この世界がどうなって欲しいか、と聞かれたら、多分、良い方向に進んで欲しいって答えると思う。
この世界の住人じゃないあたしは、正直どちらでもいいんだけど、それでも、せっかく覚えたこの世界に関する内容が全て無駄になるのは寂しい。
いつかまた、来れたらいいとも思うし。

さて、次こそはちゃんと行きたい世界に行けるかなー。
っと、旅立つ前にちゃんとリカさんにお知らせしないとね。

一揆を終え、王城から離れていく人々の中に、
見覚えのある少女の姿を見つけたビブリオバベルは、
遠くから声をかけ、駆け寄ってきた。
……よく見ると、髪の色や瞳の色が少し変化している。
もしあなたが尋ねれば、その理由について答えるだろう。

ビブリオバベルは、手を振ってその場をあとにした。

　恐らく帰ってくる可能性が少ない戦いに行くのに"またね"という言葉は重すぎると上から口を酸っぱくして言われていたのだろう、相手にとっては軽いものでも自分にとっては重い、それを自覚しながらも言葉を残し……

大きく手を振って飛び去っていった

手を振り。