棺桶と少女の一週間

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Diary

その男に優れた才能はなかった。
 特別、秀でた頭脳も持っていなければ魔道に精通しているわけでもない。
 ほんの少し、医療に関する知識と技術を持つだけの一般人であった。
 しかし、こと娘への愛情に限るのであれば。
 男は世界中の何者にも敗れはしなかった。

 自らの行く手を阻む男達を鏖殺し、男は壇上の棺桶へ向かった。
 其処にはまだ幼い黒髪の少女が胸を串刺しにされて眠っている。
 娘。
 娘だ。
 ああ、娘だ。
 自分が誰よりも手塩にかけて何よりも大切に育ててきた娘だ。
 今は亡き妻の面影を色濃く残す世界で最も美しい娘だ。
 世界の全てを天秤にかけてもまだ足りぬ程に愛しい娘だ。

 その娘が心臓を突き刺されて死んでいる。
 そんな現実が許せるだろうか。
 許せない。
 許せるはずがない。
 こんな下らない儀式のために娘が死んでいい訳がない。
 いや、どんな理由があろうとも自分は娘の死など認めない。
 娘は幸福でなければならない。
 娘は永遠でなければならない。
 生涯において一分の不幸も許さない。
 生涯において一瞬の別離も許さない。
 だからこんな現実は絶対に許さない。

 怨嗟にも似た詠唱が始まる。
 其の魔法の名は召喚術。
 カレイディアにおける最大の神秘の一つ。
 男には使えない。それどころか存在さえ知りはしない。
 ただ虚空の彼方に在る筈の娘の魂へ呼び掛けているだけだ。
 それは術としての形さえなさぬ嘆きの声でしかない。
 娘の魂を呼び戻そうなど妄想に等しい夢物語だ。
 万に一つも成功の見込みなどない。
 億に一つも成し遂げることは叶わない。
 それでも那由他の果てに奇跡という可能性があるならば。
 男に絶望する謂れは何一つとして存在しない。

 ――――詠唱が響く。

 その男に優れた才能はなかった。
 特別、秀でた頭脳も持っていなければ魔道に精通しているわけでもない。
 ほんの少し、医療に関する知識と技術を持つだけの一般人であった。
 しかし、こと娘への愛情に限るのであれば。
 男は世界中の何者にも敗れはしなかった。


 ――――全ては完璧だった。

 喧騒が過ぎ去った広場で男は蘇生した娘を見つめていた。
 その胸に突き刺さっていた短剣はもうない。娘自身が引き抜いた。
 痛ましい傷は塞がり、肢体は滑らかに動き、意志のある言葉を話す。
 全ては完璧だった。
 男の妄執は遂に奇跡の領域へ届き、死した娘は死の淵より蘇った。
 けれども何処かが違っていた。
 髪の色が違っていた。娘の髪はもっと艶やかな漆黒だった。
 冷ややかな肌が違っていた。娘の身体はもっと温かだった。
 傷痕だらけの身体が違っていた。娘は清らかな処女だった。
 違いはなかったことにした。
 記憶が違っていることにした。
 全ては完璧だった。
 けれども何かが壊れていた。
 表情が壊れていた。朗らかな微笑が消えていた。
 精神が壊れていた。異常な知識と言葉を操った。
 記憶が壊れていた。自分自身の事も忘れていた。
 壊れていないことにした。
 これは娘ではないと叫ぶ自分を壊すことにした。
 全ては完璧だった。

 ――――全てが完璧になった。


             ――――とある百人の兵隊に紛れ込んだ偽物の話

今回の滞在

戦場アナ
「今回の攻略拠点は「召喚の御座-汚れ無き霊場」ですね」
召喚士
「時間になったら集まるのよ」
  • 召喚の御座-普遍回廊に滞在します。

メッセージ(パーソナル)

取引メイ
「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」
取引メイ
「……メッセージの送信ですね。承ります」
取引メイ
「……1件のメールが届いております」
E-No126 石楠花からメッセージが届きました。
石楠花
「比喩の端々が誤っていることは問う方が無粋なのだろう。
……それにしても葬礼を施すだけでそれほど喜ばれるとはな。
葬礼など残された者が悲しみに浸る形式儀礼で、冥府へ旅立つ者の寄る辺にはならないものだが。
もしや誰一人として最期を見送ってはくれなかったか。……生前の氏の人柄が忍ばれるな」

メッセージ(リンケージ)

リンケージはありません

コンファイン

  • コンファインは行いませんでした。

マーケット

マーケットを利用しませんでした。

スキルセッティング

  • 牽制スキル「射撃武器で攻撃」の準備、問題ありません。
  • 本命スキル「射撃武器で攻撃」の準備、問題ありません。
  • 必殺スキル「射撃武器で攻撃」の準備、問題ありません。

アビリティセッティング

  • No1のアビリティ「間接スキル修練」は使用がOFFになっています。
  • No2のアビリティ「HITゲイン」は使用がONになっています。

アイテムセッティング

  • 主力装備は「怨念?」です。
  • 補助装備は「棺桶の蓋」です。
  • 身体装備は「古びたドレス」です。
  • 装飾装備は「十字架のネックレス」です。

アイテム工房(発注)

工房に発注します。担当者を呼んでみました。
テンコ主任
「妾の工房に発注したいとな?」
テンコ主任
「よかろう、たんまりと魔石を積むがよい。妾が代理人になってやろうぞ」
テンコ主任
イルの工房は発注を受け付けておらんよ」

スケジュール

  • 大けがをしています。自動的に休憩が選択されます。
  • 1日目は休憩です。
    • HPが回復しました。(0404)
    • EXPが変化しました。(1116)
  • 2日目はトレーニングです。
    • HPを消費しました。(404346)
    • EXPが変化しました。(1641)
  • 3日目はトレーニングです。
    • HPを消費しました。(346288)
    • EXPが変化しました。(4166)
  • 4日目はトレーニングです。
    • HPを消費しました。(288230)
    • EXPが変化しました。(6691)
  • 5日目はトレーニングです。
    • HPを消費しました。(230172)
    • EXPが変化しました。(91109)
  • 疲労しています。自動的に休憩が選択されます。
  • 6日目は休憩です。
    • HPが回復しました。(172576)
    • EXPが変化しました。(109112)
  • レベルアップ! 56になりました。
    • 基礎HPが変化しました。(577613)
    • 基礎ATKが変化しました。(162172)
    • 基礎DEFが変化しました。(6777)
    • 基礎INTが変化しました。(00)
    • 基礎RESが変化しました。(00)
    • 基礎HITが変化しました。(198206)
    • 基礎SPDが変化しました。(130141)
    • 基礎LUKが変化しました。(9099)

攻略の時間になりました!!

召喚士
「そろそろ時間よ。集まりなさい」
戦場アナ
「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ!!」
召喚士
「……落ち着きなさい」