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Diary | ||
「もう、いい!もう、はしるな!」 山を駆けていた。茂みを突っ切り、朽ち木に蹴りをいれ、 景色の全てが緑と灰のまざったまだらになるような、速さだった。 自分の後ろについてくるそいつは、おかしな方向にねじれた前足でそれでもついてくる。 「ハ、ハ、そうはいくかよォ、そうやってオマエは、 オイラをエサに、オマエだけにげようって気だろう」 「とまれ!はしるな!」 「見殺しにしようったって、ハ、ハ、ハ」 そいつの前足は赤車になっていた、 血のりでかたまった毛先が切っ先鈍いけんざんのような形をとっている。 追いかけるときには、興味をそそる血が、 追われる立場だとたとえようなく気色がわるい。 目を凝らすとそいつが前足を折って、馬のひづめみたいに間接を地面についてそのまま走っているのが見えた。 痛みをかんじないのか!絶叫をあげそうになった。 ---------------------------------------- 「やあ、トカゲ君」 「おっ?おっ?おーっ?けんじじゃねーか。どうもこんばんにゃっはっは」 「すごいね、なんだか10人抜きとか、ワニ君をのしたとか、いろいろ聞いたよ! もしボスになっちゃったら何かと忙しいだろうから、今のうちにお話しでもと思ってね」 「オレ様はオレ様のはなしたいとき、はなしたいことしかはなさねェーぜ!」 「そう。それで今は気分かな?少し尋ねたい事があるのだけれど」 「そうだにゃ、言ってみろ」 「ありがとう、あのね、このあ―」 「やぁーっだよ!きいてやらねェ!」 一瞬なにが起こったのかわからず、けんじはきょとんとしてしまった。 トカゲはけたけたと笑い転げる。自分が行為をしたところで満足してしまい、 後はもう、けんじのなど全く目にも入っていない、そこにいないものとして扱い笑った。 ようやく状況を飲み込んだけんじが一つ首を捻ってどうしたものだろうか、と呟く 「そうだなあ、トカゲ君。 どちらかというと僕はふざける事より勉強が好きな子供だったんだ。堅物だよ。 マタタビによっぱらった猫と話すのもあまり好きじゃない。」 けんじが話しても、トカゲはしらんぷり、 挙句一つの説明もなしに背負った短剣をカバーから引き抜き、咥えた。 ふたたびけんじとトカゲの眼があったのは、トカゲがにやついてその切っ先をけんじに向けたときだった。 「…僕は極簡単な質問をしに来ただけだよ。 君はそれについて2,3返答をくれるだけで良いのに」 トカゲが飛び掛る。 けんじが左の前足から爪を出し何かマントがはためいたかと思うと、一閃の光がトカゲを打ち落とす。 けんじはさっさと銀のワイヤーでトカゲを縛り上げた。 「話しができないのなら、そう言ってくれれば… いや、それを言葉にすることすら会話であるから、できないのか」 「げらげらげら!」 「気でも違った?」 「うるせーにゃ、くそけんじ」 「まあ、そう、言わないで。 君が興味あるかと思っていろいろ毒をもってきた。これと引き換えには話せない?」 けんじはコト、コト、大小6つほどのガラス瓶を地面に並べていく。 脱力したにやけがおだったトカゲもこれには興味を示したようで、 目を輝かせ縛られた体を少しでも瓶に近づけようともがいた。 眺めるけんじとふと目があうと、先ほどの事はすべて忘れたように子供っぽくにんと笑った。 けんじはなんだか苦笑い気味になりつ、なんとか場が落ち着いたとほっとする。 「いいぜェ!聞けよ、にゃんだ!」 「うん。あのね僕、この間君がグレープフルーツを踏み潰してまわってるのを見て あれってなんだろうってね、どうしてするの?」 「したいからするのさー!殺すの楽しいだろう!」 「それなら、動物の方が良いんじゃあないの? 植物なんて、退屈に死んでしまう気がするのだけれど」 「わかっちゃねーなァ、ショクブツにはショクブツのよさがあるんだぜー! どーぶつはな、毒をみえにゃー外敵かなんかと思って逃げよう逃げようってのた打ち回って死ぬぞ。 ショクブツは毒を病気かなんかと思って内包しちまうんだにゃ。 ヤツら己のみにおこる一切の不幸を受け入れて大人しく死にやがる、マゾだぜあいつら、見ものだぜ」 「…そうかあ。 いやさ、ユリさん達の畑がひっくりかえされて、実が全部潰されちゃって。 それをする心理ってどんなものかと思ったのだけれど」 「畑!殺しやがれ」 トカゲが無理な体勢で高らかに笑う。 「うん、いいよ、おつかれさま。」 なんだかこれ以上まともに話してもいれられない、と思いけんじはワイヤーを解きにかかる。 と、解放されたやいなや、トカゲは右前足がけんじの顔面めがけて振り切った。 とっさに目をつぶったが、頭に響くような痛みが走り、涙が止まらなくなる。 トカゲが一層笑い、お腹を抱え転げてまわる。 「…どうしたの?」 