開拓を終えた一人と一匹は森を進む。夕食用の肉を探しているのだ。![]() 「それにしても、飴でどんなパン作るんすかね?」 ノイが話題に上げたのは、パン入り壺を抱えた例の魔術師。 ドロップかクラッカーかと尋ねる暇もなく前者を持っていった彼は、試作品を渡して去っていった。 ![]() 「謎パンだったか。作る物があれでは、あまり期待はできないな」 ![]() 「まぁまぁ、最初は誰でもそんなモンっすよ……ん?」 近くの茂みから物音がしてノイは立ち止まる。メインディッシュのお出ましだろうか。 猫様に目配せすると、するりと肩から下りて少し離れたところへ回り込んだ。 ノイはゆっくりと茂みに近付いていく。だんだんと大きくなっていく気配は、どんな生き物か分かりづらい。というより、生き物自体が次第に大きくなっているような……。 あと二歩のところでノイは違和感を覚え立ち止まる。が、間に合わなかった。 茂みが揺れる。 瞬間、腹に鋭い痛みが刺さった。 ![]() 「……!」 痛みに歯を食いしばって、咄嗟に得物を振る。 飛び退って舌打ちをしたそれは自分と同じ顔をしていた。手にした鉾槍からは血が滴っている。 ![]() 「貴様、何のつもりだ。成り代わりでもしようと言うのか」 腹を押さえ蹲るノイを庇うように間に立ち、猫様がぎりりとBUGを睨めつける。 BUGは驚いたような傷ついたような顔をして、そんなぁと声を上げた。 ![]() 「猫様が急にいなくなったから探しに来たんっすよぉ。 よりによって、自分のBUGと一緒にいるし……」 ![]() 「相棒の見分けがつかないとでも? 随分と馬鹿にしてくれるじゃないか」 威嚇する姿は頼もしいが、彼女は身体能力的にはただの猫だ。独りでは戦えない。 焦れた様子のBUGが猫様に手を伸ばす。 自分こそが本物と嘯いて彼女を連れ去って、その後どうするのだろう。模倣を止めた途端に殺してしまうのか。それとも、模倣を続けて当然のように彼女の隣で笑うのだろうか。 ![]() 「……」 そう思った途端、頭が冷えていった。傷の痛みや熱すら遠くなる。 彼女は誰にも傷付けさせない。渡しはしない。彼女の隣を、誰かに譲るつもりはないのだ。 奪いに来たのが“自分”自身だとしても。 力の入らない手で得物を握り締めた、その時。 ![]() 「退け」 金属のぶつかる音が響いて、鉾槍が茂みの向こうへ飛ぶ。 空になった手を唖然として見つめるBUG。それと相対しメイスを構える赤毛の少年は、ノイと猫様がよく知る人物だった。 ![]() 「なっ、お前……!?」 ![]() 「あいつ、殺していいのか」 問いかけに猫様が頷くと、少年は背を向けたBUGにメイスを振り下ろした。 *** ![]() 「いやー、流石にヤバいと思ったけど、スヴェリルが来てくれて助かったわ! ありがとな!」 回復ポーションをがぶ飲みしてすっかり元気になったノイが笑う。 赤毛の少年――スヴェリルはノイに肩を叩かれまくって仏頂面をしている。 ![]() 「来るなら事前に連絡すればいいものを」 ![]() 「驚かせるつもりだった。……こっちが、驚いたけど」 スヴェリルは無表情で言う。彼の表情筋が死んでいるのはいつもの事なので、誰も気にしなかった。 ![]() 「そういや、なんでこっちに? もう一人旅は気ィ済んだのか?」 ノイとスヴェリルは二年前から行動を共にしていた冒険者仲間だ。 ここ数ヶ月のあいだ一人旅を楽しんでいたスヴェリルが、なぜ今この星へ来たのか。 理由を問われたスヴェリルは口を開いた。 ![]() 「朗報。魔法目当ての奴らが、星を渡るのを諦めるそうだ」 男二人の視線が猫様に集まる。 