後期学園生活 20日目



基本行動宣言成功
戦闘行動宣言成功 [イベ][デュ][援護][大乱]
 └ 技設定 を変更


Diary



 幾合斬り結んだだろうか。
 数えることなど、破棄してもう久しかった。
 冬なのに汗が全身から溢れ出し、掌に掻いた汗のせいで牙龍爪虎を取り落としそうになる。
 疲労が全身を、余すところ無く包み込んでいた。
 神経が張り詰めている為に、体力を消費するのもまた早い。
 荒く息を吐く。
 征士郎の心は、焦燥へと駆り立てられていた。
 なぜなら。
 相手は疲れというものをまったく知らない存在なのだから。
 そもそも疲れなどあるはずが無い。生きてはいないのだから。

 『ひひっ、ひっ、ひひっ……』

 がしゃがしゃと哂う忠真を見ていると、人形と戦っているかのような錯覚すらも感じる。
 疲れることも、思考することも無い、ただ人を斬り続けるだけの殺戮人形……。
 「…………」
 その想像が、自分の過去を投影しているような心地になって、征士郎は下唇を噛んだ。
 自分は人間だ。断じてこのような物の怪ではない。
 そう強く思い、殊更に牙龍爪虎の柄を強く握り締めた。

 背後で、物音がした。

 正眼に構えたまま首だけ振り返ると、一本の打刀を胸に抱いた神凪がいた。
 征士郎は一瞬、思考を停止してしまた。
 なぜだ?なぜ彼女がここにいる?
 征士郎の中に生まれた、一瞬の、けれども致命的な隙。
 征士郎が再び思考を回転させたときにはもう、

 彼の身体は血飛沫を上げていた。


Chapter3 Each story; part of Iron man” ―8 [Samurai Spirit_Human Soul]


 裂傷は袈裟懸けに、大きく裂けていた。
 浅くは無い。その証拠に、血がばしゃばしゃと、信じられないほどの勢いで溢れ出しているから。
 痛い。裂けた傷が熱を持って、焼けているような錯覚すらもあった。
 ただ一方で、傷口から痛いという感覚と精力があっという間に霧散していって、全ての感覚が鈍磨していく。
 倒れそうになる身体を、牙龍爪虎を地面に突き刺して支える。
 神凪が走ってくる気配があった。それを「来るな!」の一言で一喝すると、忠真をまっすぐに睨む。目が霞み始めていて、睨むようにしてみなければ、姿を確認することも困難だった。

 『ひひっ、ひっ、ひ、ひは、はははははははははははははははははははははははははははーーーーーー!!!!』

 骸骨が、がしゃがしゃと身を震わせて哂った。忍ぶような哂い方から、口を大きく開けた馬鹿哂いに変えて。可笑しくて可笑しくてたまらない、というように。
 征士郎は黙したまま、あのときのように状況の打開策を模索した。
 あの時と違うのは三つ。
 自分が傷を負っているということ。
 神凪という第三者がいること。
 そして相手が人外に身を堕としているということ。
 状況の打開は可能だろうか。少なくとも、自分はもうすぐ失血死してしまいそうだ。

 忠真は哂うことを止めていた。
 右手にぶらりと刀を下げ、ゆっくりゆっくりと征士郎に近寄ってくる。
 不用意に近寄ってこないのは、やはり警戒しているからだろうか。人も獣も、手負いの状態が一番恐ろしいものだと、人でも獣でもなくなった身でも覚えているのだろうか。
 ――それとも、自身の死の引き金となった傷のことを覚えているからだろうか。
 びちゃびちゃと血溜まりがその陣地を広げていく中、それでも征士郎は諦めなかった。戦場(いくさば)では、生を諦めた者から死んでいくのだから。
 傷を負って死に向かって歩み始めた身体では、もう速く動けない。力も入らない。あの時よりも、圧倒的に不利に状況が傾いているように思える。
 忠真は、ちょうど一間ほどの距離で立ち止まった。動く気配はない。征士郎の出方を窺っているのだろうか。それとも確認しているのかもしれない。征士郎がもう筋肉を動かす余裕がないということを。
 ふらり、と身体が傾いだ。
 もう、時間はないようだ。もう間もなく自分は死ぬ。血を流しすぎた。
 死ぬ。
 その言葉を頭で噛み締めたときに、征士郎を支えていた芯のようなものが折れてしまった。折れないようにしていた両膝が、大地についてしまった。
 牙龍爪虎の柄を握っていた手から、力が抜けた。身体がくの字に折れる。
 忠真が哂う。絶望に服従してしまった征士郎を嘲う。
 情けない男の姿をその落ち窪んだ眼窩に納めて、満足げに哂う。
 自分の力に酔うように哂う。
 そして、ひとしきり哂うと、無造作に握っていた刀を振り上げて、