「テメエがきらいィーなんだよ」 「今日はじめて話したような子にきらいと言われるのは、 真面目に生きている身としては少し納得がいかないかなあ」 「うるっせえー!」 血は出ていないが涙が止まらない。 いずれにせよ、何かの毒が手についていた(つけていた)可能性も有るので けんじは速やかに治療にかかりつ、どうしたものか、と呟く。 「よければ、どこが気にくわないのかおしえてくれないかなあ。なおせるのかもしれない」 「うるせえ死ね」 「殺しが楽しいというのはね、君の場合サディズムから…」 「うるせえうるせえうるせえうるせえ」 「…きてると思うのだけれど、僕が視野に入れてほしいのは…」 「うるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせえうるせうるっせぇ」 振動を送るとワイヤーが総毛立ち、そのまま端に波の先が集まり太い針の形に変わる。 ヘビのように立ち上がるとそれはトカゲの腕を串刺しにした。 「だまりなよ!言葉の扱い方を知らない猫め!君は無茶苦茶だ!」 そもそも、けんじは自分から他者に関わっていくことが極端に少なく、 そりの合わないものとなれば尚更、こういった消耗を拒否してきた。 トカゲにも今、こうして猫の国と言うものに属し、 その中で影響力の強いのらの、そのボスになろうという存在でなければ、関わろうと思わなかっただろう。 けんじは怒鳴ってしまった自分に呆れ、とりあえずひとつごめん、と頭を下げた。 トカゲは目もくれず、ひるみもせず、笑いながら腕の傷を押さえつける。 徐々に震えはじめたが、至極楽しそうで、それは武者震いの類である様子だ。 「そのケガ治すよ。必要なら」 「ククク!わかってんだよ、本能的になァ、オレはさァ、てめえがいやがることってのがさ! イラつくだろォ、腹たつだろォ、きずつくだろ!」 「楽しいのかい」 「生き物殺すのにイチゲキでしとめるやつがあるかァ! 一番太い血管に爪を立てて、ほら殺すぞ、いま殺すぞ、ってすんのが楽しいんだろ! オレ様ははなしたいことしかはなさいんだってば、てめえに爪立ててやってんだ、楽しいぞ!」 けんじは何も答えず、並べていた瓶をさっさと片付け、そこから二つほど選びトカゲの方へ転がした。 トカゲはにんまり笑ってそれを首に巻いていた布の裏に差し込んでいく。 そして布を半回転させ、一つの透明な薬瓶をとりはずすと 怪我をして腕にビシャビシャ中身をふりかけた。 けんじが目を丸くする。 「気が違ったの」 「痺れの毒、麻酔だ麻酔。単なる痛み止め!」 「そう。…それじゃあ、また来るよ」 「まじかよ?」 「うん。はじめから何もかもうまく行くのは稀だよ。 今日君とけんかになってしまったから、次はそうならないで、 その次にはもっと落ち着いて話ができるといいなあって考えている。 むろん、それには君の協力が必要だ」 けんじは愛想よくわらって、その場を後にした。 そこらは砂で作った山のように台形型に膨らんでいたので、ゆるい斜面を探し 下に滑り降りた、所で、頭にいたずらというにはやりすぎの感ある大きな石が投げつけられつんのめる。 「そーいうところがムカツクんだよォ、けんじさんよォ! けんかじゃねーよ!いじめてやったんだ」 |
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今回の滞在 | ||||||
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Advice | ||||||||
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Message(Personal) | ||||||
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Message(Linkage) | ||
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召喚士におねがい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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不要アイテム引き取り | ||||||||
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レベルアップしました(EXP-180)
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攻略の時間になりました!! | ||||||||||||
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