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Diary | ||
「働け」。 半ば冗談で検索したあのフレーズに、こんな回答が返ってくるとは。あの場はなんとか切り抜けたつもりだが、動揺は隠しきれたかどうか。 ……それにしても、何故私が元の世界で定職に就いていない事を知っているのだろうか。 いや、情報検索の最中に隠れて異界の小説を読んでいた事への注意かもしれない。今回検索した言葉は小説の一つから拝借した物なのだ。検索をしていれば、いずれその小説にも行き着く筈……。 そうだ、きっとそうに違いない。 しかし、この世界の何処で職を探せと言うのか。そもそも街がこの惨状だというのに、悠長に求人を出している奇特な職場はあるのかどうか。 改めて質問をした(勿論情報検索でだ)ところ、「暇なら本棚の掃除でもしてくれ」と返された。やはりこの状況で就職先を見つけるのは困難なのだろう。 そもそも情報検索で職を探す事自体が間違っているのだが、司書の反応が楽しみなので私としては全く問題無い。 それに、異世界で職を見つけてどうなるというのか。 職業訓練? 馬鹿馬鹿しい。世界が違えば法則も規則もやり方も異なる事が子供の頃の私にすら解ったのだ。敢えてこの世界で職に就く意味は無いと言っても過言ではないだろう。 ……さて、いい加減まともな単語を検索してやらないと、また叱られてしまいそうだ。 散々からかった詫びとして、暇を見つけて掃除をしておいてやるのも良いかもしれない。できれば何か労働への対価が欲しい所だが、文句は言うまい。 |
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今回の滞在 | ||||||
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