 『死ね』

 という台詞と共に振り下ろした。
 これで、もう、死ぬ。
 自分の命を刈り取るその凶刃を、征士郎は力なく見つめていた。

 
 「征士郎様!」

 目前にまで刃が迫ったとき、その声が聞こえた。
 凛とした声。
 この町で一番聞いた声。
 この町で一番聞き心地のよい声。
 一番聞いていたい声。
 ――神凪の声。
 思考する事を放棄した頭が、ゆっくりと回った。
 ああ、これがこの声の聞き納めだ、と。
 そして、もう一度だけ回転した。
 自分が死んだら、彼女はどうなるのだろうか、と。
 借金を返しても、彼女に働き口が見つかったわけではない。征士郎の稼ぎが彼女の生活の糧となっているのだ。だったら、征士郎が死ねば彼女は路頭に迷ってしまう。
 いや。
 それ以前にこの状況。
 忠真が、征士郎を殺しただけで満足するとも思えない。
 人の心を失った物の怪なのだ。征士郎の背後にいる神凪も、斬り捨てようとするのではないか。
 そして、神凪は逃げずに立ち向かおうとするだろう。そういう女だと、この一ヶ月でよく分かった。
 けれど、征士郎が敵わないような相手に、神凪が勝てるはずが無い。ここにいる三人の中で、彼女が一番弱いのだから。
 彼女はそれを知りつつ戦い、そして死ぬ。

 ――それでいいのか?

 征士郎は自問した。そしてすぐさま自答した。

 ――いいはずが無い。

 当たり前だ。そんなこと、許せるはずもない。

 ――なら、それなら、どうすればいいか考えろ。人を斬ることしか出来ないそのちっぽけな頭を全て使って考えろ。どうすれば彼女を救うことが出来るか考えろ。

 心の火が、もう一度燃え上がった。
 征士郎は顎を引き締めた。
 あの時だって勝てたのだ。それなら今回も勝てる。
 あの時と違う点は三つだけ。
 自分が傷を負っているということ。
 神凪という第三者がいること。
 そして相手が人外に身を堕としているということ。
 それだけ。
 ……いや。もう一つ。
 もう一つあった。

 彼の目の前に突き刺さっている、鬼神ですらも切り裂くことの出来るような剛刃の存在。

 彼は手を伸ばした。
 牙龍爪虎は突き刺さったときと同じく、変わらずにそこにあった。
 柄を握る。かたかたと、牙龍爪虎は打ち震えた。
 大地に突き刺さっているのは自分の仕事ではない。そう言いたげだった。
 そうだ。
 征士郎は、牙龍爪虎を引き抜いた。

 お前の仕事は、使い手の敵を斬り裂き両断することだけだ――。


 引き伸ばされた一瞬の末に、征士郎に到達せんとする忠真の刃。
 打ち込まれたそれを、膝をついたまま真横に引いた牙龍爪虎で受ける。
 乾いた音と共に、一際大きな火花が散った。
 忠真が、目玉の無い眼で驚いた。
 流れる血をものともせず、征士郎は歯を食いしばって立ち上がった。

 お前が地獄から戻ってきたのなら、自分だって立ち上がってやる。この勝負、絶対に負けるわけにはいかないのだから。

 征士郎は咆哮を上げ、忠真に斬りかかった。
 満身の力を込めて、神速すらも追い抜くほどの速さで。
 一切の余力を残すつもりの無い、捨て身の攻撃。
 忠真は受け太刀に回った。否、回らざるを得なかった。それほどまでに苛烈な打ち込みだった。
 一合一合受けながら、忠真は不可思議だった。どうしてこんなにも動けるのだろうか。相手は傷を負い、死の淵に立っているというのに。
 その証拠に、溢れ流れる血は相変わらず留まることを知らない。どれほどの血が流れているというのか。もういつ死んでもおかしくないほどだ。
 それなのに、打ち込みは衰えることなく、むしろ苛烈さを増していく。
 なぜだ?
 不可解な状況に、忠真は湧いた疑問を消せなかった。
 名誉の為か?誇りの為か?そんな些事の為に、この男は刀を振るっているというのか?
 人外に身を堕とした彼は気付かない。
 征士郎の後ろに立つ人の存在に。その存在の大切さに。
 大切な人の為にならば死ねるという、武士の至高の魂の輝きを。
 苛烈な打ち込みは激しさを増し、やがて忠真の受けきれる臨界点を突破した。
 いや。彼の愛刀の臨界点を。
 主人の迷いに呼応するかのように、忠真の刀はびしびしとその身に傷をこしらえ、唐突にして砕け散った。
 パキン、と軽やかな音が舞った。
 刹那。刃を挟んで、二人の視線が交錯した。
 征士郎は忠真の眼から何を読み取ったのか。
 そして、忠真は征士郎の眼から何を読み取ったのか。
 語られることの無い無言のやり取りの後、征士郎は最後に、身に残っている全ての力を込めて、忠真の首を刎ねた。


