Secret Sphere
<<Week9
-WEEK10-

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Smart Diary
ワカメ
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スペリオルとの戦いはかなりの規模のもので、戦場は混乱していた。
生徒達はいくつかの班に分かれていたが、
自分達が引き受けた敵を殲滅すれば他の班へと加勢に向かわねばならない。
そうやって移動する最中に、彼女《ヴィクトリア》はやって来た。

「ウォルター!!」

彼女が杖を振ればそれに合わせて水流が迸り、僕の動きを押し留める。
続けて攻撃を放とうとした彼女に黒い影が迫り、突き飛ばした。

「アニムセラ卿!お怪我は?」

「問題ないお前は私の代わりに行け」

「ですが

「ヴィクトリアとは話をつけねばならん。
お前が私の代わりに向こうで戦え」

承知致しました。どうか、ご無事で」

言うなりアシュベリーの姿は私と瓜二つのものへ変化し、
先を行く仲間たちを追って消えた。

ヴィクトリアへと向き直れば、彼女は蹴り飛ばされた腹部を抑え、
咳き込みながらも立ち上がってみせた。

「なぜわざわざ残ったのアシュベリーをけしかければ、
わたくしも退くしかないとわかっていたでしょう」

「お前に話さなければならないことがあるからだ。そうだろう?」

「話? 今更何を? わたくしを選ばなかった理由を聞かせてくれるの?」

「何を言う。私を切って捨てたのはお前の方だった。
だから私はお前を見返すために己を磨き上げた。
お前に私を見捨てたことを後悔させるために。
だが、それは間違いだった。」

ヴィクトリアが杖を振り、弾丸と化した水の塊が放たれる。
それを作り出した土塊の盾で受け止めて威力を削ぎ、地へ叩き落とす。

「私はこの学園で出会ったのだ。
真に身も心も預け、共にこの先を歩みたいと思える相手と。
あの時、言われた言葉の意味が私にはようやくわかった。
私はヴィクトリアを真に愛してなどいなかった。
だが、あの時の言葉のおかげで、私は真の愛に気づくことができた。
だから、私は感謝を伝えたい。
——ありがとう、トリア」

決別の日以来、呼んでいなかった親しみを込めたその名。
これまでの自分の非を認め、そして彼女へ和解の手を差し伸べる。
彼女は呆然と目を見開いて立ち尽くし
しかし、再びその美しい顔を歪めて私を睨みつけた。

「ふざけないで!! わたくしは貴方を
あの宝石は本来なら、わたくしに差し出されるべきものだったのに!
何故あなたはわたくしの思い通りにならないの
許せない、許さないわ!!」

彼女の銀糸の髪が黒く染まる。澄んだ瞳が沼の底のように赤く濁る。
ああ。今まで理解しようとすればできたはずのことに、
僕はずっと目を背けていたのだ。
ヴィクトリアはずっと孤独だった。僕よりも長い間。
僕は彼女に寄り添えたはずなのに、そうしなかった。
彼女は僕を殺すと言うのだろう。
これまでアニムセラ家の血に狂わされた者のように。

けれど、僕はそれを受け入れるわけにはいかない。
まだ伝えていないことがあるんだ。
ローブの胸元に留めていた紫水晶のブローチを手に取る。
これも、セスに渡したものと同じく僕自身の魔力と生命力を与えて作った宝石だ。

本当ならヴィクトリアには真珠の髪飾りに赤い薔薇を象った宝石を添えて、渡すつもりだった。
けれど、文字通り身を削って力を分け与えた宝石が使われた装飾品を渡すのはごく限られた相手将来を共にすると約束した伴侶のみ。
決してヴィクトリアの手にそれが渡ることはない。
僕が選んだのはセスなのだから。

「わたくしの思い通りにならないならそれならもう貴方は要らない

いえ、わたくしがあなたになるのよわたくしと一緒に
共にいればもう、二度と寂しくはないわ

杖を振り障壁を呼び出すが、それよりヴィクトリアの方が速かった。
ヴィクトリアの身体から水飛沫があがり、それと共に彼女の姿が崩れる。
水の精とも呼べる、透き通った液状の身体。
それから放たれた水は槍のように鋭く僕の身体を貫いた。
思わず手に取っていたブローチを取り落としそうになるのを必死に堪えて、彼女を見遣る。
彼女は瞬く間に肉薄し、僕の身体を引き倒してずぶ濡れの硬い床へと叩きつけた。

