Diary
この前、ようやく装備品として使えそうなものを発掘しました。
発掘したのはロッド……いわゆる、魔法の杖。土に埋もれて汚れていた、小さな杖。いまはちゃんとドロを落として、きれいにしてカバンに入れています。
たぶんマジシャンやプリーストのひとなら、使えるはず。この身体(トレジャーハンター、と分類されています。たぶん、才能があっての分類。探索や冒険なんてしたことは無さそうな子供だから)では使えないけれど。
これまでに発掘したものは、以下の2つ。
鎧を着込んだ騎士をかたどった、手足がもげた木彫りの人形。見つけたとき、地面にめりこむようにして埋もれてました。たぶん、小さな男の子のもの。
いくつもの穴が開いてぼろぼろになった、シンプルなつくりの洋服。ワンピースに、似てる。あの花の姿をした魔物にやられたんだと思います。
どちらも戦いの役には立ちそうになくて、使い物にならないゴミと、そう、いわれていました。
だけどぼくは、そう思いたくありません。だってこれは、この世界の人たちの使ってきたものだから。夜に閉ざされる前には使われていた、日常の残りなんだから。
……もしかしなくてもそのうち、魔物に倒されて、奪われてしまうかもしれない。でも、それまでは大事に持っていようと思っています。もしかしたら、返せるかもしれないから。元の持ち主さんに。