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Diary | ||
マーブルーの日記(一日目) 気がつけば私は暗い世界にいた。 そして声が聞こえる。 「お前は罪を犯した」 「お前は罪人だ」 私は心の中でやめてと叫ぶ。それでも容赦なく響く声。 「お前が二人の男を狂わせた」 「お前が二人の男を人殺しにした」 そうして漸く分かった、私は、二人の男性に殺される…と言うより、二人の争いに巻き込まれて死んでしまったのだと。 二人の名前は正直覚えていない。私自身忘れっぽい性格だったのと、あまり思い出したくない二人だったから。 そもそも、私は病弱な父と二人暮らしだった。 母は私が生まれたと同時に亡くなったらしい。そして私は父と暮らし、父は私のために命を削るように働き、私が20歳になった頃に、病によって起き上がれないくらいになってしまった。 「それでは、行ってきますねお父さん」 「ああ、いってらっしゃい」 そして私が出かける頃に、父が呟く。 「マーブルーも26か……そうだな、私もそろそろ孫が見たいと思っているんだよ」 私は返す。 「やだもう、お父さん。私はまだそんな人いないわよ」 けど、決していないわけではなかった。なぜなら、二人の男性に結婚を申し込まれていたのだから。 「マーブルさん、結婚してください!」 ああ、彼は春の木漏れ日の暖かい季節に私に告白してきた人だった。 彼のことを、春の木漏れ日の人と呼ぶことにする。 「え、えっと、ごめんなさい……」 私は、はっきりと応える事が出来なかった。 彼は村の役場に勤めていて、私はよく分からなかったけれど、村では一番の美男子だと噂されていた。 それでも、私は彼を選ぶ事は出来なかった。 「マーブル、俺は君を幸せにする自信がある!」 ああ、彼は秋の落ち葉舞い散る季節に私に告白してきた人だった。 彼のことを、秋の落ち葉の人と呼ぶことにする。 「……ごめんなさい」 彼は村で木を切って、それを木材にする仕事をしていた。 見た目からも精気に溢れていて、不器用ながらも優しそうな雰囲気で、立派な体躯を持つ男性だった。 それでも、私は彼を選ぶ事は出来なかった。 なぜなら、私は未来を見ることが出来たから。 私が見た未来では、どちらの男性と添い遂げても、心が壊れる未来が見えたから。 春の木漏れ日の人との未来は、毎日が家庭内暴力で満ちていく日々だった。 「同僚の○○が僕よりも先に昇進しやがった」 そう聞くと右の頬を叩かれた。 「上司に無理難題を押し付けられ、出来ないからと皆の前で説教をくらった」 そう聞くと左の頬を叩かれた。 気づけば、私は、心がぼろぼろになっていた。 秋の落ち葉の人との未来は、私を必要以上に求め、私を引き合いに、聞くに堪えない話をする人だった。 「なあ、いいだろう?俺の妻なんだからさ」 昼にそう言っては、彼は私にキスを求めた。 「なあ、いいだろう?俺の妻なんだからさ」 夜にそう言っては、彼は私を抑え付けようとした。 「なあ、いいだろう?俺の妻なんだからさ」 朝にそう言った時、私の体は、ぼろぼろになっていた。 だから私は、どちらも選ばなかったのに。 「マーブルー・ホワイトバック。しかし君が選ばなかったから、二人の男は愛する人を殺してしまうと言う罪を犯した」 その言葉を聞いて、私は自分の魂が削られていくのを感じた。それは、爪と指の間に針を刺すような、沸騰したお湯を直接肌に当てたような、そんな痛みだ。 「お前が、マーブルさんを誑かしたんだな!だから、僕と結婚すると約束してくれなかった!」 「何を言う、お前がマーブルーを悩ませるから、俺と結婚をしてくれないんだ!!」 二人の答えは正しくはなかった。私は、迫られた二択のどちらも選ばず、そのまま引きずっていたから。 ごめんなさい、とは言ったけれど、はっきりと断る事が出来なかったから。 春の木漏れ日の人は、ナイフを秋の落ち葉の人に投げつけた。 秋の落ち葉の人は、仕事道具の斧を振りかざし、春の木漏れ日の人に斬りかかった。 二人は、どちらを選んでも私が幸せになれない事は分かっていた。 でも、だから、だからこそ、私は……。 「そう、自分の罪を思い出したか?」 響く声がそう言った時、春の木漏れ日の人と秋の落ち葉の人の幻影が見えた。 