ゴゴゴゴゴゴゴゴゴウウウウウウウゥゥンンンンン!!!!
結果から言うと墜落した。
マジで死ぬかと思ったけれど、想像以上にクイントは頑丈だった。スペックは事前に目を通したから、どれだけの衝撃に耐えられるかは分かっていたが、スペックだけ分かっているのと実際に体験するのとではやっぱり別だ。その頑丈さに心から感謝したくなる。
「何処だここ……」
まだぐらつく頭を上げて正面のモニターを見る。
指定した座標とは明らかに違う。もっと開けた場所で、コンクリートに囲まれた実験場の一角で、ボクが父さんと母さんに弁当やら着るものやら届けにいくときに見たことがある場所のはずである。
けれどモニター越しに見る外の景色は、青々とした木々であって、逃げ出した動物であって、こんな自然に囲まれた場所ではない。
「……はぁ」
ため息ひとつ。手元のコンソールパネルに指を滑らせ、モニターに半透明のマップを表示させる。表示された座標は――
unknown
時空間移動機能を搭載した試作機、その5番機クイント。ボクはそれの有人実験に志願した。
人類が宇宙で生活をはじめるようになって、優に5千年は過ぎている。それまでは西暦って言葉を使っていたみたいだけれど、それは授業で教わっただけ。
宇宙暦が使われるようになって、新宇宙暦ってのになって、それで惑星間戦争なんかがあったりした。ボクが生まれるずっとずっと前の話みたいだけど。
父さんも母さんも科学者で、時空間移動の研究をしていた。ボク達の住んでいる地球と、他の惑星やコロニーへの移動を目的としている。
その研究が、父さんと母さんの夢だった。ずっと、実ればいいなと思っていた。ずっと、寂しいなと思っていた。ずっと、置いてけぼりだと思っていた。家に1人でいるときも、学校で授業を受けているときも、研究所に篭り気味の2人のために、着替えをはじめとした生活用品を持っていってあげたときも。ずっと、そう思っていた。
だから、クイントが完成して、有人実験を行うって話が出たとき、志願した。
ボクも、夢に混ざりたかった。家族だから。みんなの夢にしたかったんだ。
あれだけとんでもない音を立てたんだ、人が来る前になんとかしないといけない。コックピット内を漁って目当てのリモコンを手にし、キャノピーを開けて外へ出る。
クイントから距離を置き、リモコンのスイッチを押す。と、瞬く間にクイントが消失――正確には亜空間に収納――した。
まずは情報を集めないと。