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アヤの一週間

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Diary
私は、今の今まで日記なんて書いていなかったし、書こうとも思わなかったのだが、今回のことが決まってふと、一筆残しておこうかという気になり、こうして紙に向かっている。

というのも、魔宝を奪った「彼女」を倒すのだというこの戦い、ここで一旦休むのだという。
私は偶々後方にいたので詳しいことは分からないが、先日の戦いで相当消耗したことと、相手を倒すのにいくらかの準備が必要なこととが原因のようだ。
そして召喚士が休むと、彼女によって呼び出された私たちの魂は開放され、元の世界に戻るらしい。

いざ書こうとしても、ペンを持つ手は遅々として進まない。
過去のことはもう如何しようもないのだし、今のことだけを書いて早々に切り上げよう。

元の世界に帰るか、このまま次の戦いまで留まるのか、最終的には私たち一人一人が決めて良いらしい。
私は、ここに残ると決めた。
乗りかかった船、という程でもないが、まだこの世界を見ていたいし、帰るのなら召喚士に付いていれば今でなくても良いだろう。
そも帰ってどうなるということも、私にはないのだし。

いずれにせよ、今まで鍛えてきた能力は元に戻ってしまうそうだが、まあ、それも仕方ない。

先ほど、私の望んだ依代のイメージを遺すよう言われた。
再び戦うときの力になるのだという。



私が望んだものは、守る力。
向かい来る矢を、弾を、魔法でさえも撃ち落とす。
前に立つ者に向かう刃を逸らし、横に立つ者に向かう炎を撃ち砕く。
立ちはだかる者の攻めを挫き、武器を狙い、動きを止める。
その身に降りかかる全てを、共に戦う者に降りかかる総てをも。

名付けるならば。
妨げる者、迎え撃つ者、インターセプター。



さて。
もう晩いことだし、ここまでにしておこう。
この明けない夜とも、今しばらくの付き合いになりそうだ。
Message(Personal)
取引メイ
「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」
取引メイ
「メッセージは届いておりません」
依代の記憶保存
召喚士がやってきました。
召喚士
「あなたの記憶を貰うわ」
  • 依代名……インターセプター
  • クラス……サーティーン
  • 性別……
  • 年齢……若い
巫女ユミ?
「記録したぞ」
Message(Linkage)
リンケージはありません
最終選択
召喚士
「ここに残るのね」
召喚士
「わかったわ。アナタがここに居られるように、再構築させてしてあげる。戦う力はもういらないから、ゆっくりしているといいわ」
召喚士
「さあ……一緒に征きましょう」
アヤ・W・レイフィールドの意識はそこで途切れました。
その後……銀色の少女に付き添う姿があったとは、
また別の話です。
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