Secret Sphere
<<Week9
-WEEK10-

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Smart Diary
ワカメ
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蟲の声がする。
何もかも壊れて、何もかも焼けた、人の営みの跡地に、蟲の声ばかりこだまする。

私は蝉の声が笑い声に聞こえる。
虫というのはとても機能的な構造をした命なんだそうだ。
ちっぽけなように思えても、とても合理的に生きているらしい。
私たち人間より、よっぽど。
だからだろうか、きっと彼らからしたら私達は、とても滑稽で馬鹿馬鹿しいのだろうと、そう感じてしまうのだ。
きっと、あの日から。


その年その日の夏も、例に漏れず暑かった。
蝉がよく鳴いていた。
そんな夏らしい夏の日だった。
龍臣兄いの葬式をしたのは。

一緒にバーベキューをしたのが先月のこと。
一緒にドッチボールをしたのが先週のこと。
頭を撫でてくれたのが昨日のこと。
こんなに鮮やかに思い出せる記憶は、これから先に積み重なることはない。
あとは褪せて薄れて、失せて消えていくだけ。
それがわかるほどには成長していた。
それがわかるだけの、ただの子供であることには相違なかったけど。

パパは最強だ。
私なんか逆立ちしたって勝てない。
当然だ、パパは当代どころか立間の1000年の歴史を振り返ったって最強なんだから。
今よりずっと闇が跳梁跋扈していた時代と比べてもだ。
そんな人がついていても、龍臣兄いは死んだ。
死んでしまった。
だからきっと、どうしようもないことで。
悲しむのは無駄なことだから。
だから、わんわんと泣いていた私は、まるで馬鹿みたいだから、蝉は笑っていたのだと、そう思うのだろう。

何もかも失せた。
何も残らなくなって、透明になって、気がついたことがある。
いや、きっとそれは、見て見ぬ振りをしていただけで、ずっとそこにあったのだと思うけれど。
人に深く関わりたくないのも、深く知りたくないのも、畢竟それは、失うのが怖いから。
私がどうしようもなく、寂しがり屋だということだから。
そんな事に、大切な人をまた失って、ようやく気がついた。

私はただ、夏の匂いに胸が詰まって、呼吸が止まっているだけなんだ。

だから。
今度は失敗しない。
どうやら時戻りの儀式とやらを実行するらしい。そんな風の噂がある。
私はそれに乗じよう。私はこの私のまま、過去に行こう。
不可能ではない筈だ。この世界でもといた世界の法則が使えないというのは、完全な意味で絶対で原則ではない。
私を構成する理論は、依然として保持されているのだから。依然として、私は炭素結合生物であるし、ヒトゲノムと呼ぶものが存在し、呼吸を必要としているだろう。恐らく。
つまり物理法則が持ち込めて、尚且つ、この世界は明らかに"閉じた系"ではない。
故に、エントロピーの一方的な操作に介入できる余地が恐らく存在する。

仮説でしかない、成功する保証はない。
けれど、やるしかない、やるしかないのよ。
蟲がいくら嘲笑っても、彼らがいくら合理的でも。
彼らに私が望んだ色と熱はわからない。彼らに私の永遠と真実はわからない。
それを掴むなら、私は今を超えて、全てを超えるしかない。
立間笑舞の、全てを変える。それしか立間笑舞の生きる道はない。
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パーティメッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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メッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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青い鳥メッセージ
牛
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メッセージはありません。
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参加コミュニティ
ワカメ
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参加コミュニティはありません。
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魔法学園の声
ワカメ
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リベルタ先生
「……はぁ~、全く、何故集まらんのだ……」

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ラングリース先生
「おやリベルタ先生、どうかしたのか?
 地下遺跡よりも深そうなため息をついて」

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リベルタ先生
「なんだ役者か……
 この際、貴様でも良いのだが……我輩の実験台になる気は」
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ラングリース先生
「謹んでお断りするよ」

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リベルタ先生
「つまらん奴だ
 はぁ、どこかに都合よく実験台になりたがるような
 奇天烈な人体は転がっていないものか……」

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ラングリース先生
「いやいやそれは学園で探すものではないと思うのだがね?
 そもそもキミ、
 学生相手に怪しげなバイトを持ちかけようとしていないだろうな?」