 死は冷たいものだと思っていた。
 そして、孤独なものだと。
 ……どうやら違うようだ。
 身体中から体温が抜けていく中、右手だけは温かい。
 命の持つ温かさだった。


 神凪は泣いていた。征士郎の手を握ったまま、ぽろぽろと大粒の涙を零して。
 そこは、町医者の医務室だった。
 町医者といっても、出来ることなど限られている。
 足りない征士郎の血をどうすることも出来ない。せいぜいが傷の縫合と、化膿止めの薬を塗る程度だ。
 死神の降りてきている征士郎は、自分の力で峠を越すしかなかった。
 征士郎は意識を失っていた。一度として眼を覚まさない。それは、永遠の眠りを神凪に連想させた。
 神凪は、一時すらも離れなかった。ずっと征士郎の手を握って、彼の容態が回復することを願った。

 明け方頃だった。征士郎はふっと眼を覚ました。
 それに気付いた神凪は、また大粒の涙を流した。
 自分が生きていることを知った征士郎は、たいそう驚いていた。まさか生き延びることが出来るとは思っていなかったのだ。
 そんな征士郎に神凪は、涙を流しながら独白した。

 「あなたがあの化け物と戦っているとき、私はあなたが恐ろしかった。あなたもあの化け物と同じ存在なのかと思いました」

 化け物と対等に渡り合える者など、化け物だけに決まっている。
 そんな意味では、征士郎は正真正銘の化け物だった。
 神凪の独白に、征士郎は薄く笑って「そうか」と答えた。
 征士郎の手を握ったまま神凪は「でも」と言葉を続けた。意を決するという言葉が相応しい瞳をして。

 「それでもあなたの手は生きようともがいていました。一晩あなたに触れていて、私は自分の間違いに気付きました。あなたは――」

 ――人間です。

 征士郎はまた小さく笑って、「有難う」と呟いた。


 To be continued......


Quick Action / etc




特に何もしなかった。



第213パーティ・所属メンバー (Before)



Februa(213)
結界4 漲溢4 魔術15 命術15
現在地 F6
アインクルス=アンキュール(597)
貫通4 適応3 斬撃17 忍術15
現在地 F6


Character Data (Before)


ENo.213 Februa
HP3372 / 3372

1結界4場所F6 [山岳LV0]
SP474 / 537

2漲溢4使用可能技一覧
NP19体格1093魔術15参 加 団 体
CP67敏捷1084命術150亡霊の夢
PS2545器用1085 1Wir sind freunds
0(0)魔力3726 2
連勝8魅力1507 3
総CP826生命1748―――4
単位9精神1779―――5
= Profile =
種族
性別
年齢16

人間のように見えるもの。
けれど、人間ではないもの。
過去のトラウマのせいで対人関係において若干神経質だが、基本的には無害。




Noアイテム名種類 / 強さ / Grade / 効果1 / 効果2装備

1赤薔薇植物 / 5 / 8 / なし / なし
2其他 / 8 / 6 / なし / なし
3制服防具 / 10 / 1 / 活力LV1 / なし防具
4胸章装飾 / 10 / 2 / なし / なし装飾
5鉱物 / 1 / 0 / なし / なし
7漆黒の魔石魔石 / 36 / 4 / 活性LV3 / なし武器
8緑色の魔石魔石 / 6 / 4 / なし / なし自由
10ガラスの欠片鉱物 / 8 / 0 / なし / なし
12鈴蘭植物 / 3 / 7 / なし / なし



イベント戦闘



第213パーティ 所属

Februa(213)
アイアンマン(597)

† V S †
歩行小石
歩行小石

Enemy




歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」



BATTLE START!!



非接触フェイズ
[列]名前HP/MHPSP/MSP
[前]Februa3372 / 3372

474 / 537

[前]アイアンマン5561 / 5561

280 / 418




[前]歩行小石A1338 / 1338

95 / 95

[前]歩行小石B1338 / 1338

95 / 95




アイアンマンの攻撃!
ダメージアップ!!
アイアンマンの物理ATが上昇!
アイアンマンの魔法ATが上昇!


Februaの攻撃!
オートレスト!!
Februaに 平穏LV2 を付加!




非接触フェイズ
[列]名前HP/MHPSP/MSP
[前]Februa3372 / 3372

447 / 537

[前]アイアンマン5561 / 5561

240 / 418




[前]歩行小石A1338 / 1338

95 / 95

[前]歩行小石B1338 / 1338

95 / 95




Februaの攻撃!
ホーミングミサイル!!
歩行小石Aに1203のダメージ!




