いて。 なにものも、わたし達を罰することは出来ない」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「さあ、顔を上げなさい。 恐れるものは何もない筈」 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
生命のたどる運命の否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
清 「深谷、遊んでいないで真面目にやって!」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
征莉乃 仁実 「ひょいっと」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「さあ、前を向いて。 なにものも、わたし達を罰することは出来ない」 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
路上に浮き出た『止まれ』の白線の上を、有刺鉄線が走る。 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
黒い街の路地に隠れる。 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
清 「さあ、前を向いて。 なにものも、わたし達を罰することは出来ない」 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「さあ、前を向いて。 なにものも、わたし達を罰することは出来ない」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
放送 「止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。止まりなさい。」 |
放送 「お帰りはお止め下さい」 |
あらゆる滅びの否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
レッド 「クソッ、ちょろちょろしやがって!喰らいやがれッ!」 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
あらゆる滅びの否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
カン、カン、カン、カン…… |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
踏切の音が鳴り始めたあと、建物の上から…… |
エイキのカード発動! |
エルきゅん 「エルビウム☆レーザービーーーーーーーーム!!!!」 |
生命のたどる運命の否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
深谷 「妖に力を借りるたぁ気が進まねェが、ま、これも天命ってヤツだ」 |
深谷 「さあ、使わせてもらうぜ、ヒヨコちゃんよぉ!」 |
深谷のカード発動! |
ヤト 「――イイ夢、…見せてやんよ♡」 |
征莉乃 仁実のカード発動! |
黒い塀の後ろに回る。 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
踏切の音が鳴り始めたあと、建物の上から…… |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
清 「前を向きなさい」 |
清 「これなるは、志を同じくするアンジニティの力の欠片。 さあ、わたしに力を貸して」 |
深谷のカード発動! |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
モコのカード発動! |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
踏切の音が鳴り始めたあと、建物の上から…… |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
あらゆる滅びの否定。 |
清 「前を向きなさい」 |
欠けていた建物の一部が、元通り修復されていく。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
黒い街の路地に隠れる。 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「前を向きなさい」 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
しげるのカード発動! |
悪魔 「ちょっとしたマジックだ、受けとれ。」 |
カン、カン、カン、カン…… |
張り巡らされた鉄線の一部が燃え上がり、触れたものに熱を移していく。 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「前を向きなさい」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
清 「前を向きなさい」 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
道路の一部が熱を発した後、溶け落ちた。 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
清 「顔を上げなさい」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
張り巡らされた鉄線の一部が燃え上がり、触れたものに熱を移していく。 |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
清 「顔を上げなさい」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
道路の一部が熱を発した後、溶け落ちた。 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
生命のたどる運命の否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
エイキのカード発動! |
たくさんの視線が、囲むように敵をとらえている。 |
しかし中心に立っていたそれはゆっくりと後退し、自らが連れている街の中へと消える。 それを追うことを阻むように、建物や道が作り変わり…… |
やがて全ての視線が消えた。 |
歯軋り。 |
モコ 「先にお休みですか?」 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
黒い街の路地に隠れる。 |
生命のたどる運命の否定。 |
清 「……踏ん張りどころだよ。わたしたちは、まだ負けてない」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
生命のたどる運命の否定。 |
薙ぎ払う爪。 |
清 「深谷、遊んでいないで真面目にやって!」 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
無数の式神が、術者を覆い隠す。 |
天命に逆らい、滅びに逆らい、 異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
清 「……踏ん張りどころだよ。わたしたちは、まだ負けてない」 |
深谷 「へいへい、もうちょっと踏ん張りますよ」 |
深谷 「妖に力を借りるたぁ気が進まねェが、ま、これも天命ってヤツだ」 |
深谷 「さあ、使わせてもらうぜ、ヒヨコちゃんよぉ!」 |
深谷のカード発動! |
ヤト 「――イイ夢、…見せてやんよ♡」 |
征莉乃 仁実 「接近戦攻撃」 |
征莉乃 仁実のカード発動! |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
紙が焼けるような音とともに、異形の傷が塞がっていく。 |
薙ぎ払う爪。 |
黒い街の路地に隠れる。 |
彼女が膝をつくと同時、式神がただの紙へと戻る。 |
モコ 「先にお休みですか?」 |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
レッド 「そんな攻撃で俺を縛ろうってのか?」 |
モコ 「少しズレちゃいましたね」 |
モコのカード発動! |
レッド 「甘いね、見てからでも回避できる。」 |
レッド 「そら、こっちだぞ。」 |
モコ 「おやすみなさい、いい夢を」 |
しげるのカード発動! |
征莉乃 仁実 「ううむうう」 |
0 0 0 0 0 0 |
9 0 0 0 0 0 |
8 0 0 0 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
9 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 4 0 0 |
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征莉乃 仁実 「えぇ?」 |
レッド 「くそっ……理不尽に追いやられた人を助けることの何が悪いんだ……」 |
モコ 「うーん……しぶとい…… 次はもうちょっと痛くしなきゃですね」 |
そう呟いて、タブレットに何かを書き留めている |