 | 後期学園生活 3日目 |
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| Diary |
その日は、月の綺麗な夜だった。
半月にも満たないその細さは酷く脆弱で、しかし月の光が生み出すその神秘性は変わることなく木々の緑を照らしていた。
そんな幻想的な光景を生み出している森の中、駆け抜ける漆黒。
野生の獣を思わせる荒れた毛皮を纏ったそれは歪な人の形を持っていた。しかし入り組んだ森の迷路を疾駆する姿は野獣そのもの。俗に半獣人と呼ばれる彼は、不規則に立ち並ぶ木々の合間を我が物顔で駆け抜けていく。そう、彼の脚を妨げられるものなど、この夜には存在しないからだ。
「待ってください」
だがこの森に似つかわしくないか細い声が彼の前に現れる。
それは少女だった。浅葱色の和服に身を包んだ、森の闇に溶け込んでしまいそうな儚い印象を受ける少女。それが、この半獣人にまったく気配を感じさせずいつの間にか目の前に現れていた。
地上を制する獣の民も、さすがにそれには足を止めて対峙する。
「ここは私有地です。無断で踏み荒らすのは失礼ですよ」
「うるせぇ！」
少女の警告を、しかし半獣人は一蹴すると共に鋭い爪を振るい飛び掛かる。
巻き起こった暴風を、しかし少女は後方に飛び退いてあっさりと避わす。その空間の空気が裂け、巻き込まれた木が獰猛な爪に削ぎ折られる。
「そういや、しょぼい結界が張ってあったな。テルトリーを主張したけりゃ、もっと強力なのを張るこった」
今の奇襲の興奮が押さえられないのか、半獣人は吐く息も荒く先ほど樹木を軽々と薙ぎ払った爪に舌を走らせる。
だがその暴力に襲われんとする当の少女は、先ほどの回避行動で乱れた服を何事もないかのように直していた。
「立ち入らないように、という警告はしました」
その言葉が終わるや否や、半獣人はまたしても自慢の爪を大きく振り被って突進してくる。先ほど少女が離れたほんの数メートルの距離を強靭な脚力で半歩で詰め、今度は避けられないように深く抉り込ませる。
「そんなもん、餓鬼でも無視するさ！」
完璧に捉えた。そう思えるほど、その一振りは半獣人にとって今までの生涯で最高の振りだった。
そう思ったのも束の間、半獣人の爪は再び虚空を撫でる。今度は避けられたわけじゃない。まるで透き通るように彼の爪どころか腕までが、少女の身体を通り抜けていったのだ。
「一応、警告はしましたからね。」
その声は背後から聞こえてきた。
慌てて振り向くと、そこには背を向けたまま先ほどと同様に佇む少女の姿。まるで半獣人だけが彼女のいる空間を通り過ぎたかのように、まったく変わらぬその姿。
いや、違う。少女は背後の半獣人へと首だけを動かして視線を向けていた。その頭頂部にはいつの間にか一対の耳が生えており、腰の辺りには狐の尻尾が一本伸びていた。その姿勢のまま、少女はゆっくりと片手を横に伸ばして手の平を空に向ける。するとそこから桜の花びらが次々と現れ、風に乗って流されていく。
「一尾の妖狐風情が、生意気なんだよ！」
三度襲い掛かる半獣人。今度はかなりの距離があるはずなのに、少女はピクリとも動かなかった。ただ桜の花びらを空気中に舞わせ続けながらその襲撃を見つめている。
半獣人が少女に飛びかかる直前、突如少女の身体が弾けた。
「なっ！？」
弾けた少女の身体はそれ自体が密集した桜の花びらとなり、そのまま風に乗るでもなく放射状に周囲に散らばった。
「あなたの心、絡めとりました」
次いで少女の声が響く。
慌てて周囲に視線を巡らせると、少女はすでに木の枝に腰掛けていた。
半獣人がそれに気付くと同時、ぱちんと両の手を叩き合わせる。すると先ほど舞った大量の桜の花びらが半獣人の周囲を一気に取り囲みつつ旋回する。その様は桜の台風による檻だった。
「こんな子供騙しで！」
しかしそれにも拘らず、半獣人は少女に向かって突進を掛けた。
それが彼の最後の行動だった。
「がっ！」
たっぷりと助走をつけるべく踏み出した最初の一歩。だが桜の檻は素早くそれを感知して彼の真正面からまさに壁となって押し寄せた。
無数の花びらに貫かれた彼の体には、しかしそれらしい傷などまったくなかった。それなのに彼は膝からゆっくりと崩れ落ち、その身体は一瞬で灰になって消えていった。
「……だから、警告したのに」
