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<<Week9
>> 各種宣言
-WEEK10-
Smart Diary
「せ
…
…
先生! 先生! リャツカさん、起きました!」
初めに耳に入ったのは知らない声だ。薄く開けた目に映った藍色には、寝ぼけていてもわかるくらい見覚えがあった。この学園で行き交う、みんなの制服の色。
それっきりその色は視界に戻ってはこない。あるのは見覚えのある天井。周りに並ぶのと同じ、背中で感じるふかふかのベッド。消毒液のにおい。近づいてくる足音。たぶん、ここは。
それが合っているなら、この部屋にいる『先生』はきっとひとりだ。その人なのかな。わたしを覗き込む姿は、思い浮かべた通り。
「よかったわ~、とってもぐっすり寝ていたものね~」
黄緑色の髪、その中から生えた角、丸い眼鏡に、薬学の授業で聞き慣れた間延びした声。
メリーナ先生が向けてくれるにこにこ顔は、なんだか普段に比べて随分疲れているみたいだった。
保健室には何度も来ていたし、こうやって少し寝かせてもらったこともあったけれど、その時のどれよりも。
そんなことを思いながら先生の方を向こうと、布団の中で体をひねる。それだけで骨が軋むみたいな痛みが走って、意識したより早くわたしの口から小さな悲鳴が上がる。
「まだ動いちゃダメよ~、安静にしましょうね~。
痛みが強いようなら~痛み止めや~眠り薬を出すけれど~、大丈夫かしら~?」
先生は努めて笑顔を見せて、そう聞いてくれた。
じっとしていれば、なんとか我慢できるくらいの痛みだ。けれど後でもっと痛むかもしれない。それを考えるとすぐには答えられなくて、視線が泳ぐ。
「痛くなったらすぐに言うのよ~。ひどいケガだったものね~。
しばらくは~ゆっくりお休みするのが肝心よ~」
答えないままのわたしに先生はそう声をかけて、ベッドのそばから離れていく。足音を聞くだけでもわかるくらい速足で。
さっきみたいに、また誰かに呼ばれていたのかもしれない。このベッドの周りは、元通り静かな寝息に包まれているけれど。
ひどいケガ、というのはその通り。何より全身の痛みが、間違いないって伝えてくれている。
じゃあ、どうして?それを思えば、自然と眠る前のことに意識が向く。もう目の覚めた頭が、はっきり思い出せるその時間に。
わたしが横たわっていたのは、こんな暖かいベッドの上じゃなかった。戦場になった学園のグラウンドの土の上に転がっていたはずだった。同じ班の子たちと一緒に。
そうなった直後の絶望感。わたし、死んじゃうんだ。殺されちゃうんだ。あのスペリオルの人たちに。
けれどそうじゃなかった。倒れたわたしたちにはそれ以上見向きせずに、あの人たちは去っていった。まだ立っている生徒を、わたしたちみたいにするために。
それがわかっていても、遠ざかっていく足音を全身で聞けば、心に湧いてくるのは安心そのものだった。わたし、死ななくて済んだんだ。もう戦わなくていいんだ。でもそう思うことそのものが、同時にひどく後ろめたくて。
まだ戦っている人だっているのに。わたしたちが戦わないと、外でもっとひどいことが起きるかもしれないのに。わたしたちは、あの人たちを止めなきゃいけなかったのに。どうして諦めてしまうの。どうしてひとり、もう関わらなくていいなんて思っていられるの。
それが、わたしの思った最後の。
…
…
最後?
