つむがれたのは、ひとつのあしあと。
つむいでたのは、ひとりのおでかけ。



ちょっとだけ、むかしのおはなし。
どこかのけしきに、いきものがいました。

飾りを持って、お祈りしてくれるひとに、すがたを似せて、
ちょっとだけ、おてつだいをしてくれる、似せてるすがた。

でも、似せられるのは、すがただけ。
おてつだいできるのも、ちょっとだけの、すがた。



ちょっとだけ、むかしのおはなし。
どこかのけしきに、ふしぎなお祈り、こめられました。

けしきに棲む、おでかけできない子に、すがたを似せて、
ちょっとだけ、かわりのおでかけ、はじめるすがた。

似せられるのは、すがたと・・・
してみることの、ちょっとだけな、似せてるすがた。

けしきに生まれた、おでかけもできる子に、つれていってもらって、
ちょっとだけ、かわりのおでかけ、はじまりました。

似せているすがたから、おなまえのかけらも、かりて。



ちょっとだけ、歩きはじめたあとの、おはなし。
つれていってくれる子と、いっしょにおでかけする子と、
いっしょに、いろんなことも、みていっていく、似せてるすがた。

かさねていった、みてきたことは、
いろんなことを、思い始めるまえの種にもなって、
ゆっくり、似せているだけじゃない気持ちも、そだてていったみたい。

似せているだけじゃない、気持ち。
まだまだあんまり、そだっていっていないのかも、しれなかったけれど、
じっくり、そだっていけるのを、まっているみたいに、
かりているかけらじゃない、おなまえも、決めてもらえました。




みーもゆ、思い出していたのは、この世界に来るまえのあしあと。
おなまえ、呼んでくれてたのは、
ちいさなちいさな、あるいてる草の、めゆしゅ。
いっしょに、つれていってくれたのは、しずく。

この世界におでかけして、いろんなことをしてみるのは、
息吹にあわせてみるの、むずかしくて、
おでかけしてみたのは、はじめは、ひとりだけ。



みーもゆ、似せてみることから、はじめていたから、
この世界の息吹の流れになれている、エンブリオに似せてみて、
はじめての、ひとりのおでかけ、はじめてみてました。

ちょっとだけ、あるいてみてたら、
ちょっとだけ、お手伝いもできるようになって、来てくれたけれど、
つれていってもらうのじゃなくて、決めていく、おでかけのまま。

みーもゆ、ゆっくりあるいていきながら、
めゆしゅ、いつもはちいさくて、ときどきおおきくなって、守ってくれて、
ふたりからは、はなれたところで、こっそりささえてくれてたのは、しずく。




あしあとも、想いの芽がそだっていくのも、ゆっくりだけど、
ちょっとずつ、あるいていってた、この世界のあるきみち。

でも、そろそろ、この世界で起きていること、鎮まってきていて、
どこかにかえっていっちゃう、いきものも、いっぱいいるみたい。

みーもゆ、めゆしゅといっしょに歩いてるけしきに、
おむかえに、きてみたりするのかな、しずく。

まっているすがたをみて、そんなふうに思われてみちゃったりも、してそうな
まだまだちいさな、ふたりの、すがた。

でもでも、かえってみるのは、もうちょっと、さきのことになりそうです・・・





いろんなことが、鎮まっていったら、
この世界のけしきを、いろんなところに伝えていくことも、
少なくなっちゃうかも、しれないけれど。

でも、綴られていないどこかを、歩いてみてる、
そんないきものにも会えそうな、ひろがるけしき。

この世界で、びっくりするようなことが起きているときには、
そのけしき、じっくりみていけないことも、いっぱいあったから。

とおりすぎた、ゆっくりできそうなけしきも、
こんなときに、歩いていってみるみたい。

おでかけしたから、みつけられたことを、しっかりみつけられるように、
おでかけしていく、みつけなおしていく、歩きみち。

それはきっと、芽吹きはじめていないかもしれない、なにかの・・・はじまり。