彼女が風変わりな猫になってしまったのは、とある魔女がかけた魔法が原因だという。 今は亡き魔女が作り上げたその魔法を解明しようと、猫様を追う者たちがあの世界にはいたのだ。 ![]() 「そうか。奴らもしつこかったが、とうとう終わりか」 ![]() 「よっしゃ! よかったっすねぇ猫様ぁー!」 ![]() 「多数決だから納得してない奴もいる。油断はできない」 はしゃぐノイにスヴェリルが釘を刺す。 あの世界からこの星へ渡る手段はあるのだ。独断で追手を差し向けてくる者がいないとも限らない。 ![]() 「……だから、俺も行く」 ![]() 「またあんなことがあっても困るしなぁ。護衛は多いほうがいいか」 ![]() 「二人も護衛が付くとは、貴族のご令嬢にでもなった気分だ」 ちなみに、この間ノイは猫様を盗み見てばかりでほぼ目を合わせていない。 ![]() (事情聴取が必要とみた) この星に厄介な虫がいるという話はノイから聞いていた。 ノイが猫様のことをどう思っているかも、近くで見ていた者としてそれなりに知っているつもりだ。 今回の件については思うことも多いだろう。 まぁ、話を聞くのは後でいい。スヴェリルはとにかく腹が減っていた。 ![]() 「……で、夕飯は?」 ![]() 「あっ」 ![]() 「あっ」 彼の一言にぎこちない雰囲気が消し飛ぶ。 そして各々、今夜の食事のために動き出すのだった。 |
スヴェリル「……人が増えた。よろしく」 |
ローレンス(うわ、めっちゃ惚気られた) |
ヒューベルト(素直になればいいのに……という顔で猫様を見ている) |
ローレンス「……まあ、仲がいいのはある意味羨ましい。こいつとはここに来てから言い争ってばかりだからな。いや別にこいつとなんて仲良くなりたいわけじゃないが」 |
ヒューベルト「なんだってローレンス! 僕だって君と仲良しこよしなんてごめんだよ!」 放っておけば喧嘩が始まりそうな雰囲気だ。 |
「うんうん、いいね。後は玉ねぎとかニンジンとか。ベリーもジャムにできるし!リンゴやぶどうなんかの果樹もいいわね。あ、むしろいっそ小麦作らない?」 |
「……大農園じゃねえか…どんだけやらせんだよ、過労死するぞこいつ…。」 |
「全部いっぺんに作ってとは言ってないじゃないー。およそ食べられるものはだいたいパンに合うから何でもいいのよ。」 |
「まあなー、”どう”使うかが俺たちの腕の見せ所っつーか。丹精込めて作ってくれた作物に対する俺たちの課題であり義務…だろ。」 |
「良くできましたーグランマの受け売りー♪ 」 |
「うっわ、めっちゃ真顔で返された…。なんだそうかよー…。やっぱお宝で一山当てるのがロマンなのか…。」 |
「(猫じゃらしを動かす手つきはとてもぞんざいだ)」 |
ねこ「にゃにゃ…… にゃーん…… (わしゃわしゃで力が抜けるにゃ……)」 |
「 ねこはわしゃわしゃされぐてーっと伸びている。」 |
ねこ「にゃ? にゃーん! (ねこ! なかま! いるの!? どこどこ?)」 |
ノイ「今日の鍛錬は、っと」 |
ノイ「何が出るかな〜♪」 |
ノイ「お邪魔しまーっす!」 |
ノイ「えーっと……あれ、どこ行ったー?」 スヴェリル「……(荷物を差し出す)」 |
ノイ「そぉい!」 |
になった。
| ○ | Pno111 肉球印の開拓団 |
VS | Pno325 愛左レ衛門御一行 |
× |
| ○ | Pno111 肉球印の開拓団 |
VS | Pno311 ご先祖様に憧れて |
× |
| ○ | Pno96 わくわく探検隊 |
VS | Pno111 肉球印の開拓団 |
× |