ううん、違う。
だって、わたしが最後に見たのは。
「うう
…
…
うっ!」
身体を軽く起こそうとするだけで走る強烈な痛みに、動いちゃダメ、と言われたさっきのことが蘇る。
そんな状態で、思うようになんて動けるわけない。すぐにベッドの上に逆戻りして、体に響く痛みに震える羽目になる。
でも身体を起こせた一瞬にかろうじて開けていた目は、開いたままのカーテンと、窓の向こうを捉えていて。
そこに見えたものが一番。ううん。何も見えなかったのが、わたしにはつらかった。
学園のどこからでも、もちろん保健室からも見えたはずの塔が、そこにはもうなかったこと。
わたしが最後に見たように、やっぱりあの塔は、なくなっちゃったんだ、ってことが。
あの戦いは、かろうじて学園側の勝利に終わったこと。
けれど最後の最後で、スペリオルに塔が爆破されてしまったこと。
それに巻き込まれて、学園長先生や何人もの生徒が行方不明になっていること。
それを教えてもらったのだって、あくまで少しずつ。お見舞いに来てくれた寮の子や、授業で何度も一緒になった子がお見舞いに来てくれる時は、ほんとうにうれしかった。
わたしはいつも、それを裏切ってしまっていたけれど。
あの戦いのこと、今の学園のこと、この先のわたしのこと。
新しいことを聞いて考えるたびに、せっかくよくなってきたわたしの体調は逆戻りしていた。
胸がドキドキする。頭がぐるぐるする。息が苦しくなる。そうしてまた、しばらくはベッドの上から動けない。そんな日々は、ぜんぜん終わる気配がなかった。
ベッドサイドの棚の上にあるお見舞いの花がしおれていっても、花瓶が棚の上から姿を消しても、空いたそこにみんなが取ってきてくれたノートのページが積み重なっても。体が痛いのだけは、少しずつでも治っていっているのに。
体調のいい時、たまにノートを読むことはできる。けれどひとつを手に取っても、それはまだまだ読めていない分の何十分の一。
頭をみっちりと埋めてしまうのはそのことばかりで、せっかく届けてもらったのに、書かれている文字なんてぜんぜん頭に入ってこなかった。
諦めてシーツに背中をつけたってページは勝手に減ったりしないし、ずっと寝ているんだから眠れもしない。そんな時にふと頭に浮かぶのは、お母さんや村のみんなのこと。
もうずっと、手紙も書けていなかった。体調のこともあるけれど、何を書いていいのかなんてわからなかったから。
お母さん、手紙が来なくなってきっと心配してるだろうな。でも、人と戦いましたって、ずっと保健室にいますって、そう書くのとどっちがいいだろう。
あの戦いの前、自習室に置いてきたままの手紙はどうなったんだろう。何の音沙汰もないんだから、きっともうとっくに捨てられてしまったに違いない。
まだ名前さえ書けていなかった、もう誰のものかもわからない便箋なんて。
その日、メリーナ先生が訪ねてきたのはいつもよりずいぶん遅かった。
体調には変わりないか、ご飯はちゃんと食べられているか、眠れているか。
もうすっかり順番まで覚えきってしまったいつもの質問が終わっても、メリーナ先生は席を立つことはなかった。
その質問の続きみたいに、なんでもないことをずっと話している。
そうしてふと、話が前に保健室へ来た時のことへ差し掛かった時。眼鏡の奥のメリーナ先生の目が、なんだかちょっとだけ優しくなった気がした。
「あの侵攻の前から~何度も保健室に来ていたの~よく覚えているわ~。
そんなに体調が悪いのに~とっても頑張ってくれたんだもの~。少し、お休みしてもいいと思うのよ~」
「そんな
…
…
先生、わたし、もう十分お休みしてます。こんなにずっと、保健室においてもらって
…
…
」
首を横に振りながら答えたわたしを見て、先生は少し口をつぐんで、何かを考え込んだように見えた。
そうしてまた話し出す。ゆっくりした口調をさらに延ばして、慎重に。
「
…
…
アルルコちゃん~。
少し
…
…
学校自体から、しばらく離れることを考えてもいいと思うのよ~」
学校から、離れる。確かに耳に入ったはずのその言葉は、なかなか頭まで染み透ってはいかない。
頭の中に透明な壁ができて、途中の道を塞いでしまったように。
「授業を一日お休みするのと変わらないわ~。ずっと体調が悪ければ~学校自体だって~よくなるまでお休みしてもいいものなのよ~。
他にも~あれをきっかけに体調を崩してしまって、お休みしている子が何人もいるわ~。
大きな戦いだったもの、ショックで当たり前だものね~。
いくつかの授業だけをお休みしている人もいるし、学校自体をお休みして、おうちに帰っている人もいるのよ~。
わたしは~~
…
…
できれば、おうちに帰ることを勧めたいのだけれど~」
「できません!!」
行き先が閉まっているのにどんどんと足されて渋滞した言葉は、堰が抜ければ鉄砲水みたいにいっぺんに頭に押し寄せてきて。
口から上がったのはまるで悲鳴みたいな叫び声だった。驚き顔の先生が口に立てた一本指を当てるけれど、それでも止まらない。
