ソウハの先制攻撃が決まり、あっさりと勝負はついた・・・ように見えた。
しかし敵の男はまったくの無傷で立っていた。

準備を終えたアラヤは敵の男へ無数の光弾を放つ。
しかし、やはりこちらの攻撃は敵の男へ届く前にかき消される。
よく見てみると、こちらの魔力や術式を分解しているわけではなく、攻撃そのものを吸収しているようだ。

このままではきりがない。
頭の中では不気味な時計の音が響いているし、最悪だ。
時を刻む音が焦燥感をかき立てるが、落ち着いて敵を観察して思考を巡らせる。

すると、一つのことに気がついた。
アラヤやソウハの攻撃は吸収されたが、味方の男の攻撃は相手へダメージを与えている。
それはアラヤたちの攻撃に比べれば非常に貧弱だが、たしかに吸収されていない。

術式を収束し、刀で直接斬りつける。
すると吸収されることなくダメージを与えることができた。
そのまま舞うように連続で斬りつけると当たり所によっては再生されてしまったが、たしかにダメージを与えている。
やはり威力の大きすぎる攻撃だけが吸収・再生されるようだ。

そしてもう一つ気づいたことが・・・相手の身体のところどころに霜がついている。
どうやらソウハの攻撃は完全に無駄ではなかったようだ。
おそらく身体的な異常までは防げないようだ。
そうとわかれば勝ち目はある。
刀に凍結・呪縛・幻惑の術式を付与してひたすら斬りつける。

ソウハの支援を受けながらしばらく攻めていると、相手はついに動けなくなって倒れこんだ。
それと同時に草原の彼方先に突如森が現れた。
共闘した男は意気揚々と一人でその森へと向かって行ったが・・・。

罠の可能性もあるので、進むかどうかソウハと相談する。
結局、危うきに近寄らずということで他の道を進むことになった。

*----*----*

先ほどの森へ続く道とはまったく別の道を進んだ結果、結局違う森にたどり着いてしまった。

しかしこの森、どことなく見覚えがある。

ソウハに尋ねようとしたが言葉を切る。

森の茂みから現れた魔獣たちを見据えながら自己解決する。

うんざりしながら術式を展開するのだった。