Secret Sphere
<<Week9
-WEEK10-

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Smart Diary
ワカメ
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魔法学園からほど近い住宅街の一角。
銀華邸と呼ばれる屋敷の一室には、いつも通り二人の姿があった。


「全く、無茶をなさらないようあれだけ申し上げましたのに」

「ごめんなさい、セドリック。
 だけど、必死に戦う皆様を見ていたら私ももっと頑張らないとって
 思ってしまって

執事の呆れ声に、しゅんと項垂れる主の少女。
その腕や膝には厳重に包帯が巻かれている。が、全て軽微な擦り傷だ。

先日のスペリオルからの侵攻。
教師生徒が一丸となり戦った結果、どうにか敵の将は退けたものの
重要拠点である塔を破壊されてしまった。
この事態に対し、学園長には何やら一計があるようだ──と学園内では
まことしやかに噂されているが、実際何が行われるのかは定かでない。


アデルリッタも生徒の一員として参戦したものの
大掛かりな魔法を使った反動で、前後不覚になってしまった所を
セドリックによって退避させられていたのだ。
少女は、几帳面に包帯が巻かれた腕を撫でさすり溜息をつく。


「もっとしっかりしなきゃダメ。こんなことじゃ
 みんなの役に立てないもの」

「その件ですが、お嬢様」


救急箱の蓋を閉じた執事が顔を上げ


「このような侵攻が頻繁に起きる環境は、やはり危険すぎます。
 一度実家にお戻りになられてみてはいかがですか?
 何でしたら、別の魔法学園を探してもよいですし」

「! そ、それはいやい、いいえ、その、ダメよ!
 ここは侵攻に備えて魔法士を育成する学園だからこそ
 門戸を広く開いて下さっているのだから
 最初から分かっていたことでしょう?
 お兄様のためになりそうな文献も見つけたばかりだし
 何か掴めそうだから、もっと詳しく調べてみたいの。
 それにここで御恩を受けた方々に何もお返しできていないわ」


もじもじと、ペチコートの裾を指先で弄ぶ。
兄の病状に合致しそうな文献をいくつか見つけ出してはいるものの
会って話を伺いたい旨を綴った著者宛の手紙に、返信はまだない。
そう言いながら、少女はこれまで学園で出会った友達の顔を思い浮かべていた。


兄の薬についてあれこれと調べてくれたエルフの剣士の少女。
初めての女友達になってくれたマンドラゴラの少女と
その幼馴染である、甘いものに目がない亜人の青年。
野菜の姿を変えられながらも文字通り身を切って助けてくれた先輩たち。
執事とも顔馴染みの、菓子店が実家の穏やかで優しい先輩。
勤め先を失いながらも不遇な魔法道具の面倒を見ている健気な少年。
不思議な部屋の先で、もふもふと撫でさせてくれた白い使い魔。
とても内気なところに親近感を覚える、中等部の後輩。
氷菓子をご馳走してくれた、ぶっきらぼうだけど親切なクラスメイト。
雨宿り先で、海の底の話を聞かせてくれた深海に住むという従者の青年。
高貴な身分でありながら自立していて、兄に手紙も書いてくれた少女。


一緒に強くなろうと言ってくれた、燃える髪色をしたチームメイトの少年。



正直に言えば、彼らと疎遠になってしまうことが何よりも寂しい。
もう少しだけでも、同じ時を過ごしたいと願ってしまう。
同時に、兄の治療法を探すという大義名分にかこつけて
己の欲望を叶えようとする己の浅薄さも自覚できてしまう。


胸の内が表情に出ないよう、俯き、手元に視線を注ぐその姿自体が
鮮明に彼女の気持ちを代弁してしまっている。



仕方ありませんね」


その姿をじっと見つめる執事が、ふうと溜息を漏らした。


「家へは私の方から大過なかった旨を報告しておきましょう。
 それでよろしいですね?」

「セドリック、あ、ありがとう

ですが、今後はこのような無茶は避けて下さい。
 これは、必ずお約束ください。よろしいですね?
 お嬢様のお身体は、お嬢様だけのものではありません。
 このことを、重々お忘れにならぬよう」

「あそう、よね。はい、わかりました

「ええ、分かって下さればよろしいのです。
 それでは、今日の『日課』も済ませてしまいましょうか」

「ええ


にこりと微笑んだ執事が救急箱を片付け、代わりに黒檀の小箱を手に
テーブルへと戻って来る。
カチリと音を立て、開かれた小箱には内張りの天鵞絨の深い紅に沈むように
細い注射器とガラスの小瓶、それといくつかの小物が納められていいた。
手袋をした執事の手が注射器を取り上げ、少女の腕に針をあてがう。


