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召喚魔法。「召喚士」が使う、私や他の英雄達をこの地に喚んだ魔法。 召喚魔術師の依代に眠る召喚魔法は、召喚士のものとはまた違うらしいが――あの司書は「異界の生物の写し身を生み出すことができる」と言っていた。 この召喚魔法で創る事ができるのは“写し身”だけ。召喚士のように、世界の境界を越えて物を呼び寄せる事は、少なくとも今は不可能なのだろう。 しかし、依代の使う召喚魔法でも、使用者の心ではなく、異界から創造物を構築する情報を得ている――つまり、一時的にではあるが、異世界へと繋がっているという事になる。 幻創魔法よりも召喚魔法の方が高度な幻創を行えるが、幻創に使う時間は召喚魔法の方が明らかに短い。心や記憶という安定しない物を芯として一から構築するより、異界の生物の情報を丸ごと写す方が安定性・確実性共に高いのだろう。 ……恐らく、ここまでは間違ってはいない、筈だ。 現に、先日始めて召喚魔法に成功した際、私の記憶に無い生物を――そう言って良いのか判断し辛い程の異形ではあったものの――幻創する事ができた。 あんな出来損ないは一度見たら忘れられないだろう。異界へ繋がっていなければ説明がつかない。 ――暫くは召喚魔法の修練を積む事にしよう。 異世界へ繋がる道を、もっと広く、太く、そして長時間維持できるようになれば―― (走り書きがされている) “ストーキング修練”という隠された能力を持つ依代があるという噂を聞いた。 ……嫌な予感がするので、一応調べておく事にする。 |
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