このランチキ騒ぎももう終わりかと思うと、少し寂しくはありますね……。

…………。

……僕は、皆さんと御会いできて、良かったと。結果的には思いますよ。

貴方は……。何のためにここに居るのでしょう。
存在の安定のため？　より良質な魂をその身に宿すため？
僕と貴方の役割は似ているのではない。僕と貴方はしている事が似ているように“見える”だけではないでしょうか。

僕がしている事は、話という概念を自分の力に変換して、ただ蓄積しているだけ。
貴方がしている事は、魂という概念であっても“貴方が喰らう事により消費されて”いる。そして力となしている。
……被害者が結果的に出来上がる。一緒にしないでもらいたい。

ああ、僕は美味しくなさそうに見えますか。それは良かった。
ところで一つ、ずっと気になっていたんです。
貴方は僕を今“あまり美味しくなさそう”と仰いましたね。
僕に関しては別に構いませんが……、アイリさんや野良さんにも、そういう、値踏みをしていたのでしょうか。

美味しそうとか、美味しくなさそうとか、そうした事を。
それ以外としては見ていませんでしたか？

例え貴方が永遠を手に入れていたとしても、やはり破損してしまうのでしょう？
僕も、ま、半永久的なモノですけれど。それでも修繕しないと屹度破損してしまうのだと思います。修繕したからといって、永遠だなんて保証、どこにも無いわけですしねえ。
……「第五の永遠」とは一体？　それまでの“永遠”とは？

いえ、聞いてみただけですよ。
元の時間に戻るなど、それこそタイムマシンでも無ければ無理です。
理論は組み立てられてはいると聞いた事はありますよ？
ですが、現代の技術では事実上不可能であるとされている。
時間が遡行できるのであれば、それは遠い未来です。それこそ永遠の話かもしれませんね。
もしもこの先……例えば100年先になってそれが確立されたとして、貴方はそのチャンスを掴むおつもりですか？　執着心、といいますか。

貴方の倫理は結構。まあ、安心するくらいにはね。
けれど救いがたい魂の線引きは結局貴方がするわけではないですか。結局貴方の主観ではないですか……。
貴方は客観的に物事を話しているように見えるけれど。

『骨しか』って……分かるんですか？　御自分の元の身体の事。
もしかすると、貴方が生、魂に執着心を見せるのは、そうしたところにあるのかもしれませんね。
「影」などと、悲しい事を。僕は貴方の影を見ているに過ぎないのですか？　そういうわけじゃあないですよね。

異常な世界に飲み込まれないようにするのが、他人の胸部に釘を打ち込む事なんですか！！？　ちょっと信じられません。僕は藁人形じゃないんですよ！！　それに、貴方に心配される程、僕は自己を保てないわけじゃない！！　……そんなわけ、ありません！

彼は――白萩は、大事な友人です。貴方が、彼を、食べたから……！
引きずられてなどいない！　白萩も一つの話として持ち帰る、それだけです！！　僕はちゃんと自分が収まるべき書架を心得ていますよ。

もう、終わりなのですから。……ね？

さて、はじめましょうか

愚かしき者に相応の報いを。

油断せず、侮らず、全力に

教ちゃんや皆と一緒にがんばるなー！