僕は　痛く感動している。

キミたちは想像できるかい？
熱気にやられ、次々と仲間が倒れ……
無事に街へ戻れるかもわからない極限状態。
言ってみればこれは戦争だよ。
全ての良識がかなぐり捨てられる戦争の中でだよ。

ジッセくん

ああジッセくん

キミはベーグルを分けてくれたね。
僕は信じられなかった。
飢えと渇きと激痛と……確かにそれは魅惑的だったけれど、
キミだって状況はおなじじゃないか！

独り占め……そうするのが普通。
そうしたところで誰も責めないというのに。
キミは僕たちにベーグルを分けてくれたね。

原理共産主義だとか
そういうイデオロギーじゃあない。
キミは一人の学生で……

つまりこれは、紛う事なき友情なんだ。

僕は涙が出そうになったよ。こんなに嬉しいことはない。

でもね。同時に悩むんだ。

僕は彼に何ができる？何をしてやれる？
クジマ・シーモノフはグレゴオル・ジッセに何かしてやったか？
これを友情というなら、僕は報いたいよ。

キミは何が好きなのかな？ジッセくん。
キミとお話がしたいよ。それらを知るために。