あまりしゃべることもなかったこれまでが、いまここに圧縮されてしまったみたいに。
「わたし、まだなんにもしてないんです。なんにも勉強できてないんです。しなきゃいけないことが、たくさんあるんです。
ならなきゃいけないわたしがいるんです。みんなに応えなきゃいけないんです。
それにはまだまだ、ずっと遠くて、だから、わたし、頑張らなきゃ。
学園に、いなきゃ、いけないんです
…
…
」
言葉と一緒に湧き上がってくる涙は堪えようとするたびに口の方へ響いて、出る声はどんどん震えていく。
急にたくさん仕事をさせられて、その上涙まで堪えさせられる喉がびりびり痛む。
でも、でも、言わなきゃ。わたし、帰るわけにはいかないんだもの。まだぜんぜん、みんなのところになんて帰れないんだもの。
そう思えば思うほど、喉がつかえて言葉が出なくなっていく。
どうして。どうして肝心な時に、動いてくれないの。
その怒りが加わればとうとう、目からぼろぼろ溢れる滴を止められなくなってしまった。
合わせる顔もなくて、下を向いてしゃくりあげるばかりのわたしへ差し出される何かがある。頬とまぶたが感じる、乾いた布の感触。
先生はそっと手を伸ばして、ハンカチで涙を拭ってくれていた。
「教えてくれて~本当にありがとうねぇ~。
そんなにやる気があるんだもの~、泣いちゃうくらい悔しいことなのは当たり前よ~。
びっくりさせてごめんなさいね~、今日~今~決める必要は~ぜんぜんないのよ~」
そうして頭をぽんぽんと、やさしく撫でて。
「いきなりのお話で~びっくりさせてしまって~本当にごめんなさいね~。
せっかくアルルコちゃんがお話してくれたんだもの~先生も一緒に~考えますからね~。
ひとりで悩むなんて~絶対に~させませんからね~」
そうしてわたしの肩を引き寄せて、ぎゅっと抱きしめてくれた。
毛布みたいにあったかいふわふわの髪の毛と服に、涙が染み込んでいくのも気にせずに。
「アルルコちゃんは~やっぱり、と~っても、頑張り屋さんなのね~。
ちょっとお休みしたら~すぐ出ていくんだもの、きっと~やりたいこと~いっぱいあるのねって思ってたわ~。
「これまでも~きっといっぱい頑張ってきたのよね~。いっぱいいっぱい考えたのよね~。
わたし、それは本当に~すばらしいことだと思うわ~」
頑張った。考えた。自分で自分に言ったって、絶対に信じられない言葉。いくらやったって、足りないんだから。
けれど、先生はそう言ってくれるの?
そう聞き返す言葉は出てこない。もう喉はぜんぜん言うことを聞かなくて、声ももう声にはならない。
聞こえるのは、耳元で話してくれる先生の声だけ。
それがなくなったって、ただ何も言わずに頭や背中を撫でてくれる手が、
とっても、あたたかかった。
(To be continued:https://privatter.net/p/8918028
完成予定日:6/19)
パーティメッセージ
メッセージはありません。
メッセージ
メッセージはありません。
青い鳥メッセージ
メッセージはありません。
参加コミュニティ
参加コミュニティはありません。
魔法学園の声
ラングリース先生
「そういえば……
皆、生徒たちとの授業は順調かい?」
ラングリース先生
「私のところは言わずもがな、皆優秀な生徒たちだよ」
マルル先生
「ワタシのとこもイイコばっかりなんだわ!
授業がムズかしいって思うコも優秀なコも、みんなカワイイんだわ!」
チャーミィちゃん
「ワッフ!! ワンワン!!! ワ!!
(オレサマの!! 生徒も!! ゆうしゅうなんだぞ!!
教えるオレサマが 優秀だからな!!)」
マイト先生
「
はっはっはっはっは!!!
私のところも!!
実に素晴らしい筋肉を秘めた者たち、粒ぞろいです
ぞ!!
」
エメロード先生
「皆、真面目にキチンと授業を受けている者ばかりでとても好ましく思います。
……まあ、居眠りでもしようものなら雷撃が襲い掛かりますが」
ラングリース先生
「ふむ……皆、思い思いに
充実した教師生活を送っている、ということだね。
実に素晴らしい事だ」
マルル先生
「ワタシも、最初は教師なんて立派なこと、
出来るかなって思ってたんだわ……
でも意外となんとかなるものなんだわねぇ」
エメロード先生
「物を教える、というのは中々……
教科書そのままでは進まないことを学びましたね……」
ラングリース先生
「ふむ、我々教師も……
生徒たちに落胆されないよう日々努力せねばならないね」
マルル先生
「リースが珍しく良い事言ってるんだわ」
チャーミィちゃん
「ワフ……
(明日は 魔法雨だな)」
ラングリース先生
「ひどいなぁ、私はいつでも生徒の事を第一に考えているよ」
エメロード先生
「……まあ、真意はさておき、
その姿勢は見習わねばなりませんね」
マルル先生
「そーだわねえ、ワタシも頑張らなきゃなんだわ!」
通常戦闘
柄杓娘ひとり
遺跡の魔物たち
PNo.717
アルルコ・リャツカ
VS
這い寄る骨
探索
探索中. . .
