◎概要
　度重なる運命の悪戯と偶然の結果、類い稀な知性と言語能力、そして鉱物の肉体を手に入れ、ついにはエンブリオと契約まで果たした偉大なるカエル。
　体内で鉱物を溶解・圧縮し、合金や宝石を精製する事が可能。
　最近は宝石に執心している。


◎身体
　体長：20cm程度。大きめのウシガエルと同等。
　重量：100kg前後。体内の圧縮鉱物のせいで異常な程に重い。
　跳躍力：最大5m。足の筋力は強靭。
　速度：跳躍時の瞬間最大速度は70km/h。交通事故程度の危険度。
　舌：推定全長10m。
　　　紙の様に薄く、刃物のように鋭い。
　　　鮫の歯のように何度でも生え変わる。


◎生態
　食性：無機物全般。小石も岩も硬貨も食す。
　　　　銀が大好物で、持っている者から見境無く奪おうとする。
　睡眠：人間の生活に合わせているが、本来は夜行性。
　生殖：ただの蛙時代に何万と子を成している。
　　　　現在は体構造が変化し、生殖能力は失われた。
　生息：ただの蛙時代の名残からか、沼地に執着する。
　　　　深海の底でも溶岩の中でも生命維持は可能。


◎性格
　長らく孤独に過ごしてきた故か、世間知らずで傲岸不遜。しかし被捕食者らしく臆病な性格の持ち主で、しばしば虚勢を張り、勝手にパニック状態に陥る。鉱物で体をコーティングしているのは過剰な防衛本能の現れである。


◎苔坊

　背中に生えた苔のエンブリオの名称。いつの間にか命名されていた。
　成長するに連れて確固たる意志を獲得し、しばしば鉱蛙の体を乗っ取る。
　鉱蛙はそれを自覚しているが、苔坊の好きにさせている。
　口汚く、非常に残虐な性格で、他者の命を奪う事に喜びすら見出している程。
　しかし意図的に鉱蛙の脳のリミッターを外す事が出来るため、鉱蛙の戦闘能力の上昇に一役買っている。


◎一揆参加の経緯
　かつて沼を訪れた名も知らぬ商人に対して、宝石を対価として世間話の相手となってもらった事が縁となり、互いに親友同士となった。だが、新王政の混乱の最中にて商人の事業が失敗。彼はこの世界を去ってしまった。
　また再びその商人がこの世界に帰ってこられるよう、新王政を叩く一揆に参加するため、蛙は己の鋭利な舌を殺戮の刃と化す……。