今日も今日とて城内を行軍する一揆衆。

廊下を進んでいくと、開かれた大きな扉。

その先はドーム状の大広間となっていた。

そして広間には先客。

鎧の騎士と、一組の男女。

三者三様の反応でこちらに気付くが、赤毛の男が何やらわめき始めた。

同行者たちがあっけに取られ、彼らを見ている間、

その少し後方で、執事がため息をついた。

…気を取り直して。

当時はベルクレア騎士団…確か15隊と名乗っていたか。

メルンテーゼに来てからも、散策中に出会った少女との世間話の際に、聞いた名前でもあった。

文字通り、ゲシュペンストで一蹴でした。

そう、他の者に分からぬよう、小さく肩をすくめた向こうで、

白銀の鎧をまとう女性が、こちらに微笑みかけた。