Secret Sphere
<<Week9
-WEEK10-

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Smart Diary
ワカメ
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ペンを取る。

目の前には手紙の下書き。
この言葉は、故郷にはないから音だけ写して、どうやって説明したものかと考える。

赤いインクで自分の手紙を添削する。
このインク、甘い匂いがするから好き。
何でも、有名な植物の匂いらしい。
故郷に帰ったら、探してみようかな。でも、無いだろうな。

勉強も、学園も、図書室も、帰ってしまえば何もない。

ああ、いや、図書館はちょっとだけあるって言えるようになるかも。
こんなに写本を頑張ったのだから。
これは全部、持って帰っていいってことになったのだから。

ペンを動かす。

最初は持ち方もわからなかったけど、授業が始まる前にたくさん練習できてよかったな。
練習のためだけの時間があんなにたくさんあるっていうのがすごいよな。

帰ったら、何をしよう。
やりたい事がたくさん増えた。
出来る事もたくさん増えた。

やるべき事も、やらないといけない事もたくさん待っているだろうけれど

うん、使い魔なんてものまで手に入れたんだ。
やれる事が増えたのだから、頑張れる。がんばってもよくなったんだ、きっと。

ああ、すごいなあ。すごいなあ。

ペンを置く。
目の前には添削まみれの手紙の下書き。

ちょっとだけ、やになるな。恥ずかしいような気持ちになるな。

僕たちの言葉はあんなに綺麗なんだ。けれど、でも、伝えたいこと伝えるための言葉も、知りたいことを知るための言葉も、こんなにも足りない。
3人、今度からは4人か。でも、それきりのヒトだけしか使わない言葉だもの。
きっと、しょうがないんだけど

いや、今はしょうがないだけだ。

いつか、同じ言葉で話せる子が、伝えたいことを伝えられるように、知りたいことを、考えたいことを扱えるように、言葉をたくさん持って帰ろう。
帰っても、作ったりできるかな?
できるな。僕はそういう事ならきっと頑張れるもの。

ああでもまずは、頑張っても大丈夫になるように、やりたくて、やるべきで、やらなきゃいけない事をしなければ。

メッテンスはいつ流れてくるだろう?





人面獣はつらつらとそんなことを考えつつ、手紙を書き進めた。
時戻りの儀式に巻き込まれる、前の日の晩の話だ。
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パーティメッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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メッセージ
牛
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メッセージはありません。
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青い鳥メッセージ
蟹
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メッセージはありません。
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参加コミュニティ
ワカメ
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コミュニティNo.221 フェルゼン寮113号室
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.721 緑の丘陵
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.724 魔術言語研究会
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.79 フェルゼン寮ロビー
で、0人の発言がありました。
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アイテム
亀
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トゥアは薬草ティーセット~季節のお菓子付き~ を食べた。

複数の薬草をブレンドした魔法学園オリジナルティーと、
季節のお菓子が付いたティーセット。

運命力が増加した!
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魔法学園の声
ワカメ
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Icon
マルル先生
「畑で新鮮なニンジンがたくさん収穫できたわね~
 ふふふ、どんな料理にしようか迷ってしまうだわ……」

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ラングリース先生
「やあ、マルル先生ではないですか。
 美味しそうなニンジンが沢山だ。
 重たそうですね、運ぶのをお手伝いしましょう」

Icon
マルル先生
「あ、ラングリース先生。
 ありがとう、助かるんだわ~
 ワタシじゃ大量に持てなくて」

Icon
ラングリース先生
「フッ、レディを助けるのは当然のことですよ。
 しかしかなりの量ですね」

Icon
マルル先生
「そーなんだわ!
 フェルゼン寮の庭の一角で育てていたんだけど、
 今年は実りが良くてたくさん採れたんだわ~」

Icon
ラングリース先生
「成程、マルル先生はニンジン料理がお好きでいらっしゃいましたね。
 これなら、さぞ美味しいニンジンのフルコースが出来ましょう」

Icon
ラングリース先生
「何故なら貴女のように優しい女性が丹精込めて世話をし、
 そして収穫したニンジン達ですからね
 愛情を沢山受け成長した……
 最早それだけで、高級料理すら凌ぐ程の事でしょう」

Icon
マルル先生
「……いやあフツウにお世話しただけなんだけどね
 しかし相変わらずラングリース先生は、
 歯の浮くようなセリフがポンポコ出てくるわねえ
 ある意味感心するんだわね」