アルルコ
はSCを290、TPを19手に入れた。
訓練
授業が選択されていません。
目的の決定
時戻りの儀式
???
スフィアと呼ばれている。
その正体は、学園の最大の秘密のひとつ。
【時戻りの儀式】に関係しているらしいが……?
好きな食べ物はひみつ。
???
「……今の私の力だと、願いを叶える力は1回。
1回だけ使えるよ」
学園長
「……そうか。では……行おう。
時戻
りの
儀式
を――」
各々のSmartBookから、魔方陣が展開された。
その後に、学園長の姿が幻影で映し出される。
学園長
「
生徒諸君、防衛の要、塔は破壊されてしまった。
塔が無ければ学園内の魔力は徐々に四散し、
やがて魔法を使えなくなってしまうだろう
」
学園長
「
そのため、私は……
今から、時を戻り、塔が壊された事実を
なかったことにしようと思う
」
学園長
「
このセカイの流れと、新しいセカイの流れは統合されるので、心配は――
いや、何を言っているのか、分からないね
」
学園長
「とにかく、心配はいらない。
私が責任を持って、このセカイを守るから――」
学園長
「
ついてきたいものはついて来るといい。
私は歓迎する!
」
・
・
・
リベルタ先生
「我輩は行かんぞ」
マスク先生
「ええ? まさか生徒のために……」
リベルタ先生
「いや、二つのセカイが統合された時の感覚を知りたい」
マスク先生
「お前……いや、アンタはそういう奴だな……」
・
・
・
学園長
「では、
時戻
りの
儀式
を始めよう――」
学園長が手を掲げると、周りに複雑な魔法陣が展開される。
学園長
「
六天
を
越
える
七
つの
火
よ
深淵
に
届
く
水
のかけらよ」
学園長
「
全
てを
統
べる
大地
の
力
よ
悠久
に
揺
らぐ
風
の
流
れよ」
魔法陣から、一陣の風が駆け抜けていく。
学園長のフードが、ばさり、と翻った。
学園長
「
迷宮
を
司
る
闇
の
力
よ
天空
に
聳
え
立
つ
光
よ」
展開していた魔法陣が、呼応するように強く輝きを増す。
学園長
「
我
が
名
は――
七
つの
天
を
統
べしもの、
ベルスフィア!
」
学園長
「
塔
よ――
我
が
力
を
喰
らい、
過去
へ
駆
けよ!」
辺り一帯を飲み込むような眩い光を放ち
――
学園長
「
儀式魔法
時戻
り――」
・
・
・
光が収まると、学園長と、一部の教師、そして一部の生徒が、消えていた。
リベルタ先生
「……行ったか」
ミラージュ先生
「行ったか、じゃなくってよ!
もっとちゃんと事情を説明しなさいよ!」
リベルタ先生
「ふん、我輩もよくは知らん。
だがまあ……」
リベルタ先生
「
生徒どもよ。心配するな。
どうせすぐに時間は統合されるであろう
」
リベルタ先生
「
それまで適当に過ごすが良いぞ」
マルル先生
「うわ~~ん!
よく分からないけども……
と、とにかく早く学園を立て直すんだわ!
残ってる生徒の安全確認も急がないと~!!」
・
・
・
パルフィー先生
「……私も行きたかったな」
ラングリース先生
「どうやら、まだしばらくは時戻りの影響があるようですね
そちらの魔方陣から、渡ることができるとか」
パルフィー先生
「ええ!?」
・
・
・
学園長
「さて……改めて始めましょうか」
チャーミィ
「ワンワー!」
マスク先生
「……はあ、また最初からか」
学園長
「仕方ないじゃない!
済んだことはつべこべ言わない!
ほら、行くわよ!」
・
・
・
学園長
「さて――」
学園長
「ようこそ」
学園長
「【魔法学園へ】」
次回予告
柄杓娘ひとり
遺跡の魔物たち
PNo.717 アルルコ・リャツカ
VS
ツナヒーラー