戦場アナ 「今回の攻略拠点は「召喚の御座-普遍回廊」ですね」 |
召喚士 「時間になったら集まるのよ」 |
取引メイ 「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」 |
取引メイ 「……メッセージの送信ですね。承ります」 |
取引メイ 「……6件のメールが届いております」 |
棺桶と少女 「鳴かず飛ばずの寝太郎も三年立てば立派な百姓に成長しました。桃栗三年柿八年。、葬礼を施せばきっと喜んで飛び起きてしまいますので泣く子は起こさず、象の花子のように生暖かく見守ってあげてください」 |
ヘロド 「こんばんは、石楠花。 魂の名にしては花の名、変わったものだなと思ったら、依代の趣味だったんだね。 ずいぶん気づかいするじゃないか。英雄にはもっと、依代は道具の一環としか思ってないやつも多そうなのに」 |
ヘロド 「唐変木どころか、なかなかどうして面白い話だよ。 頭から信じるわけにはいかないけれど、なんならすこし石楠花がその、『寿命』ということにしてみようか」 |
ヘロド 「人間ははるかいにしえの昔から、闇を恐れた。恐れるあまりみずからの手にしたのが、火であり光だ。やがて闇をぬぐおうとする心は、万象の不明をさえ照らし出そうとしはじめた。 わからないものをわかろうとするため、世界に理屈をつけて不明の闇をはらおうとするため、やがて人は神話と芝居と生み出して、そのいちばん原始のかたちは、とうぜんのように擬人法だった…… 人に擬されれば姿が生まれるなんてのは理屈の飛躍だけど、目の前にきみがいるんだ、『召喚士』の干渉を受けるくらいには、寿命の悪魔は存在感を持っていたんだろうね」 |
ヘロド 「おれのふるさとにも寿命を擬人化した物語はあったよ。ただ寿命という限定の商売じゃあないな、寿命は数ある死のうちの一態で、死の総元締めの死の神が、えらんであたえる死のバリエーションのひとつが寿命という具合だった。 多くの死のなかで寿命なんてものがとりわけ人格や意志を与えられているのをみると、石楠花のふるさとはもしかすると、ずいぶん平和だったのかもしれないな。戦乱や病気のほうが、死のなかではことさらとりあげられるものだから いやそれとも、あまりに寿命の死が少なすぎて、逆にきわだった輪郭をもったのかもしれないけれど……」 |
ヘロド 「ただそうするとひとつ気になるな。石楠花、きみは寿命の悪魔だ、寿命の悪魔たるきみにも、この世界へきたときにわかれてしまった自分の『身体』、帰るべきただひとつの、きみのほんとうの依代というものは、あったのかい? 寿命なんて、わりと観念的なものだと思っていたのだけど、もしもこの手でつかまえられるような体があるなら、それはそれで面白い話だよ」 |
召喚士 「そろそろ時間よ。集まりなさい」 |
戦場アナ 「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ!!」 |
召喚士 「……落ち着きなさい」 |