悲しげに呟き、少女はひらりと枝から舞い降りる。その時には狐の耳と尻尾は消えていた。
またしても乱れてしまった着物を静々と直していると、突如拍手の音が暗い森に響いた。
「さっすが伊織ちゃん、強い強い〜」
愉快そうに拍手をしていたのは、まだ小さな少年だった。伊織と呼ばれた少女は眉一つ動かさず、その声とは反対側へと歩き出した。
「つれないな〜、伊織ちゃんは。リアクションの一つでも……」
「いつから見てたんですか、那岐さん」
視線すら向けず、枝の上に寝そべっている少年に問い質す。
「あいつが伊織ちゃんの結界にはいってから。面白そうだったから様子見てたの」
相手にされたのが嬉しいのか、少年は上機嫌な声でケラケラと笑って垂らした尻尾をゆらゆらと揺らす。伊織と同じ、ただし三本の狐の尻尾を。
「……」
伊織は無言で、だが少しだけ怪訝そうな顔で那岐を見ると、すぐに前に向き直してぱちんと指を鳴らした。すると風もないのに那岐の身体が真横に吹っ飛んで森のどこかへ消えていった。
「まったく、あの子は……」
深く溜め息をつきながら、目線は何とはなしに星空を見上げていた。
そこには不安定に欠けた月が爛々と輝く以外は、いつもの夜のままだった。
「師匠、早く帰ってきてください」
どこにいるのかわからぬ師に向けた嘆きの言葉が、静かな森の中へと虚しく吸い込まれていく。
伊織が生まれたあの日から、月日は既に数十年が過ぎていた。
| Message |
シアン(169)からのメッセージ
シアン「挨拶が遅れてすまないね。俺はシアン＝ウィンド。これから、よろしく頼むよ。」
『約束』の楓(667)からのメッセージ
『約束』の楓「初めまして。『月迷風華』代表の如月楓と申します。以後、後期の間よろしくお願いいたします。」
『約束』の楓「伊織殿は妖狐なのですね。手前も妖狐とは違いますが、狐系の者ですので、親近感がわきます。」
| Quick Action / etc |
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特に何もしなかった。
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| Group Message |
極 上 生 徒 会 に対する伊織(203)からのメッセージ
伊織「今期はよろしくおねがいします。」
極 上 生 徒 会 に対するゆーな(1185)からのメッセージ
ゆーな「あー、おそらく、よろしく（なに」
| 第203パーティ・所属メンバー (Before) |
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| Character Data (Before) |
| ENo.203 伊織 | |||||||
| HP | 1030 / 1030 | 1 | 漲溢1 | 場所 | E2 ［特殊LV1］ | ||
| SP | 215 / 215 | 2 | 終幕1 | 技 | 使用可能技一覧 | ||
| NP | 1 | 体格 | 75 | 3 | 幻術5 | 参 加 団 体 | |
| CP | 39 | 敏捷 | 90 | 4 | 魔術10 | 0 | 極 上 生 徒 会 |
| PS | 50 | 器用 | 75 | 5 | 1 | ||
| 業 | 0(0) | 魔力 | 120 | 6 | 2 | ||
| 連勝 | 1 | 魅力 | 75 | 7 | 3 | ||
| 総CP | 74 | 生命 | 77 | 8 | ――― | 4 | |
| 単位 | 0 | 精神 | 92 | 9 | ――― | 5 | |
|  | |||||||||
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 | イベント戦闘 |
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第203パーティ 所属 † V S †
歩行小石
 歩行小石
Enemy |
伊織「避けられぬ戦いならば、仕方ありません。」ゆーな「おねがい、わたしのじゃまをしないで」
歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」
BATTLE START!!
