『召喚士』からのひとこと(特別編)

「むしゃむしゃ」

「たすけて〜、たすけてくださいませ〜」

「むっ」

「むー」

「こいつは……なにやら危険な予感。賢明な戦場アナはささっと離脱しますよ」

「逃げるとはなにごとですか」

「ひゃっ!?」

「私食べてもおいしくないですよ!?」

「ひゃぁぁぁぁ〜ッ!?」

「ふう、ありがとうございます。あやうく死ぬところでしたわ」

「トレハさん……なにやってるんですか」

「いえ、いつもの通り駄天使ムウの研究をしておりまして。あの、なんでも吸い込む身体の中ってどうなっているのかなぁ？と」

「口の中を調べたんですか!?」

「ええ。そうしたら見事に吸い込まれてしまいましたの」

「むー」

「その好奇心、かなり死亡フラグですよ」

「でも収穫はありましたわね。どうやらムウの身体の中は異次元に通じているようで、その中は時間が止まっているようです」

「？」

「まあモノは試しですわ」

「ムウの魔力を研究して編み出した異次元封印術ですわ。このように、外部の獲物を中に閉じ込めることが出来るのです」

「通帳のページに封印術を仕込むことで、最大10のアイテムを封印することが出来ますわ」

「これを研究し続ければ、いずれムウも元の世界に戻せますわ……」

「むー？」

「安心下さいませムウ、いつかわたくしが……はっ？」

「ぜえはーぜえはー」

「大丈夫ですか？」

「こっ、殺す気ですかー!!」

「あはは……この中、空気があまりありませんからね。生き物を封印するのには適さないようです」

「おまけに中で暴れるとちょっとだけ通帳の口が開くので、生け捕りは難しいのですね」

「なんとも微妙な」

「道具の保管には使えそうです。でも応用して何か出来そうな気もしますわね」

「その実験台にしないで下さいよ……」

「まあとりあえず、通帳を持っている方に術を施しに参りますわね」