［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　――――。

　ここは、どこだ？

　息苦しい。体が動かない。



「へえ、お前が『侵略者』ね。皮肉なもんだな」

「！」


　重油を思わせる粘り気を帯びた闇。力の入らない四肢。
　水を吸った真綿のような圧迫感……
　これらには覚えがある。もう二度とここに来ることは無いと思っていた。
　前方に煌々と灯る鬼火が降りてくる。



「イバラシティで随分楽しくやってんじゃないか。いい夢見れてるな」

「……何でここにいる？お前は」


　死んだはずだ。続く言葉が口から出ない。


「消えたはずだ、って？ああ。オレはお前と身体の所有権を争って、敗北した。
　お前は全ての力を捨てることを選び、元の世界に強引に回帰した……
　そうだな。お前の記憶じゃ、多分こうなっているはずだ」


　【影】は呟く。
　そうだ、こいつは俺に宿る力を管理していた人格。
　《日向 月都》の主人格の座をめぐって幾度となく衝突を繰り返してきた。
　最終的に俺は力を失い、【影】も消え去った。そのはずだ。


「間違っちゃあいないな。だが、根本的な部分で勘違いをしている。
　『オレたち』は切り捨てられた側なんだよ。
　本来の日向 月都は別に存在している。今も生きてられてるのかは知らんが」


「ど……どういう、ことだよ」


「まだ分かんねえか？
　月都が捨てた力は、アンジニティという世界に引き取られたのさ。吸い寄せられたと言っても良いかもしれねえけど。
　オレはこの力にこびり付いてただけ。そしてお前は、オレの記憶を元に作られた仮の人格だよ。
　しかし驚いたな、まったくもって昔のあいつそのままの性格してやがる。つくづく皮肉だな……」

「…………」

「そう睨むな。オレだってこんなことは望んじゃいなかった。
　もうオレには何の力もない。エディアンとかいう女の通告で、久々に目を覚ましたくらいだ」

　【影】の言葉には自嘲の気配があった。
　確かに以前とは決定的に変わっている部分がある。
　その声音には覇気が無い。疲弊しているのだ。
　あるのは幾重にも年月を積み重ねた、微睡みのような倦怠感だけ。


「お前……」

「身体を見てみろ。今なら分かるはずだ」


　言われて、瞼を下ろしていたことに気づく。
　異様なほどに重い。
　隙間から見えたのは――――

「…………こ、れは」

「もうオレにもこの体は動かせない。完全に『向こう側』に行ってんだ。
　終わってんだよ、何もかも。今更、やれることなんて何もねえ」


　――
　――――オオ――
　――――――――オオオオオオ。


　俺の身体は天に向かって咆哮していた。
　崖を飛び越え、触手のような腕を振るい、虚空を歪め引き裂いている。

　これが今の俺か。
　いや、こいつですらない。異形の身体の内に残った、ほんの微かな意識の灯火。
　イバラシティで過ごしていたわずかな期間の記憶。
　それだけが――


「そろそろゲームの始まりだってよ。のんびり観戦でもしておこうぜ」

ItemNo.1 不思議な武器 を使おうとしましたが、地面に叩きつけるくらいしかできませんでした。

ツキト(1125) は 不思議な食材 を入手！

時空LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
制約LV を 10 UP！（LV0⇒10、-10CP）
合成LV を 20 UP！（LV0⇒20、-20CP）

ItemNo.3 不思議な装飾 に ItemNo.4 不思議な牙 を合成し、どうでもよさげな物体 に変化させました！
　⇒ どうでもよさげな物体／素材：強さ10／［武器］器用10(LV2)［防具］治癒10(LV2)［装飾］回復10(LV2)／特殊アイテム

ItemNo.2 不思議な防具 に ItemNo.5 不思議な石 を合成し、どうでもよさげな物体 に変化させました！
　⇒ どうでもよさげな物体／素材：強さ10／［武器］器用10(LV2)［防具］治癒10(LV2)［装飾］回復10(LV2)／特殊アイテム


フレイムブラスター を研究しました！（深度0⇒1）
アニマート を研究しました！（深度0⇒1）
センスデンジャー を研究しました！（深度0⇒1）

ヘイスト を習得！
リストリクト を習得！
レックレスチャージ を習得！
エアスラスト を習得！
キャプチャー を習得！
ストームフィールド を習得！

次元タクシーに乗り『チナミ区 E-5：出発地』に転送されました！

チナミ区 E-6（道路）に移動！（体調30⇒29）
チナミ区 E-7（道路）に移動！（体調29⇒28）
チナミ区 E-8（道路）に移動！（体調28⇒27）
チナミ区 E-9（森林）に移動！（体調27⇒26）
チナミ区 E-10（森林）に移動！（体調26⇒25）

―― ハザマ時間が紡がれる。









チャットで時間が伝えられる。






エディアンの前に１台のタクシーが止まり、窓が開く。









帽子を少し頭から離し、ほんのちょっと頭を下げる。






窓が閉められ、タクシーが走り去っていく。






エディアンからのチャットが閉じられる――