非接触フェイズ
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ゆーなの攻撃！
ゆーな「なにがでるかな、っと」サモン・ドライアド！！
ドライアドを召喚！
ゆーなのSPが104減少！
非接触フェイズ
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伊織の攻撃！
伊織「まずは先制攻撃です。」マジックミサイル！！
歩行小石Aは攻撃を回避！
非接触フェイズ
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ゆーなの攻撃！
マジックミサイルはSP不足によりキャンセルされた！
伊織の攻撃！
伊織「威力を込めて……放出！」マジックミサイル！！
歩行小石Aに231のダメージ！
非接触フェイズ
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戦闘フェイズ
ドライアドの活力LV3
ドライアドのMHPが上昇！
TURN 1
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伊織の攻撃！
必殺技が発動！
伊織「全力解放。」桜 花 絢 爛！！
歩行小石Aに220のダメージ！
歩行小石Bに196のダメージ！
ゆーな「・・・なんかみられてる？」ゆーなは歩行小石Bを魅了した！
ゆーなの攻撃！
歩行小石Aに179のダメージ！
歩行小石Aの攻撃！
歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」ブレイク！！2
ドライアドは攻撃を回避！
歩行小石Bは魅了されている！
（歩行小石Bの魅了の効果が消失）
ドライアドの攻撃！
歩行小石Aに175のダメージ！
TURN 2
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伊織の攻撃！
伊織「妖力拡散、最大放出。」マジックボム！！
歩行小石Aに275のダメージ！
伊織「ゆっくり休んでいてくださいね。」歩行小石Bに214のダメージ！
ゆーなの攻撃！
歩行小石Bに185のダメージ！
歩行小石Bの攻撃！
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」ブレイク！！2
ドライアドは攻撃を回避！
歩行小石Aの攻撃！
歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」エキサイト！！1
歩行小石Aの物理ATが上昇！
ドライアドに100のダメージ！
伊織の攻撃！
歩行小石Bに200のダメージ！
歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」歩行小石Aが倒れた！
TURN 3
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ドライアドの攻撃！
ペネトレイト！！2
歩行小石Bは攻撃を回避！
ゆーなの攻撃！
歩行小石Bに171のダメージ！
ゆーな「おねがい、もうたちあがらないで」歩行小石Bの攻撃！
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」エキサイト！！1
歩行小石Bの物理ATが上昇！
ドライアドに92のダメージ！
伊織の攻撃！
歩行小石Bに231のダメージ！
ゆーなの攻撃！
歩行小石Bに174のダメージ！
伊織の攻撃！
歩行小石Bに207のダメージ！
歩行小石Bの攻撃！
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」ブレイク！！2
ドライアドに98のダメージ！
ドライアドの物理DFが低下！
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」歩行小石Bが倒れた！
伊織「立てますか？ 休めるところまでは案内しますよ。」ゆーな「あ、たすかった…」
戦闘に勝利した！
100 PS、 0 CPを獲得！
ゆーなは 石ころ を入手！
伊織は 石ころ を入手！
| Normal Action / etc |
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幻術 のLVが1上昇しました。(- 5 CP) 幻術 のLVが1上昇しました。(- 6 CP) 幻術 のLVが1上昇しました。(- 7 CP) 幻術 のLVが1上昇しました。(- 8 CP) 幻術 のLVが1上昇しました。(- 9 CP)
フィアフルイメージ を習得！
極 上 生 徒 会 の活動をしました！
極 上 生 徒 会 の活動をしました！
極 上 生 徒 会 の活動をしました！
CPが 32 増加しました！ NPが 1 増加しました！ ゆーな(1185)を同行者に指定しました。
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| Shout!! |
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たくさんの叫びが聞こえてきます。 |
| Event |
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何者かと遭遇した！
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| イベント戦闘予告 |
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第203パーティ 所属 † V S †
眼鏡男
保健委員 
Enemy |
| 第203パーティ・所属メンバー |
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| Character Data |
| ENo.203 伊織 | |||||||
| HP | 1056 / 1056 | 1 | 漲溢1 | 場所 | E2 ［特殊LV1］ | ||
| SP | 163 / 220 | 2 | 終幕1 | 技 | 使用可能技一覧 | ||
| NP | 2 | 体格 | 75 | 3 | 幻術10 | 参 加 団 体 | |
| CP | 36 | 敏捷 | 90 | 4 | 魔術10 | 0 | 極 上 生 徒 会 |
| PS | 150 | 器用 | 75 | 5 | 1 | ||
| 業 | 0(0) | 魔力 | 120 | 6 | 2 | ||
| 連勝 | 2 | 魅力 | 75 | 7 | 3 | ||
| 総CP | 106 | 生命 | 80 | 8 | ――― | 4 | |
| 単位 | 0 | 精神 | 95 | 9 | ――― | 5 | |
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