「その宝石をわたくしに寄越すのよ!
あの子に全部取られるなんて、そんなのは認めない!
あなたの意思で、それをわたくしに差し出しなさい!」

——ああ、そのつもりだったのに。彼女はせっかちだ。

「いいよ。だけど、全部はあげられない。
僕はセスのために生きると決めたから。
それでも、僕は君のことを大切に思っていたんだ、ヴィクトリア。

だって、たった一人の従姉妹なのだから。
姉のように、ずっと側にいてくれた大切な人。
君に、親愛を込めて」

ブローチに仕掛けていたスペルを起動させる。
爆破の術が込められていた宝石は粉々に砕け散り、欠片が礫のように二人へ襲い掛かる。
爆発の轟音と痛みの中、ヴィクトリアの悲痛な叫び声が聞こえたような気がした。








——沈んでいた意識がゆっくりと浮上する。
手足の感覚がない。水たまりのようなものの中で濡れる感触で
自分がおびただしい血を流していることがわかる。
顔が焼けるように痛む。もはや瞼を開くことさえ億劫だ。
僕はこのまま死ぬのだろうか否。それだけはだめだ。

約束したじゃないか。
何があっても戻るのだと。
話をしなければならないんだ。
まだ、ちゃんと伝えていない、ことがある。
たとえ態度で伝わっていたとしても、
それじゃだめなんだ。
はっきり言葉で、君に向けて。

あいしてる、と。

だから。
セスのところに、いかないと





—fin.
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パーティメッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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メッセージ
ワカメ
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PNo.335 ハルプ・ロート
からのメッセージ:
Iconハルプ
「お久しぶり、アシュベリーさん。
 踊ってくれた夜以来だね」

Iconハルプ
「この前、学園で色々あったでしょう?
 それで、もうこの学園では会えなくなりそうだったから。
 挨拶しようと思ってね。いっぱいお世話になったしさ」

Iconハルプ
「最初に会った時は、警戒したり驚いたりしちゃったね。
 それでも、君がお話を受けてくれて嬉しかったし、
 あの時に声をかけて良かったと思えたんだ。

 君のおかげで僕は、僕に流れる血を少しだけ受け入れられました。
 本当に、ありがとう」

Iconハルプ
でも、アシュベリーさんは強い人だから、
 もしかしたら、またどこかで会うかもしれないね。
 じゃあ、挨拶はお別れの言葉じゃなくても良いかな」

Iconハルプ
「元気でね、アシュベリーさん。またどこかで!」
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青い鳥メッセージ
ワカメ
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メッセージはありません。
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参加コミュニティ
ワカメ
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コミュニティNo.406 シュトゥルム寮229号室
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.683 パーティ会場(2/18時空)
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.101 貴族達の社交場
で、0人の発言がありました。
コミュニティNo.588 交錯する夢
で、0人の発言がありました。
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魔法学園の声
ヤドカリ
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Icon
メリーナ先生
「ジルせんせ~い~
 ジ~ル~せんせ~~い~~」