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リベルタ先生
「…………

 いや?
 全く?」

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ラングリース先生
「私の目を見て言ってみてくれたまえよ」

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リベルタ先生
「これだけたくさんの被検体候補が目の前に居るというのに……」

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ラングリース先生
「その言葉、学園長に聞かれたら大変だよキミ」
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朝練戦闘
ワカメ
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通常戦闘
ワカメ
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シュトゥルム寮702号室遺跡の魔物たち
PNo.452 白野 幸VS這い寄る骨
PNo.787 立間 笑舞CHEER
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探索
ワカメ
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探索中. . .
エマはSCを290、TPを19手に入れた。
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訓練
蟹
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授業が選択されていません。
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ワカメ
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目的の決定
蟹
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時戻りの儀式
ワカメ
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???
スフィアと呼ばれている。
その正体は、学園の最大の秘密のひとつ。
【時戻りの儀式】に関係しているらしいが……?
好きな食べ物はひみつ。
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???
「……今の私の力だと、願いを叶える力は1回。
 1回だけ使えるよ」


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学園長
「……そうか。では……行おう。
 時戻りの儀式を――」



各々のSmartBookから、魔方陣が展開された。
その後に、学園長の姿が幻影で映し出される。



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学園長
生徒諸君、防衛の要、塔は破壊されてしまった。
 塔が無ければ学園内の魔力は徐々に四散し、
 やがて魔法を使えなくなってしまうだろう


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学園長
そのため、私は……
 今から、時を戻り、塔が壊された事実を
 なかったことにしようと思う


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学園長
このセカイの流れと、新しいセカイの流れは統合されるので、心配は――
 いや、何を言っているのか、分からないね


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学園長
「とにかく、心配はいらない。
 私が責任を持って、このセカイを守るから――」


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学園長
ついてきたいものはついて来るといい。
 私は歓迎する!










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リベルタ先生
「我輩は行かんぞ」

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マスク先生
「ええ? まさか生徒のために……」

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リベルタ先生
「いや、二つのセカイが統合された時の感覚を知りたい」

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マスク先生
「お前……いや、アンタはそういう奴だな……」










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学園長
「では、時戻りの儀式を始めよう――」



学園長が手を掲げると、周りに複雑な魔法陣が展開される。


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学園長
六天えるつの
 深淵のかけらよ」


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学園長
てをべる大地の力よ
 悠久らぐれよ」



魔法陣から、一陣の風が駆け抜けていく。
学園長のフードが、ばさり、と翻った。



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学園長
迷宮
 天空よ」





展開していた魔法陣が、呼応するように強く輝きを増す。

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学園長
は――
 つのべしもの、ベルスフィア!

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学園長
よ――
 らい、過去けよ!」



辺り一帯を飲み込むような眩い光を放ち――


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学園長
儀式魔法 時戻り――」










光が収まると、学園長と、一部の教師、そして一部の生徒が、消えていた。


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リベルタ先生
「……行ったか」

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ミラージュ先生
「行ったか、じゃなくってよ!
 もっとちゃんと事情を説明しなさいよ!」

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リベルタ先生
「ふん、我輩もよくは知らん。
 だがまあ……」


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リベルタ先生
生徒どもよ。心配するな。
 どうせすぐに時間は統合されるであろう

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リベルタ先生
それまで適当に過ごすが良いぞ」


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マルル先生
「うわ~~ん!
 よく分からないけども……
 と、とにかく早く学園を立て直すんだわ!
 残ってる生徒の安全確認も急がないと~!!」










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パルフィー先生
「……私も行きたかったな」

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ラングリース先生
「どうやら、まだしばらくは時戻りの影響があるようですね
 そちらの魔方陣から、渡ることができるとか」

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パルフィー先生
「ええ!?」










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学園長
「さて……改めて始めましょうか」

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チャーミィ
「ワンワー!」

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マスク先生
「……はあ、また最初からか」

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学園長
「仕方ないじゃない!
 済んだことはつべこべ言わない!
 ほら、行くわよ!」










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学園長
「さて――」

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学園長
「ようこそ」

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学園長
「【魔法学園へ】」
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次回予告
くらげ
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シュトゥルム寮702号室遺跡の魔物たち
PNo.452 白野 幸VSイフリートの炎
PNo.787 立間 笑舞CHEER
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