宴の終わりが近づく中、パンダバンヤとユメルは人里離れた地に居た。

街の方から聞こえてくる騒がしい音の洪水を聞きながら、一言も発さずに佇んでいる。

――――どれくらい経ったろうか。

パンダバンヤが重々しい口を開いた。

「……ユメル、私は」

ユメルがびくっと体を震わせる。

不安そうな顔をするユメルの顔。

ともすれば萎えてしまいそうな気持ちを奮い立たせ、パンダバンヤは一番言いたかった言葉を発する。

「ユメル、君と出逢えて……一緒に居られて、本当に良かった」

――――ありがとう、そしてこれからも……よろしく。

二人の周りから全ての音が消え、そして……

ユメルの目から大粒の涙がこぼれた。

パンダバンヤはそっとユメルを包み込み、ユメルはパンダバンヤにしがみつき、そして



大きな泣き声が静寂を破った。



一匹の獣と一人の少女は、これからも一緒に歩んでいくことだろう。

全ての過去を、罪を、幸せを、運命を受け入れた二人を、明るい月明かりが照らしていた。

照れるかのようにそっぽを向いたパンダバンヤを、ユメルが笑って小突いた。