『召喚士』からのひとこと(第2回)

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英雄器って?

戦場アナ
「召喚士さん召喚士さん」
召喚士
「どうしたのよ」
召喚士
「というかアナタ、なんで丁寧語なの。同い年でしょ」
戦場アナ
「なんだかこの話し方の法が話しやすくて……」
戦場アナ
「や、それは置いとくとして。英雄さんたちの詳細ページとかを見て気がついたんですけど」
召喚士
「うん」
戦場アナ
「アイテム欄の『英雄器』って何でしょうか?」
召喚士
「文字通り。英雄の使っていた装備のことね。魔器、神器といったように『器』の名を持つアイテムに対する強力な尊称と言えるわ」
戦場アナ
「あっ、ということは伝説のアイテムとかなんですか?」
戦場アナ
「高く売れるかな」
召喚士
「二束三文にもならないわ」
戦場アナ
「えー」
召喚士
「ただ単に、彼らを召喚したときに一緒に幻創したってだけ。彼らのキャラクターを象徴するのに手っ取り早かったから」
戦場アナ
「幻創……ああ、クリエイティングマジックの達人でしたね」
召喚士
「他に使い手がいないだけの骨董技術よ。こんなの」
召喚士
「ま、とにかく彼らのアイテムにもエトランジェの資質が少しだけあるわ。彼らの元の世界での強さは知らないけど、この世界ではエトランジェの付属品ってだけで脅威なの」
戦場アナ
「……」
召喚士
「術は失敗しちゃったけど、これらには残滓が残っているわ。この『召喚の御座』は私の魔力で満ちているから、ここでなら力を少しは発揮されているはずよ」
戦場アナ
「外に出るとどうなるんですか?」
召喚士
「ただの最弱装備に成り下がるわね」
召喚士
「戦闘になれたら、適当なアイテムに持ち替えておいた方がいいかもしれないわよ」
戦場アナ
「なんだか勿体ないですね。英雄さんのアイテムなのに……」
戦場アナ
「むむ。見破りましたよ。このアイテムをずっと持っていると、いずれ覚醒して真の力を発揮しちゃうわけですね!」
召喚士
「それは無いわ」
戦場アナ
「断言ですか」
召喚士
「その武器は、彼らのイメージを私が作り出しただけのモノだから。ただのイミテーション。本物は彼らの身体と一緒にアイツに持って行かれたわよ」
戦場アナ
「むむ……『彼女』ですか」
召喚士
「エトランジェが魔法を否定する最強の防御力を持つのと同時に、英雄の武器は魔法を否定する最強の攻撃力を持っているわ。いずれは取り戻しておかないといけないわね」
戦場アナ
「やることいっぱいですね」