Icon
ラングリース先生
「フフッ、光栄ですね。
 では私と是非、二人きりで
 見晴らしの良い丘のある畑の見学にでも……」

Icon
マルル先生
「手伝ってくれたことはありがたいけど遠慮しておくんだわ
 ニンジンの加工も色々しなきゃならないし」

Icon
マルル先生
「あ、これ運んでくれたお礼に、
 ニンジンお裾分けなんだわ
 栄養豊富だから食べると良いだわよ
 それじゃあね~」

Icon
ラングリース先生
「…………」

Icon
ラングリース先生
「フッ……
 そのままで齧るニンジンも、また美味なものだな……」
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通常戦闘
ワカメ
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魔法学園の生徒遺跡の魔物たち
PNo.280 トゥア=オーレス-ナナイ・ティー・テ・テ・スフィVSイフリートの炎
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探索
ワカメ
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探索中. . .
トゥアはSCを290、TPを19手に入れた。
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《古代言語》
海老
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授業が選択されていません。

《古代言語》の授業を1回選択!
トゥアはMMPが22増加した。
トゥアはMSPが23増加した。
トゥアはMMPが23増加した。
トゥアはMSPが24増加した。
トゥアはMMPが23増加した。
トゥアはMSPが24増加した。
トゥアは防御力が15増加した。
トゥアは回避力が14増加した。

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ワカメ
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目的の決定
海老
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時戻りの儀式
ワカメ
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Icon
???
スフィアと呼ばれている。
その正体は、学園の最大の秘密のひとつ。
【時戻りの儀式】に関係しているらしいが……?
好きな食べ物はひみつ。
Icon
???
「……今の私の力だと、願いを叶える力は1回。
 1回だけ使えるよ」


Icon
学園長
「……そうか。では……行おう。
 時戻りの儀式を――」



各々のSmartBookから、魔方陣が展開された。
その後に、学園長の姿が幻影で映し出される。



Icon
学園長
生徒諸君、防衛の要、塔は破壊されてしまった。
 塔が無ければ学園内の魔力は徐々に四散し、
 やがて魔法を使えなくなってしまうだろう


Icon
学園長
そのため、私は……
 今から、時を戻り、塔が壊された事実を
 なかったことにしようと思う


Icon
学園長
このセカイの流れと、新しいセカイの流れは統合されるので、心配は――
 いや、何を言っているのか、分からないね


Icon
学園長
「とにかく、心配はいらない。
 私が責任を持って、このセカイを守るから――」


Icon
学園長
ついてきたいものはついて来るといい。
 私は歓迎する!










Icon
リベルタ先生
「我輩は行かんぞ」

Icon
マスク先生
「ええ? まさか生徒のために……」

Icon
リベルタ先生
「いや、二つのセカイが統合された時の感覚を知りたい」

Icon
マスク先生
「お前……いや、アンタはそういう奴だな……」










Icon
学園長
「では、時戻りの儀式を始めよう――」



学園長が手を掲げると、周りに複雑な魔法陣が展開される。


Icon
学園長
六天えるつの
 深淵のかけらよ」


Icon
学園長
てをべる大地
 悠久らぐれよ」



魔法陣から、一陣の風が駆け抜けていく。
学園長のフードが、ばさり、と翻った。



Icon
学園長
迷宮
 天空よ」





展開していた魔法陣が、呼応するように強く輝きを増す。

Icon
学園長
は――
 つのべしもの、ベルスフィア!

Icon
学園長
よ――
 らい、過去けよ!」



辺り一帯を飲み込むような眩い光を放ち――


Icon
学園長
儀式魔法 時戻り――」










光が収まると、学園長と、一部の教師、そして一部の生徒が、消えていた。


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リベルタ先生
「……行ったか」

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ミラージュ先生
「行ったか、じゃなくってよ!
 もっとちゃんと事情を説明しなさいよ!」

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リベルタ先生
「ふん、我輩もよくは知らん。
 だがまあ……」


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リベルタ先生
生徒どもよ。心配するな。
 どうせすぐに時間は統合されるであろう

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リベルタ先生
それまで適当に過ごすが良いぞ」


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マルル先生
「うわ~~ん!
 よく分からないけども……
 と、とにかく早く学園を立て直すんだわ!
 残ってる生徒の安全確認も急がないと~!!」










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パルフィー先生
「……私も行きたかったな」

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ラングリース先生
「どうやら、まだしばらくは時戻りの影響があるようですね
 そちらの魔方陣から、渡ることができるとか」

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パルフィー先生
「ええ!?」










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学園長
「さて……改めて始めましょうか」

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チャーミィ
「ワンワー!」

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マスク先生
「……はあ、また最初からか」

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学園長
「仕方ないじゃない!
 済んだことはつべこべ言わない!
 ほら、行くわよ!」










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学園長
「さて――」

Icon
学園長
「ようこそ」

Icon
学園長
「【魔法学園へ】」
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次回予告
ワカメ
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魔法学園の生徒遺跡の魔物たち
PNo.280 トゥア=オーレス-ナナイ・ティー・テ・テ・スフィVSイフリートの炎
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