「失礼致します」


少女の白く細い腕に音もなく針が差し込まれると、
注射器は少しずつ、赤い液体で満たされてゆく。
その様子を、少女は顔色一つ変えず静かに見つめている。


(いつまで)


抜き取った血を小瓶へと移し替え、少女へと止血を行う。


「お疲れ様でした、お嬢様。
 ゆっくりとお休みくださいませ」

「ええ、ありがとう。 おやすみなさい、セドリック」


少女はにこりと微笑み、いつものように寝台へと横たわる。



(この生活が続くのか)



窓越しに魔法の灯りに照らされた剣の街へ冷めた一瞥をくれた
青年の手によって、屋敷のカーテンは閉じられる──。
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パーティメッセージ
蟹
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PNo.115 暁 アカシ
からのメッセージ:
Iconアカシ
「な、なんとか撃退したか!?
アデル!回復さんきゅー!
疲れてるだろうから休んでくれよ!」

PNo.314 アデルリッタ・グロースハンデル
からのメッセージ:
Iconアデルリッタ
「防衛戦勝利できて、本当に安心しましたっ!
 みなさまのお力のお陰ですねっ。
 アカシさん、ありがとうございましたっ」
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メッセージ
亀
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PNo.115 暁 アカシ
にメッセージを送った。

PNo.368 ファンルゥ・フリゲート
にメッセージを送った。

PNo.442 マルル=ケッパー
にメッセージを送った。

PNo.470 ガヴァルド=ドーキンス
にメッセージを送った。

PNo.478 ウリナス
にメッセージを送った。



PNo.115 暁 アカシ
からのメッセージ:
Iconアカシ
「いいぞ!上に伸ばしたり横に伸ばしたり
どのくらいかは伸ばして気持ちいいくらいだ!
二人組という手もあるな!
座って身体まげて、背中から押してもらったり
背中合わせで手を掴んで伸ばしたっていい!
やってみるか!?オレでやってみな!」
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青い鳥メッセージ
魚
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メッセージはありません。
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参加コミュニティ
ワカメ
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コミュニティNo.276 銀華邸
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.277 学園の裏通り
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.124 どこかの花壇
で、0人の発言がありました。

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アイテム
ワカメ
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アデルリッタはとれたて野菜のゴロゴロシチュープレート を食べた。

魔法学園指定農場で採れたばかりの野菜を濃厚なミルクでコトコトと、
優しい味わいのシチューに。パン付き。

MMP/MSPが増加した!
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魔法学園の声
ワカメ
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Icon
メリーナ先生
「あら? あら~?
 あらあら、あ~ら~??」

Icon
ミラージュ先生
「あらメリーナ先生、きょろきょろして何しているの?」

Icon
メリーナ先生
「あ~ら~、ミラージュ先生~
 それが~、ちょっと探し物をしていて~……」

Icon
メリーナ先生
「初等科の方の~、教室に行こうと思っていたんですけれど~、
 途中でハッと思い出しまして~……」

Icon
ミラージュ先生
「ふーん……この辺で落としたか何かしたのかしら?」

Icon
メリーナ先生
「そうなんです~~……
 ミラージュ先生~、もしかして~、お手伝いしてくれるんですか~?
 嬉しいです~~~」

Icon
ミラージュ先生
「まだ別に手伝うとは言ってないわよ……

 で、結局何を探してるワケ?」

Icon
メリーナ先生
「ええとぉ~それはですねぇ~…………」

Icon
メリーナ先生
「…………?
 あら~……? 何だったかしら~?」

Icon
ミラージュ先生
「……アンタねえ……」

Icon
ミラージュ先生
「……ていうか、そもそもこっちは大学部の教室の方よ?
 初等部は向こうでしょ?」

Icon
メリーナ先生
「えっ……
 ……あら~、ホントですねぇ~! 
 私ったらうっかり間違えて~……」

Icon
ミラージュ先生
「……アンタ、よく今まで生きて来られたわねぇ……
 ある意味感心するわ……」
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朝練戦闘
亀
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通常戦闘
ワカメ
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夢見るヒーロー見習い遺跡の魔物たち
PNo.115 暁 アカシVSウィル・オ・ウィスプ
PNo.314 アデルリッタ・グロースハンデルイフリートの炎
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探索
ワカメ
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探索中. . .
アデルリッタはSCを290、TPを19手に入れた。
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風紀戦闘
ワカメ
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訓練
ワカメ
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訓練を1回選択!

