湯屋さんで契約を済ませてから数日。
アムルは毎日のようにムイの研究室に通ってきます。

テーブルの隅にサンドイッチを置くと、わりと強引に暖炉の薬缶を借りてコーヒーを淹れたり。
容器にはいつの間にか持参してきたティーセットを使っているようです。

淹れるのは、前に話していた、友人からもらったカフェインのない紅茶。
ムイさんとコハクさんと自分でちょうど三人分の飲み物を出すと、テーブルクロスを敷いて昼食の場を作りました。

たくさんあるサンドイッチは、話していた通りの生ハムと新鮮な野菜が挟んだものです。
ほかにも、甘目に味付けした玉子焼きや、チーズやポテトサラダ、変わり種ではカレーの味付けのチキンなどあります。

そんな話をしながら、サンドイッチをつまんで。
ようやくアムルは本題に入りました。


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膝の上に手を置いて、ムイさんの方をまっすぐに見ると、そう前置きして話をはじめます。

だんだんおかしなことを口走りそうになったところで、コハクさんも同席していることを思い出して。
コホン、と咳を一つして、話を止めました。

と、前置きすると、アムルは手を膝の上にしたまま、身を乗り出します。

そう言ってから、一つ大きく息を吸って。
アムルは、膝の上に載せた手を折り曲げて、頭をテーブルのすぐ上ぐらいまで勢い良く下げて、大きな声でこう言います。

そう口にしてから、一拍間を置いて、そろそろと顔を上げて。
アムルは事情の説明をはじめます。

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前置きのあとに、アムルから説明された事情は、要約するとこのようなこんな感じでした。

・アムルにはミオという友人がいる。
・ミオというその友人は、魔力がないと生きていけない性質で、元々は魔力のある知的生物を殺して魔力を奪っていた。
・アムルと仲良くなったことで、ミオは生物から魔力を奪うことを止めてくれたが、魔力を補給できないと死んでしまう。

・アムルの住んでいるタンポポ荘という建物は、世界を移動できる神様の神殿である。
・タンポポ荘ならばミオに必要な魔力が補給できるので、ミオにタンポポ荘に入ることを薦めて一緒に住んでいる。
・しかしタンポポ荘は、この一揆が終わったらこの世界から別の世界へと旅立つ予定である。

しだいにうつむきながら、絞りだすような声で、正直にすべてを告げながら。
話しているうちに、自分の顔を隠すように、もしくは自分の閉じられない額の目を閉じるようにフードをかぶります。

けれど、話を終えると、アムルは顔を上げてムイを見ます。

口にしながら、だんだん視線を合わせるのが怖くなってきたように、視線が下に下がっていき。
アムルは、伸ばした手の平で、ムイの手に触れようと、掴もうとします。

けっきょく視線は下に向けてしまったアムルは、不安にふるえる手の平でムイを掴んで、やっと正直なお願いを口にしました。

食べたかったみたい

ごごごごご
ついでに肩に手をおきながら

本当にあります

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結果はどうする？（ぉ

＊＊＊＊＊

しょうげきのじじつ

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きっとそんなカンジ。
この先もきっとリータちゃんは悪魔絶対殺すマンである。

変なところで女子力見せてきた。

・・・

・・・

・・・

その後、話し込んで夕暮れにもなってきたのでまた会おうと軽く約束しつつも
その日は別れたのであった。そして、数日後…。

何かが羽ばたくような音が聞こえたかと思うと、エシャロットの声がする。
その羽ばたく音はリータのものかと思いきや…エシャロット自身のものであった。

一揆も終わって一段落。
最後のお別れにでも言いにきた様子だろうか。
ケーキ食べよう。

　　　　　彼女の歩みは止まらない―――――