『召喚士』からのひとこと(第19回)

「ふむ。こんなもんかのー」

「なにやってるんですか？」

「召喚士の所のか。今回から創作系工房が使用できるようになったのじゃ。その準備が終わったところじゃ」

「創作系ですか、どう違うんです？」

「工匠系工房と違って能力値自体は鍛えることができんが、アイテムの種類を選ばん。補助や装飾を対象にすることもできる所じゃな」

「堅実ながら確実に効果が現れる工匠系工房と違い、効果付加に失敗することがあるのに注意が必要じゃ」

「それと創作系工房は自分の持ち物を鍛えるということはできん。常に依頼一択じゃ」

「なるほどー。どんなものがあるんです？」

「まずはアルカナ工房。これはランダムに特殊効果を与える」

「特殊効果！　指輪とか初期装備にしかなかったものですかー！」

「うむ。創作系工房は、基本的にすべてアイテムに特殊効果を与えるのじゃ」

「クリティカルヒットの確率を高めたり、スキルを閃きやすくなったりなどじゃ。アルカナ工房でしか得られぬ強力なものもある」

「良いことづくしですねｰ」

「まあ、ランダムというのが問題で制御はできんがな」

「うっ……」

「また、能力付加に失敗すると『裏効果』になって、ペナルティ効果になってしまう。こうなると効果が反転してクリティカルヒットを受けやすくなったり、スキルを閃かなくなったりする。こうなった装備は外しておくか、我慢するしかないな」

「怖いですねー。運任せって感じです」

「当たるもなんとかというやつじゃな」

「でもまあ、成功しようが失敗しようが魔石は頂くからの」

「うう……がめつい……」

「工房は動かすだけで金が掛かるのじゃよ」

「熟練度が上がれば失敗は減るから精進は絶やさぬようにする事じゃ」

「アルカナ工房は比較的リスクが小さい工房。どんどん使うと良いのじゃが、使用上の注意がある」

「まだあるんですか？」

「うむ。アルカナ工房で付加された効果は数更新で無くなる。効果の欄に『(6)』とか出ている奴じゃな。更新ごとに1ずつ減って、0になると効果が無くなって消えるぞ」

「なるほど−。いい効果が出てもいずれ無くなるんですね。でも失敗作も消えるのは嬉しいかも」

「そうじゃな。特殊効果は上書きされることにも注意が必要じゃ。次回説明するアトリエ工房との併用には注意が必要じゃよ」

「まあこれを利用して、失敗作に上書きして無かったことにすることも可能じゃ。魔石が余計に掛かるがの。上書きの注意点は次回に続くぞ」

「創作系工房に預けた際は、全滅ペナルティの対象にならない。どんどん試作してみてほしいのじゃ」