「君が僕の投げたナイフに飛び込んだせいで、僕は大切な人を殺してしまった」 「君が俺の振りかぶった斧の前に飛び出してきたから、俺は大切な人を殺してしまった」 「さあ、マーブルー・ホワイトバック。君のやった事はなんだろうか?」 「君がはっきりと断りさえすれば、このような事は起こらなかったのではないか?」 声が痛い…私がはっきりと言わなかったせいで、二人の人を苦しめてしまった。 私は、そんなつもりではなかったのに。 でも、それが私の罪ならば、この痛みも……。 この苦しみも、当然なんだ。 魂が削れていく……けど、これで許されるのなら。 「当然じゃねえよ。そんな事で許されるなんてありえねえよ」 近くで男の人の声と、激しい跳弾が迸った。 的確な跳弾は、私が見た幻影、私を苦しめた何かを撃ち抜いた。 「よっと……なんだ、大丈夫か嬢ちゃん?」 消えそうな私に話しかけたのは、少し大人びた男性だった。私は頷いて、それを返事とする。 「あんた、このまま消えちまってもよかったって言うのか?」 私は頷きもせず、首を振りもせず、ただ、顔を伏せていた。 「ああ……なんだ、とりあえずな」 男の人は私の頬に触れ、何か言葉をつむぎだした。 「あんたはこのままじゃ本当に消えてしまう。けど俺はあんたの目を見て思った。あんたは何も悪くない。ただ、三つ目の選択肢を選んで、それが許されなくて、苦悩しているだけ」 私の目から涙が溢れてきた。全くの他人なのに、私の事を分かってくれたから、なのだろう。 「だから、俺は助けるぜ。あんたは確かに美人だが……そうだな、それだけじゃない、それ以上に、あんたは助けないといけない気がしたんだ」 私は、魂が削れたから、この人の存在を利用して、生きなければならない。いや、生きなければと言う表現もおかしいけど。 私は、彼と一つになる前に、これだけ、これだけは、聞かないといけないことを聞いた。 「あなたの、お名前は?私を救ってくれたあなたの名前は?私は、あなたに恩を返したい……」 「アルフレッド・ブラックアウト。それが、俺の名だ」 そして、最後に彼は言った。 「恩なんて感じる事はねえさ、俺は、助けたいから助けただけだ」 アルフレッドの日記(一日目) そうだな、ここは俺がここにいる経緯でも書けばいいか。 俺はとある場所でガンマンをやっていた。 年は29、もうそろそろ嫁さんでもほしい年頃ってところか、はは。 俺がここにいるのはそうだ、俺の親友を庇って倒れたんだよな。 その後、泣いて命乞いをしていた親友が撃ち抜かれたから、お得意の跳弾で返してやったが。 ……しかししくったよな、こんな、女も知らないまま死ぬなんてな。 ……って、なんだ、悲痛な心の叫びが聞こえる。違うだろ、それは、よく分からないけど、違うだろ!! それで許されるなんてわけはない。それは罪なんかじゃない。 「当然じゃねえよ。そんな事で許されるなんてありえねえよ」 |
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今回の滞在 | ||||||
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Message(Personal) | ||||||
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Message(Linkage) | ||
リンケージはありません | ||
戦場アナにおねがい | ||||||||||||
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召喚士におねがい | ||||||||||||
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レベルダウンしました
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レベルアップしました(EXP-50)
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攻略の時間になりました!! | ||||||||
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