一度攻略法を見つければ簡単なクジラさんは敢無くお肉になりました。
早速火を起こしてお肉パーティです。アラヤちゃんと一緒にお腹一杯お肉を食べますっ。
とはいえ沢山ありすぎるので、余ったお肉は半分干し肉にして保存食に。
もう半分は私の氷の力で冷凍肉にして保存します。

｢どうして二つに分けるの？」
と、アラヤちゃんが不思議そうに見てるので、お肉を焼きながらアラヤちゃんへ簡単な説明をします。

干し肉は長期保存できる代わりに旨味が少なくなります。あと凄く固い。鈍器になる。
でも冷凍肉は長期保存は難しいけど旨味はそのまま残ります。柔らかじゅわわー。

つまり冷凍肉を暫くの間の主食で、干し肉は歩きながらの間食や非常食用なのです。

そう説明する私ですが、アラヤちゃんはあまり興味が無い感じでお肉の方に視線が向いてました。
視線の先の焼けてきたお肉からは芳ばしい良い香りが漂ってきます。これは我慢が出来ません。

この後、二人仲良く美味しいお肉パーティをしました。

　＊　＊　

･･･翌日。

昨日は美味しい物をお腹一杯食べて、気力も体力も充実した私達は水辺をドンドン先に歩いてる所です。
始めに比べて周囲が暗く少しジメジメしてる感じから、大分奥の方まで来た気がします。

軽快な足取りながらも周囲を警戒しつつ進む私達。
そして暫く歩いてると･･･

急に辺りが薄暗くなり不思議に思った私は上を見上げると、
そこにはクジラ並に大きな大きなイカが目の前に立ってました。

そして私達と大きなイカの目が合うと耳を劈くような大きな声を上げて近寄ってきます。
巨大な足がにょろにょろ蠢くと地面がひび割れ、大きく揺れます。

流石の私もこれにはちょっと驚きが隠せません。
というより早く逃げないと潰されそう･･･。
私はアラヤちゃんの手を引いて後ろを振り返り逃げようとした･･･その時です。

どこからか声が聞えて、私達と巨大イカの間に勢いよく謎の物体が落ちてきます。

砂煙が薄くなるとその謎の物体が金髪の少女だと分かりました。

金髪を見て「もしかしてナナさんが来てくれたの･･･？」と思いましたが、よく見てみると全然違ってちょっとガッカリします。
更に良く分からない事を言ってるので更にガッカリ。

アラヤちゃんを連れてスタコラサッサと逃げたい私。
しかしそれは問屋がおろさないと、巨大イカが触手を伸ばして道を塞いできます。

謎の少女Bのせいで逃げる機会を失った私達。
そして巨大イカはどうしても逃がしてくれそうにありません。

そんなこんなで逃げ遅れ巻き込まれた私とアラヤちゃん（+α）の巨大イカ退治の始まりです。