ノイ(Pn111)
屍術師見習い 霞馮と露馮(Pn111)
火炎の魔術師 ローレンス(Pn111)
意志を持った魔導書 影の書(Lv10)
ドーナツの精霊 夏子(Lv10)
草原駆け テケシ(Lv10) ノイ「よーし、準備完了っす!」 猫様「さっさと終わらせてしまおうか」 スヴェリル(メイスで素振りをしている) |
ノイ(Pn111)「今日もオシゴト頑張るっすよー」 |
「引いてもらおうか。力尽くでな。」 |
霞馮と露馮「ぼくたちが、バグかな?」「きみたちが、バグかな?」 |
ローレンス(Pn111)「……始めるか。」 |
「聞いてた通りか。まあなんとかなんだろ!」 |
(Lv10)影の書(さて、ここからが本番ですよ) |
「敵ですね。陣形を整えましょう。」 |
「まずはオードブルから」 |
テケシ(Lv10)「切り拓くぞー」 |
「非力な姫、とでも思ったか?」 |

「この剣の動き、捉えられまい。」 |

猫の鳴き声と共に、三つ葉のクローバーが空から降ってきた |
ローレンス(Pn111)「守りを固めるぞ。」 |



| 肉球印の開拓団 Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| BUG Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「おや」 |
「狙いが甘いな」 |
と思ったら棘だらけの茎が襲い掛かってきた! |
| 肉球印の開拓団 Chain 列付魅了Lv2(1) 傷突刺Lv1(2) 列付麻痺Lv1(3) 列活気Lv1(4) 付魅了Lv1(5) 付魅了Lv2(6) 傷必殺命中Lv1(7) 散傷冥闇Lv1(8) 連治癒活気Lv1(9) 列付魅了Lv1(10) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| BUG Chain 傷殴打Lv1(1) 活気Lv1(2) 列付混乱Lv1(3) 付混乱Lv1(4) 列傷火炎Lv2(5) 傷殴打Lv1(6) 列活気Lv1(7) 全付混乱Lv1(8) 治癒Lv1(9) 傷冥闇Lv2(10) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「外れた……いや、外されました」 |
ウリが生えてきて攻撃を妨害した! |
ノイ「お、いいトコ当たった?」 |
| 肉球印の開拓団 Chain 列付魅了Lv2(1) 傷突刺Lv1(2) 列付麻痺Lv1(3) 列活気Lv1(4) 付魅了Lv1(5) 付魅了Lv2(6) 傷必殺命中Lv1(7) 散傷冥闇Lv1(8) 連治癒活気Lv1(9) 列付魅了Lv1(10) 深傷突刺Lv1(11) 深傷突刺Lv1(12) 列付混乱Lv1(13) 列復活Lv1(14) 傷突刺Lv1(15) 傷突刺Lv2(16) 吸魔Lv1(17) 全活気Lv1(18) 傷氷水Lv1(19) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| BUG Chain 傷殴打Lv1(1) 活気Lv1(2) 列付混乱Lv1(3) 付混乱Lv1(4) 列傷火炎Lv2(5) 傷殴打Lv1(6) 列活気Lv1(7) 全付混乱Lv1(8) 治癒Lv1(9) 傷冥闇Lv2(10) 傷殴打Lv2(11) 列活気Lv1(12) 傷火炎Lv2(13) 乱傷殴打Lv1(14) 列傷氷水Lv1(15) 列活気Lv1(16) 傷疾風Lv1(17) 傷氷水Lv2(18) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ローレンス(Pn111)「それが本気か?」 |
「華麗なる重奏を始めよう」 |
「この旋律に心奪われるが良い」 |
ノイ(Pn111)「そいやっ」 |
露馮「ここまで、ばっちりだよね?」 |
露馮(Pn111)「いっぱいたべて、おおきくなってね!」 |

ローレンス(Pn111)「暖炉の火は好きだ」 |
「これで立て直せるか」 |
「いいっすねー。サイコー」 |
「陸重奏【セクステット】」 |
「この音色に魅了されよ」 |
ノイ(Pn111)「もっともっと!」 |
ノイ「お、いいトコ当たった?」 |
ノイ「ここか? ここかー?」 |
霞馮と露馮(Pn111)「これが」「どかーんってなったら」「「みーんな、ふっとんじゃうね」」 |
霞馮と露馮「どかーんっ!」「ばきーんっ!」 |
「く、防御が間に合わない!」 |
霞馮と露馮「どかーんっ!」「ばきーんっ!」 |
ローレンス(Pn111)「まだいけるはずだ」 |
ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
「おっ油断してます?」 |
「もはや芸術の域だな。繋いでいくぞ」 |
「一気に踏み込むぞ」 |
スヴェリル「まだ行ける」 |
霞馮と露馮「ほらほらー!」「まだまだー!」 |
(Pn111)いつも消えない、道標を。 |
「もはや芸術の域だな。繋いでいくぞ」 |
「貴様の血で奏でてやろう」 |
猫様「手札はまだあるぞ」 |
霞馮と露馮「もっと みたいでしょ?」「いっぱい みたいでしょ?」 |
ローレンス(Pn111)「暖炉の火は好きだ」 |
ノイ「おぉーしみわたるー」 |
「これで立て直せるか」 |
ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
「あざーす!」 |
「おっ油断してます?」 |
「もはや芸術の域だな。繋いでいくぞ」 |
「踏み込んで・・・切り裂く」 |
「ふむ、手応え有りだな」 |
スヴェリル「まだ行ける」 |
霞馮と露馮「もっと みたいでしょ?」「いっぱい みたいでしょ?」 |
ローレンス(Pn111)「火力調整がうまくいけばいいが」 |

ローレンス(Pn111)「まだ大丈夫だ。心配するな。」 |
「おっ油断してます?」 |
「もはや芸術の域だな。繋いでいくぞ」 |
「さて、こういったものはお気に召すだろうか」 |