Icon
ジル先生
「……」

Icon
メリーナ先生
「ジルせんせ~~い~~
 ど~~こです~か~~」

Icon
ジル先生
「…………」

Icon
メリーナ先生
ジ~ル~

Icon
ジル先生
「うるさい、連呼するな」

Icon
メリーナ先生
「あら~、こんな近くにいたんですねえ~
 ジル先生~、ジル先生が~夜中に~
 よく~散歩していると~聞くんですよぉ~」

Icon
ジル先生
「はぁ……それが何だ、私の勝手だろう」

Icon
メリーナ先生
「夜はぁ~、結界があるとはいえ~、危険ですよぉ~
 なるべく~夜は眠るように~したほうが~……」

Icon
ジル先生
「余計な世話だ。
 大体私がそこらのモンスターや野党風情に後れを取ると思うか」

Icon
メリーナ先生
「それは~思わないですけど~……
 あら~?
 野党なんか出るんですか~?」

Icon
ジル先生
「……夜はああいった輩が現れる時間だ」

Icon
メリーナ先生
「まぁ~、つまり~、ジル先生は~安全の為に~
 見回りしてくださっていたんですねぇ~」

Icon
ジル先生
「ただの散歩だ。
 ついでに揉め事を起こされても面倒だから、
 肩慣らしに追い払っているだけだ」

Icon
メリーナ先生
「うふふ~、ジル先生って~
 本当は~生徒思いで良い先生ですよねぇ~
 言葉で~誤解されがちですけど~」

Icon
ジル先生
「うるさい、勘違いをするな」
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朝練戦闘
ワカメ
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通常戦闘
牛
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不良もヌン茶もしばく会遺跡の魔物たち
PNo.458 フィボナッチ・F・ナイジェラスVSイフリートの炎
PNo.459 ウォルター・アニムセラツナヒーラー
PNo.955 ウーウィル・オ・ウィスプ
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探索
ワカメ
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探索中. . .
ウォルターはSCを290、TPを19手に入れた。
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訓練
ワカメ
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授業が選択されていません。
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ワカメ
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目的の決定
ワカメ
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時戻りの儀式
ワカメ
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Icon
???
スフィアと呼ばれている。
その正体は、学園の最大の秘密のひとつ。
【時戻りの儀式】に関係しているらしいが……?
好きな食べ物はひみつ。
Icon
???
「……今の私の力だと、願いを叶える力は1回。
 1回だけ使えるよ」


Icon
学園長
「……そうか。では……行おう。
 時戻りの儀式を――」



各々のSmartBookから、魔方陣が展開された。
その後に、学園長の姿が幻影で映し出される。



Icon
学園長
生徒諸君、防衛の要、塔は破壊されてしまった。
 塔が無ければ学園内の魔力は徐々に四散し、
 やがて魔法を使えなくなってしまうだろう


Icon
学園長
そのため、私は……
 今から、時を戻り、塔が壊された事実を
 なかったことにしようと思う


Icon
学園長
このセカイの流れと、新しいセカイの流れは統合されるので、心配は――
 いや、何を言っているのか、分からないね


Icon
学園長
「とにかく、心配はいらない。
 私が責任を持って、このセカイを守るから――」


Icon
学園長
ついてきたいものはついて来るといい。
 私は歓迎する!










Icon
リベルタ先生
「我輩は行かんぞ」

Icon
マスク先生
「ええ? まさか生徒のために……」

Icon
リベルタ先生
「いや、二つのセカイが統合された時の感覚を知りたい」

Icon
マスク先生
「お前……いや、アンタはそういう奴だな……」










Icon
学園長
「では、時戻りの儀式を始めよう――」



学園長が手を掲げると、周りに複雑な魔法陣が展開される。


Icon
学園長
六天えるつの
 深淵のかけらよ」


Icon
学園長
てをべる大地の力よ
 悠久らぐれよ」



魔法陣から、一陣の風が駆け抜けていく。
学園長のフードが、ばさり、と翻った。



Icon
学園長
迷宮
 天空よ」





展開していた魔法陣が、呼応するように強く輝きを増す。

Icon
学園長
は――
 つのべしもの、ベルスフィア!

Icon
学園長
よ――
 らい、過去けよ!」



辺り一帯を飲み込むような眩い光を放ち――


Icon
学園長
儀式魔法 時戻り――」










光が収まると、学園長と、一部の教師、そして一部の生徒が、消えていた。


Icon
リベルタ先生
「……行ったか」

Icon
ミラージュ先生
「行ったか、じゃなくってよ!
 もっとちゃんと事情を説明しなさいよ!」

Icon
リベルタ先生
「ふん、我輩もよくは知らん。
 だがまあ……」


Icon
リベルタ先生
生徒どもよ。心配するな。
 どうせすぐに時間は統合されるであろう

Icon
リベルタ先生
それまで適当に過ごすが良いぞ」


Icon
マルル先生
「うわ~~ん!
 よく分からないけども……
 と、とにかく早く学園を立て直すんだわ!
 残ってる生徒の安全確認も急がないと~!!」










Icon
パルフィー先生
「……私も行きたかったな」

Icon
ラングリース先生
「どうやら、まだしばらくは時戻りの影響があるようですね
 そちらの魔方陣から、渡ることができるとか」

Icon
パルフィー先生
「ええ!?」










Icon
学園長
「さて……改めて始めましょうか」

Icon
チャーミィ
「ワンワー!」

Icon
マスク先生
「……はあ、また最初からか」

Icon
学園長
「仕方ないじゃない!
 済んだことはつべこべ言わない!
 ほら、行くわよ!」










Icon
学園長
「さて――」

Icon
学園長
「ようこそ」

Icon
学園長
「【魔法学園へ】」
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次回予告
ワカメ
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不良もヌン茶もしばく会遺跡の魔物たち
PNo.459 ウォルター・アニムセラVSイフリートの炎
PNo.955 ウーツナヒーラー
PNo.458 フィボナッチ・F・ナイジェラスCHEER
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次回朝練予告
ワカメ
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