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Diary | ||
GC2075.06.01.AM09:00……地球、地球防衛軍にて。 通称『ディバイダー』と呼ばれる男性少佐はメンバーの顔を 見渡した。皆の表情に緊張が走る。これから切り出そうとする話を 既に知っている者の表情は暗く、中には今にも泣き出しそうな者も いた。 そこへ沈んだ雰囲気をぶち壊すように自動ドアの開閉音と元気の いい少女の声が響いた。 「すみません! 遅れましたぁっ!」 少女はパイロットスーツ姿で小脇にはヘルメットを抱えている。 つい先程帰還したのだろう。少女は息を切らせてミッションルームへ 入ってきた。少女のパイロットスーツの右腕には咆哮する獅子を 模したシンボルが入っている。ディバイダーとは異なる部隊の マークだ。ちなみにディバイダーの部隊のマークは旧文明に失われたといわれる西洋の名剣『エクスカリバー』をモチーフにしている。 「……マイ少尉、空いているところへ座ってくれ」 少女、マイ少尉の着席を確認するとディバイダーは改めて メンバーを見渡す。自分の部隊と他の部隊から数名…… これで全員揃ったようだ。 「今回集まってもらったのは……既に知っている者も いるかもしれんが、皆に悲しい報せをせねばならなくなった」 先程入ってきたマイ少尉の顔が曇った。本来なら彼女は ディバイダーの部隊ではない。彼女も呼ばれた時点で大方内容の 察しはついていた。何故なら彼女は『彼』の双子の妹だからだ。 彼女の本名は『マイ=ツルギノ』…… 『剱乃 舞(ツルギノ マイ)』といった。 「我が隊のメンバー、ショウ=ツルギノ少尉についてだ」 ***** ***** ***** 日付不明……異世界にて。 ツルギは携帯電話を弄っていた。やはり電話としての機能、軍の システムは大半が使用出来なかったが、今すぐ確認したいことが あった。この世界において支障のない範囲で再現されているのなら…… もしやと思ったのだ。ツルギは携帯電話の軍専用システムに 保存されているデータを引き出した。欲しいデータはすぐに出てきた。 ツルギが召喚される前日までのデータだが、それだけで十分だった。 今すぐ確認したいのは……軍規だ。ツルギが今、 懸念しているのは自分に関することである。確認するのは気が重かった。 「召喚されている期間が長いからな。やっぱりアレ扱いだろうな。 地球へ帰る時に召喚された直後に帰してくれるんならいいんだけど…… 言ったら悪いが、あの女の子を信用していいものか……」 ***** ***** ***** GC2075.06.01.AM09:10……地球、地球防衛軍にて。 「……最善を尽くしたが、本日の午前零時、 ショウ=ツルギノ少尉はWE型地球外ウイルス侵食により 息を引き取った」 ディバイダーは予め用意されていた報せを淡々と伝える。 WE型地球外ウイルスとはこの時代において地球外よりもたらされた ウイルスだ。未だ治療法が確立されておらず、感染すれば助かる 見込みは皆無だった。 ツルギ少尉を戦死扱いにする件については混乱を避けるために 上層部と一部の関係者、特殊部隊を除いて真相は伏せられることと なった。ツルギ少尉の死については依然不明のままなのだ。本人の 遺体すら未だに確認されていないのである。 少尉は集中治療室に隔離され、カプセルに入れられていた 筈だったが、忽然と姿を消していたのだ。少尉が勝手に 出ていったのかと思われたが、カプセルは外部から操作しなければ 開かない仕組みになっており、少尉が自ら開けることは不可能だった。 また、内部の監視カメラにも少尉らしき人物の出歩く姿は 映っていなかった。データの改竄も疑われたが、その形跡はなかった。 昏睡状態の少尉の失踪…… 少尉の機体に残された記録と少尉の生体データから、原因の 特定が進められていたのだが……科学者連中曰く『現代科学では 実現不能な理論を証明せねばならない』とのことだった。 科学者連中が手を上げる中、ディバイダーだけは諦めなかったが、 とうとう戦死扱いが確定される日を迎えたのである。 マイは覚悟していたつもりだった。周りから聞こえた嗚咽に、 次第に我慢していたものが込み上げてくる。 「そっか……兄貴、死んだのかよ……」 マイは目を伏せた。抱えたヘルメットにぽたぽたと雫が落ちた。 「兄貴の馬鹿野郎……っ。俺に軍を辞めて女らしく 生きろとか偉そうなことを言いやがって……てめぇが 先に死んでるんじゃねーかっ……」 ディバイダーは格納庫の端で佇む白銀の機体(人型機械兵器)に 目をやった。ツルギの専用機『刻(コク)』だ。未だ解体されずに 安置されたままだ。 ツルギが昏睡状態で救出されたあの日、ディバイダーに謎のデータを 託すかのようにして刻もその機能を停止した。 目立った外傷もなく、内部に異常が見られたわけでもない。 エネルギー切れ、動力炉の故障が疑われたが、これらの異常も全く 見当たらなかった。 異常もなく動かぬ機体。仮にも半永久機関を組み込んだ機体だ。 突然の機能停止はあり得なかった。 システムという名の思考も、エネルギーという名の血液も、 動力炉という名の心臓も異常はない。まるで……ツルギという半身を、 生命を……魂を失ったかのようにその機能を停止させたのだ。 「……刻、お前も泣いているのか」 黄金の光を宿さぬ双眼は涙を流しているように見えた。 ***** ***** ***** 日付不明……異世界にて。 ツルギは携帯電話の軍規を確認しながら溜息をついた。 「やっぱり戦死扱いだよな。帰る時に戻り辛いな」 ごろんと寝ころんで、闇夜の空を見上げた。相変わらずの闇一色だ。 地球の青々とした空が懐かしい。 「……俺、軍に復帰出来るのかな。魔法が実在するなら、 時間を遡って、召喚直後に戻してくれるのかな」 こうしている間にも地球はどうなっているんだろう。部隊の 仲間達や憧れの大尉の顔が思い浮かんでは消える。 現状が判らない不安、自分が参戦出来ない苛立ちはあるが、 彼等ならきっと地球を守るだろう。 「あの子はああ言ったけど……早く身体を取り戻して帰らないと。 いつまでも借りているのもな。この……人だよな。人に悪いだろ」 身体のことだ。服装と装備の見た目は再現されているが、 ツルギの容姿は上手く再現出来ないのか、元の持ち主である 銃使いの青年のままだった。 「なぁ、刻(相棒)。お前はどうしてるんだ?」 と呟いた時、刻の専用ロングライフルを模したロングライフルの ECラインに微かに青白い光が宿ったが、ツルギは気付かなかった。 |
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今回の滞在 | ||||||
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戦場アナにおねがい | ||||||||||||||||||||||||||||
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