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ワカメ
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武器 金細工のホイッスル を 命中力強化!
金細工のホイッスル の 命中力 が 9 上がった!(TP-1)

防具 オートクチュール を 回避力強化!
オートクチュール の 回避力 が 14 上がった!(TP-1)

装飾 黒絹のリボン を MHP強化!
黒絹のリボン の MHP が 128 上がった!(TP-1)

使い魔 シュトラール の MMP が 10 上がった!
使い魔 シュトラール の MSP が 10 上がった!(TP-1)
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目的の決定
ワカメ
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時戻りの儀式
ワカメ
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Icon
???
スフィアと呼ばれている。
その正体は、学園の最大の秘密のひとつ。
【時戻りの儀式】に関係しているらしいが……?
好きな食べ物はひみつ。
Icon
???
「……今の私の力だと、願いを叶える力は1回。
 1回だけ使えるよ」


Icon
学園長
「……そうか。では……行おう。
 時戻りの儀式を――」



各々のSmartBookから、魔方陣が展開された。
その後に、学園長の姿が幻影で映し出される。



Icon
学園長
生徒諸君、防衛の要、塔は破壊されてしまった。
 塔が無ければ学園内の魔力は徐々に四散し、
 やがて魔法を使えなくなってしまうだろう


Icon
学園長
そのため、私は……
 今から、時を戻り、塔が壊された事実を
 なかったことにしようと思う


Icon
学園長
このセカイの流れと、新しいセカイの流れは統合されるので、心配は――
 いや、何を言っているのか、分からないね


Icon
学園長
「とにかく、心配はいらない。
 私が責任を持って、このセカイを守るから――」


Icon
学園長
ついてきたいものはついて来るといい。
 私は歓迎する!










Icon
リベルタ先生
「我輩は行かんぞ」

Icon
マスク先生
「ええ? まさか生徒のために……」

Icon
リベルタ先生
「いや、二つのセカイが統合された時の感覚を知りたい」

Icon
マスク先生
「お前……いや、アンタはそういう奴だな……」










Icon
学園長
「では、時戻りの儀式を始めよう――」



学園長が手を掲げると、周りに複雑な魔法陣が展開される。


Icon
学園長
六天えるつの
 深淵のかけらよ」


Icon
学園長
てをべる大地
 悠久らぐれよ」



魔法陣から、一陣の風が駆け抜けていく。
学園長のフードが、ばさり、と翻った。



Icon
学園長
迷宮
 天空よ」





展開していた魔法陣が、呼応するように強く輝きを増す。

Icon
学園長
は――
 つのべしもの、ベルスフィア!

Icon
学園長
よ――
 らい、過去けよ!」



辺り一帯を飲み込むような眩い光を放ち――


Icon
学園長
儀式魔法 時戻り――」










光が収まると、学園長と、一部の教師、そして一部の生徒が、消えていた。


Icon
リベルタ先生
「……行ったか」

Icon
ミラージュ先生
「行ったか、じゃなくってよ!
 もっとちゃんと事情を説明しなさいよ!」

Icon
リベルタ先生
「ふん、我輩もよくは知らん。
 だがまあ……」


Icon
リベルタ先生
生徒どもよ。心配するな。
 どうせすぐに時間は統合されるであろう

Icon
リベルタ先生
それまで適当に過ごすが良いぞ」


Icon
マルル先生
「うわ~~ん!
 よく分からないけども……
 と、とにかく早く学園を立て直すんだわ!
 残ってる生徒の安全確認も急がないと~!!」










Icon
パルフィー先生
「……私も行きたかったな」

Icon
ラングリース先生
「どうやら、まだしばらくは時戻りの影響があるようですね
 そちらの魔方陣から、渡ることができるとか」

Icon
パルフィー先生
「ええ!?」










Icon
学園長
「さて……改めて始めましょうか」

Icon
チャーミィ
「ワンワー!」

Icon
マスク先生
「……はあ、また最初からか」

Icon
学園長
「仕方ないじゃない!
 済んだことはつべこべ言わない!
 ほら、行くわよ!」










Icon
学園長
「さて――」

Icon
学園長
「ようこそ」

Icon
学園長
「【魔法学園へ】」
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次回予告
ワカメ
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夢見るヒーロー見習い遺跡の魔物たち
PNo.115 暁 アカシVSツナファイター
PNo.314 アデルリッタ・グロースハンデルツナウィッチ
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次回朝練予告
魚
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次回風紀戦闘予告
ワカメ
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