ネルの一週間

気がついたら、此処に居た。

あの人がオレに甘いのは知っていたけれど。



それにしても、好い加減子離れして欲しい。

母様の鬼面が見えるようだけど、今回は反省して下さい。



けれど、何故。



此処に呼ばれたのかな？

解らない、ただ、頭に響いた声。

次の瞬間には否応無しに、次元の狭間へと飲まれた。



「此処は・・・？」



「解らない、異世界みたいだけど・・・」



フェイトが首を傾げる。



違和感。



透ける彼の姿、オレも又。

肉体が無いと気がついたのはその直ぐ後。

何だか、厄介な事になったんだと想う。



「先ずは、ヨリシロ探しかな・・・之は」



「・・・うん、このままでの行動は無理」



明らかに、存在が安定しない。

力も、之で動くのは危険だと頭が警笛を鳴らすから。

けれど、実は。



一番の問題は其処ではないんだよ。

明らかに力がセーブされている。

やっぱり、母様の言われていた通り自力で解放

するしか道は無さそう。



取り合えず、足取りの確認の為だけに日記を付けてみる。

異世界探索って色々、面倒なんだよなぁ...。

フェイトの適応力が高くてよかった。



ホント、如何しよう。。。