非接触フェイズ
[列]名前HP/MHPSP/MSP
[前]Februa3372 / 3372

410 / 537

[前]アイアンマン5561 / 5561

240 / 418




[前]歩行小石A135 / 1338

95 / 95

[前]歩行小石B1338 / 1338

95 / 95




Februaの攻撃!
ホーミングミサイル!!
歩行小石Bに1229のダメージ!



戦闘フェイズ


アイアンマンの体力LV1
アイアンマンのMSPが上昇!
Februaの活性LV3
FebruaのMHPが上昇!
FebruaのMSPが上昇!
Februaの活力LV1
FebruaのMHPが上昇!



TURN 1
[列]名前HP/MHPSP/MSP
[前]Februa4173 / 4173

447 / 633

[前]アイアンマン5561 / 5561

288 / 486




[前]歩行小石A135 / 1338

95 / 95

[前]歩行小石B109 / 1338

95 / 95




Februaの平穏LV2
FebruaのSPが11増加!
Februaの攻撃!
マジックミサイル!!
歩行小石Bに931のダメージ!


アイアンマンの攻撃!
エンチャントウェポン!!
歩行小石Aに1036のダメージ!


Februaの平穏LV2
FebruaのSPが11増加!
Februaの攻撃!
マジックミサイル!!
歩行小石Bに949のダメージ!


歩行小石Aの攻撃!
歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」
エキサイト!!1
歩行小石Aの物理ATが上昇!
アイアンマンは攻撃を回避!


歩行小石Bの攻撃!
歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」
エキサイト!!1
歩行小石Bの物理ATが上昇!
アイアンマンは攻撃を回避!


アイアンマンの攻撃!
火遁の術!!
歩行小石Aは攻撃を回避!


歩行小石B「ごっつぅぅ・・・」
歩行小石Bが倒れた!

歩行小石A「ごっつぅぅ・・・」
歩行小石Aが倒れた!




戦闘に勝利した!

100 PS、 0 CPを獲得!

Februa石ころ を入手!

アイアンマン石ころ を入手!

BATTLE END.




Normal Action / etc




G6に移動しました。
G5に移動しました。

生命15 上昇しました。(- 17 CP)
生命15 上昇しました。(- 18 CP)
生命15 上昇しました。(- 20 CP)

亡霊の夢 の活動をしました!
  魔力1 上昇!
  精神1 上昇!

亡霊の夢 の活動をしました!
  魔力1 上昇!
  精神1 上昇!

亡霊の夢 の活動をしました!
  魔力1 上昇!
  精神1 上昇!

亡霊の夢 の活動をしました!
  魔力1 上昇!
  精神1 上昇!

ItemNo. 10 ガラスの欠片 から 灰色の魔石 という 魔石 を作製しました。(- 2545 PS)

CPが 52 増加しました!

NPが 1 増加しました!

アイアンマン(597)を同行者に指定しました。



Event



何者かと遭遇した!


イベント戦闘予告



第213パーティ 所属

Februa(213)
アイアンマン(597)

† V S †
帰宅部員
歩行雑草

Enemy




第213パーティ・所属メンバー



Februa(213)
結界4 漲溢4 魔術15 命術15
現在地 G5
アインクルス=アンキュール(597)
貫通4 適応3 斬撃17 忍術15
現在地 G5


Character Data


ENo.213 Februa
HP4025 / 4025

1結界4場所G5 [森林LV0]
SP552 / 552

2漲溢4使用可能技一覧
NP20体格1093魔術15参 加 団 体
CP64敏捷1084命術150亡霊の夢
PS100器用1085 1Wir sind freunds
0(0)魔力3766 2
連勝9魅力1507 3
総CP878生命2198―――4
単位9精神1819―――5
= Profile =
種族
性別
年齢16

人間のように見えるもの。
けれど、人間ではないもの。
過去のトラウマのせいで対人関係において若干神経質だが、基本的には無害。




Noアイテム名種類 / 強さ / Grade / 効果1 / 効果2装備

1赤薔薇植物 / 5 / 8 / なし / なし
2其他 / 8 / 6 / なし / なし
3制服防具 / 10 / 1 / 活力LV1 / なし防具
4胸章装飾 / 10 / 2 / なし / なし装飾
5鉱物 / 1 / 0 / なし / なし
6石ころ鉱物 / 2 / 0 / なし / なし
7漆黒の魔石魔石 / 36 / 4 / 活性LV3 / なし武器
8緑色の魔石魔石 / 6 / 4 / なし / なし自由
10灰色の魔石魔石 / 26 / 9 / なし / なし
12鈴蘭植物 / 3 / 7 / なし / なし



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