戦場アナ 「今回の攻略拠点は「召喚の御座-混沌の神殿」ですね」 |
召喚士 「時間になったら集まるのよ」 |
取引メイ 「……こんばんは。メッセンジャーサービスです」 |
取引メイ 「……11件のメールが届いております」 |
石楠花 「……無闇矢鱈に家具を投げないでくれないか。 家具が痛むし、そも此方の方が余程騒音が酷いのではないだろうか」 |
石楠花 「彼の楼閣は天帝君が文人か書家のみを迎え入れるため建造した地。 すまないが、君が白玉楼に逝ける人物だったかと問われれば、否と答えざるを得ないな。 ……或いは俗世と乖離した独特の感性を芸術とすれば資格が在るのやもしれないが、 鬼才李賀君に対して大変な無礼を働いている気がしてならない。 此処は親不孝者の吹き溜まり、賽の河原辺りで納得しては貰えないかな」 |
石楠花 「早まるのは止めてよく顔を思い出してみたまえ、死体人形の君。 君ほどの若さならば追い付いたのは他の何者だったのではないか。 老人趣味の私が幼子に手を下す道理はないだろう?」 |
石楠花 「……と弁明しても、聞く耳を持たないのが死体人形の君なのだろうな。 張り付くのは自由だが、いずれ元の鞘に収まる身は同じこと。 遅牛も淀、早牛も淀。全くに哀れなものだね、私も君も」 |
ヘロド 「……」 |
飲みかけていた皮の水筒を空中で止めて、少女のほうをじっと見返した。 少しの沈黙。 |
ヘロド 「よ、アンシャーリーくん。ヘロドです。『神殿』の攻略戦ではお世話さまだね、どうも。 いい大人が揃って、幻創殺しの切り札はきみら後衛なんだから、笑えないけど。 しかし、元気な依代だな。中の魂のきみは不便じゃないかね」 |
ヘロド 「……すげえな、この紙。厚紙という言葉はあるけど、熱紙ははじめてだ。 悪いけど、おれにはとても書けそうにないよ。火傷するから。いや、しないにしても、おさえてられない。 紙に書くときにはさ、手で、紙を押さえるだろう? こう。右手を重しにしつつ、左手も置いて。そうしないと、紙のやわらかさが筆を拒んで、文字を紙に、刻めない。 紙の機能はいろいろあるけれど、今このとき、きみの要求の限りにおいては、書かれるところの場だ。 とすれば、書かれることを拒むような紙は、紙としてちょいと機能不全だな」 |
ヘロド 「それとも、これはなにかの精神的なテストかい? 書けるはずのない紙に、書けと言われてどうやって答えを出すか、とか」 |
ヘロド 「……と、考えると、きみの、食べてはいいかという問いかけにも、すこし用心深く入念に、答える必要があるのかな。 さてこの場合の食べるとはなにを意味しているのか、そも、食べるとはなにごとなのか。 きみの頼みをひとつ断った以上、これにはこたえてあげたいが、食べ『られる』というのはどうにもおれにある種の変質をもたらすことと、一般的な定義上、わかちがたくつながっている。すれば、そう軽々にこたえられることでもない。 ……悪いなあ、その質問の答えは、保留にさせてもらえるか? 食べてもいいものかどうか、答えが出たら、かならずきみに伝えるよ」 |
棺桶にはすこし首をかしげる。さて、先からなにか、聞こえるような気もするけれど。 どうも鈍い男だった。 |
召喚士 「そろそろ時間よ。集まりなさい」 |
戦場アナ 「攻略ですよ攻略だよ攻略だぞ攻略に行くぞっヒョォォ!!」 |
召喚士 「……落ち着きなさい」 |